静岡県立下田高等学校

校長挨拶

人生のオーナーシップを育み、地域とともに未来を創る

静岡県立下田高等学校
校長  鈴木 孝明

 

校長挨拶1

 

このたび、静岡県立下田高等学校長として着任いたしました鈴木孝明です。

この春から下田で暮らすようになり、私はこの地域の持つ豊かな魅力を日々実感しています。小鳥のさえずりと川のせせらぎ、青く広がる海と美しい山々、歴史と文化が息づく街並み、そして何よりも人の温かさ。観光地として多くの人々を魅了する下田には、人を惹きつける特別な力があります。この素晴らしい地域で、生徒たちとともに学びを創り、未来を担う人材を育てることができることを大変光栄に思っています。


 

学校を地域のハブ(拠点)に

 

本校は、「学校を地域のハブ(拠点)に」という理念のもと、地域と連携しながら未来を創る学校を目指しています。

人口減少や少子高齢化、グローバル化、そしてAIやDXの急速な進展など、社会は大きな変革期を迎えています。このような時代だからこそ、生徒たちには知識や技能の習得にとどまらず、自ら考え、判断し、行動し、未来を切り拓く力を身に付けてほしいと考えています。

本校のスクール・ポリシーは、「自己決定力」「自走力」「人間力」の三つを柱としています。広い知識と思考力を身に付け、自ら決定できる力。主体的に判断し、積極的に行動できる力。そして、至誠(誠実性・公平性)、雄飛(国際性・創造性)、献身(協調性・社会性)を備えた人間力です。これらの力を育むことが、本校の教育の根幹です。

 

校長挨拶2


 

人生のオーナーシップを持つ

 

私が特に大切にしたいと考えているのが、「人生のオーナーシップ」という考え方です。

それは、自分の人生の主導権を自分自身で握り、自ら考え、自ら選び、その選択に責任を持って歩んでいく姿勢です。しかし、その本質は自分のためだけに生きることではありません。自らの学びや仕事を通して、誰かを幸せにし、地域や社会に価値を生み出そうとする使命感と意志を持つことにあります。

私は、下田で育つ若者たちには、ぜひ一度は広い世界へ羽ばたいてほしいと考えています。進学や就職を機に地域を離れ、多様な価値観や文化に触れ、自らの可能性を大きく広げてほしいのです。


 

下田が育む豊かな感性と人間力

 

実は、外から下田に来た私だからこそ見える、この地域の魅力があります。

下田で暮らしていると当たり前に感じる風景や文化、人とのつながり、訪れる人を温かく迎える風土は、外から見ればかけがえのない財産です。そして、その価値は、一度地域を離れてみることで、より鮮明に見えてくるものではないでしょうか。

私は、下田で育った人たちには、この地域ならではの感性や価値観が自然に育まれていると感じています。目の前に広がる海や山の美しさ、四季折々に表情を変える自然、歴史と文化が息づく街並み。こうした環境の中で育つことで、人は知らず知らずのうちに「美しいものを美しいと感じる力」、すなわち美を追究する感性を養っているのではないでしょうか。

その感性は、人との関わり方や仕事の質、暮らし方にも表れます。相手を思いやる心、おもてなしの精神、豊かな自然への敬意、多様な人々を受け入れる寛容さ。そうした価値観は、まるでDNAに刻まれるように人格の一部となり、社会に出た後も自然な行動として発露し、社会貢献につながっていくのだと私は確信しています。

 

校長挨拶3


 

DXが広げる新しい地域との関わり方

 

だからこそ、本校では、AIやDXなどの先端技術を活用できるデジタル人材の育成に力を入れていきます。

しかし、私が目指すDX人材育成は、単にデジタル技術を学ぶことではありません。その本質は、場所にとらわれずに価値を生み出し、人や地域とつながり続ける力を身に付けることにあります。

これからの時代は、進学や就職で一度下田を離れたとしても、世界や日本各地で活躍しながら地域と関わり続けることができます。そして、子育てや家族との暮らしを大切にしたい時期には、再び下田に戻り、この豊かな自然環境の中で生活しながら、仕事は全国や世界とつながり続けることも可能になります。

地域を離れることと地域に貢献することは、もはや相反するものではありません。DX人材であれば、自らのキャリアを維持しながら、場所を選ばず地域の維持・発展に持続的に関わり続けることができます。


 

地域と世界をつなぐ「グローカル人材」の育成

 

私たちが育てたいのは、地域だけを知る人材でも、世界だけを見る人材でもありません。

下田で育まれた感性や価値観を土台に、世界の人々と協働し、新しい価値を創造できる人材です。地域への愛着とグローバルな視野を併せ持ち、国内外の多様な人々とつながりながら社会課題の解決に挑戦する。そして、その成果を地域にも還元していく。

そのような「グローカル人材」こそ、本校が目指す生徒像です。

 

校長挨拶4


 

自治体・企業と共に創る実践的な学び

 

その実現のために、本校は下田市をはじめとする自治体や地域企業、首都圏企業等の関係機関との連携を積極的に進めてまいります。

地域には、観光、防災、福祉、環境、産業振興など、多くの課題と可能性があります。生徒たちが地域の皆様と対話し、企業や行政と協働しながら課題解決に挑戦する経験は、教室だけでは得られない実践的な学びとなります。

私は、こうした学びこそが人生のオーナーシップを育むと考えています。地域や社会の課題を「自分事」として捉え、多様な立場の人々と協働しながら解決に取り組む経験が、自ら未来を切り拓く力となり、世界で活躍するための力にもつながります。


 

地域とともに未来を創る学校へ

 

観光都市・下田だからこそ育まれるホスピタリティやおもてなしの心。そして世界とつながり、世界に変革をもたらすデジタル技術。その両方を兼ね備えた人材こそが、これからの社会を支える存在になると確信しています。

下田高校は、生徒、保護者、地域の皆様、そして自治体や企業の皆様とともに歩みながら、「地域に学び、地域に貢献し、地域とともに未来を創る学校」を目指してまいります。

そして、生徒一人ひとりが人生のオーナーシップを持ち、地域への愛着とグローバルな視野を兼ね備え、世界で活躍しながら地域社会にも貢献できる人材へと成長することを支えてまいります。

今後とも、本校の教育活動への温かい御理解と御支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

 

校長挨拶5

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