盲導犬について
盲導犬アンソニー
(以前、学校にいた盲導犬の話です)
ぼく、アンソニー(ANTHONY)です。どうぞよろしく。
性別:男の子
生年月日:1998年(平成10年)6月6日
出身地(生まれたところ):秘密
好きな食べ物:メロン(ホントは内緒)
好きなテレビ:テレビはあまり見ません。
好きな音楽:フォルクローレ(民族音楽です)
好きな遊び:イルカや犬のぬいぐるみで遊ぶこと(今は大人になったのであまりしなくなりました。)
好きな動物:人間
苦手な生き物:アリやゴキブリ
趣味:寝ること
特技:しっかりとお仕事をすること
盲導犬の仕事について
「盲導犬の仕事は、みなさんもご存じのように、目の不自由な人(視覚に障害がある人)を、安全に目的の場所へ誘導する。」ってことなんです。
そう、僕がお母さん(僕のご主人、すなわち盲導犬使用者)の目の代わりをしてるってことなんだよね。
障害物があれば僕は上手にそれを避けて通ることもできるんだ。
(写真 交差点では段差があるのできちんと止まって,お母さんの指示を待つんだ。)
僕が歩みを止めると「何かあるのかしら・・・?」とお母さんは確認をし、僕の動きを観察したうえで、僕に「go」の指示を出して移動するんだ。
どうして僕の歩みが止まったかって・・・
それはね、歩道に自転車が置いてあってね、そのまま前進しては自転車にぶつかってしまうから僕の判断で止まったのさ。
こんな時には、お母さんは「good good」と褒めてくれるんだよ。
それじゃあ、どうしてお母さんが僕の歩みが止まったことに気が付くのか、って言うとね、僕の動きをハーネス(僕の体に着いているもの)を通して感じ取ったんだよ。
だからね、僕たちと町で出会った時には「僕に触ったり」、「僕に声をかけたり」、「僕を見つめたり」は、しないでね。
どんなに犬が好きでも、どんなに僕がかわいくても・・・そっと見守っていてください。
ただし、危険そうだったり、交差点を渡れずに困っているようだったら、お母さん(ユーザー)に声をかけてくださいお願いします。
盲導犬の仕事について
盲導犬の候補犬の誕生から盲導犬学校へ入学するまで、すなわち、繁殖ボランティアのところから飼育ボランティアのところまでを紹介します。
僕とお母さんが出会ったのは、アイメイト協会と言う盲導犬学校です。でも、お母さんたち訓練生(ユーザー候補生)は、僕たち候補犬がどこで生まれて、どこで育てられたかは全く知らないんです。
ですからここに掲載されている写真は、僕のお母さんが色々と苦労して手に入れたもので貴重なものなのです。まあ、ノンビリやのお母さんとしてはお手柄かな。
盲導犬に選ばれる犬種は、ラブラドールレトリバー、シェパード、ゴールデンレトリバーですが、現在最も活動しているのはラブラドールレトリバーでしょう。
毛色は、イエロー(茶色系)、ブラック、チョコレート色の3色と言われています
(写真 候補犬誕生)
盲導犬に選ばれる犬はより優秀で、性格も良く、とにかく「質の良い犬」が選ばれると言われています。昔から「栴檀(せんだん)は双葉より芳し」と言われていますからね(僕もなかなか物知りでしょう?)
アイメイト協会では繁殖を専門にお願いしているボランティアが何人かいるようです。
1頭のお母さん犬からは7~10頭ぐらいの子犬たちが産まれるようです。そして、僕たちの名前はたいていは繁殖犬のお家で付けると聞いています。
僕を産んでくれたお母さん犬は初めての出産だったので僕たち兄弟には名前の頭文字にはアルファベットのAが付けられています。僕の名前は、ANTHONY(アンソニー)、ほらっAが付いているでしょう。
僕の兄弟は何頭ぐらいいたのかなあ・・・。
生後2ヶ月ぐらいまではお母さん犬や兄弟姉妹犬たちと一緒ににぎやかに暮らしていたんだねきっと。
どう、かわいいだろう!僕だってこんな時もあったんだよなあ。
新しいおうちへ 1
(写真 みんな別のおうちに行くんだよ)
生後2ヶ月を過ぎた頃、僕たち兄弟姉妹は生まれたお家の家族とお別れをして、それぞれ新しいお家にもらわれていくのです。そう、みなさんもよく知っているパピーウォーカー(飼育奉仕)のお家です。ここでは、1年~1年2ヶ月ぐらい暮らすことになります。
おそらく最初はみんな猫かぶって(おっと!犬かぶって)いるようだけど、だんだん家族にもなれてきて本領を発揮し、お庭や家の中を走り回ったり、おもちゃで遊んだりもしてたんだ。(僕は幼い頃からおとなしい子だったかな?)
(写真 お気に入りのおもちゃ)
(写真 お庭で・・・何してるのかな?)
新しいおうちへ 2
パピーワーカーのお家では、家族の人たちに愛情をいっぱいもらって「人間ってとても優しい」ということを、心と体で感じられるように育てられるんだ。そして、人と犬が共存していく上での基本的なしつけも教えてもらうんです。
それから家族と一緒に買い物に行ったり、花火大会やいろいろなイベントにも連れて行ってもらったりして、大勢の人の中でも平気でいられたり、大きな音にも平気でいられたりするように、本当にたくさんのことを経験させてもらうんだよ。
1歳のお誕生日を過ぎる頃になると、落ち着きも出てくるし、盲導犬の候補犬らしさもちらりと見せたりして、パピーのママたちの期待もふくらんでくるのです。
それと同時に協会からの入学通知の電話が何時くるか気になりだす時期でもあります。
(協会とは、指定を受けた盲導犬育成団体のことです。視覚障害者の安全に係わるため、そこでは、立派な盲導犬になるための訓練が、しっかりと行われています。)
(写真 海に向かってダッシュ!!)
(写真 布団のすきまからこんにちは)