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第164号西高通信①
第164号 令和4年(2022年)3月15日
静岡県立浜松西高等学校・同中等部










「VUCA」な時代を生きる
校長 織田敦









 これからの時代は、より「ⅤUCA」な時代になる、と言われています。「ⅤUCA」は、以下の語の頭文字をとった言葉です。
・Volatile (変わりやすい、不安定な)
・Uncertain(不確実な)
・Complex(複雑な)
・Ambiguous(曖昧な)
 つまり、「変化がしやすくて不安定、不確実で、複雑で、曖昧な時代」ということです。

 「そうは言うけれど、人間はずっと変化が大きくて不確実な時代を生きてきたのでは」と思う人もいると思います。確かに、人類は先が見えない中で選択を重ね、多くの失敗もある中で長い時間をかけて何とか文明を持つに至った訳で、中世のペストが大流行した時代も、産業革命で大量の労働者が誕生した時代も、そして2度の世界大戦下でも、人々は先の見えない毎日を生きていたのではないでしょうか。私たちが生きてきた時代でも、大地震や原発事故など、まさか、ということが起きていますね。

 とはいえ、今の時代は、技術の進歩や人々の価値観の多様化、移民の爆発的な増加、そして地球環境の悪化と自然災害の増加などにより、様々なことが加速度的に変化しています。また、何が正しいかが明快ではなく、意思決定の難しさも増しています。そう考えてみると、未来が変わりやすく不安定なのは人類史上ずっと続いているけれど、変化の速度や複雑さ、曖昧さがますます増していくのがこれからの時代なのかな、と思います。

 では、「VUCA」な時代において、中学生・高校生の学びはどう変化していくのでしょうか。学習指導要領の一
節を紹介します。学校教育には、子供たちが様々な変化に積極的に向き合い、他者と協働して課題を解決していくことや、様々な情報を見極め、知識の概念的な理解を実現し、情報を再構成するなどして新たな価値につなげていくこと、複雑な状況変化の中で目的を再構築することができるようにすることが求められている。

 「VUCA」な時代では、知識と技能を身に付けた先にある、他者と共同して課題を解決したり、情報や目的を再構築したりする力こそ、学校で身に付けてほしい力です。生徒の皆さんが本校での学びを通じて、これからの時代を生きるのに必要な力を育むことを願っています。

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