美術専攻の活動について
令和7年度美術専攻は3年生22名(うち男子1名)、2年生23名(うち男子4名)、1年生30名(うち男子2名)です。合計75名、過去最大の在籍者数です。全員美術部に所属し、美術系進路を目指し、放課後は学校で実技力、家庭に帰ったら学力の向上を目指します。
ここからは一年間の活動を紹介します。
新年度最初の授業で2,3年生によるデッサンバトル(画像1)が行われます。作品は氏名を伏せて3年生が評価し講評します。1年生は入学後最初に取り組む「美術Ⅰ」の風景画の授業で水彩画を描き(画像2)、さらにそれを木版画にします(画像3)。1年生では同じ内容を学びますが、2年生になるとデザイン(画像4)・油絵(画像5)・日本画(画像6)・彫刻(画像7)の4専攻に分かれて学びます。
6月の学校祭が過ぎると、土曜日の学科講習とともに実技講習が始まり、夏休みはほぼ毎日実技講習(画像8)と美術部の活動で技術を磨きます。美術専攻・美術部合同でモチーフのスイカのスイカ割り(画像9)や、美術館見学(画像10)など楽しいイベントもあります。また、一日体験入学において芸術科美術専攻では中学生は在校生による指導のもとデッサン体験(画像11)をします。大学生になった卒業生の講演会(画像12)も行います。9月には美術大学の教授をお招きして出張講義(画像13)が行われます。昨年度は愛知県立芸術大学でした。それ以外にも武蔵野美術大学、静岡文化芸術大学、東北芸術工科大学など複数の美術大学の講義や説明会を本校で実施しています。
年末には年に一度の授業の成果を発表する展覧会を開催します。1・2年生展と3年生による卒業作品展です。毎年、卒業作品展のDM・ポスター(画像14)、展覧会場で行う友情コンサートポスター(画像15)も3年生の授業を通して制作しています。今年度も12/20(土)~25(木)プラサヴェルデ市民ギャラリー(画像16,17)にて同期間同会場で行う予定です。会期中には会場にて「音楽専攻生による友情コンサート(画像18,19)」を実施しています。
1月には、1年生の「構成」の授業で静岡県高等学校総合文化祭ポスターコンクールに取り組み、最優秀賞・優秀賞・佳作の各賞を受賞(画像20)しました。また同時期に、1年生の「美術Ⅰ」の課題で取り組む読書感想画コンクールにおいては、優良作品・奨励作品に選ばれています(画像21)。芸術のシーズンオフとなる3学期から春休みには、美術館デッサン講習会(画像22,23)を実施しています。美術専攻2年生全員を対象に行います。昨年度は静岡県立美術館ロダン館にご協力いただき3月に実施しました。
美術専攻では、様々な実践的な制作を行います。
令和4年度には、沼津観光協会様からのご依頼で、沼津市制100周年記念「江原素六翁かるた」の絵札とパッケージデザインに取り組みました。半年かけて42名の美術専攻生が関わり、翌4月から発売されるに至りました。(画像24)その前の年にも江原素六先生生誕180周年没後100周年記念式典ポスターの依頼を請け、3作品をポスターやチラシとして採用していただきました。(画像25)
これまでには、校内依頼物として、芸術科マーク(画像26)、サッカー部のエンブレムのデザイン(画像27)に取り組み、今でも採用されています。令和5年度には芸術科20周年記念マークを1年生の授業で取り組みました。(画像28)
令和4年度まで12年間に渡り、1年生の授業において、地元企業の『JAふじ伊豆(旧なんすん)』様と、のぼり旗やパッケージデザインの協働活動を行いました。かつては地元のパン屋『しゃんぴによん』様からの依頼を受けて宅配のキャラクターやロゴをデザインしました。コンビニとコラボしたおにぎりのパッケージデザインや、沼津商工会議所90周年記念マーク、地元企業のマーク等も採用していただいたことがあります。また、3年生でも、卒業制作のテーマとして、『ikor』様(沼津の菓子店)のショップデザインや『ねこや』様(沼津港にある甘味処兼ギャラリー)の看板デザインを提案させていただいたり、本校のある松下町自治会様からの依頼を受けて松下町のパンフレットを作成したりしています。
昨年度は1年生の授業において、富士山茶株式会社様との協働活動を行い、茶ようかんパッケージデザインを提案し採用していただきました。このように地域の皆様の御協力のおかげで、美術専攻生は貴重な経験をしています。(画像①~⑥)
このような取り組みの結果、昨年度の進路実績は、国公立では筑波大学、静岡文化芸術大学、私立は武蔵野美術大学、多摩美術大学など有名美大に合格し進学しています。大学卒業後もアーティスト、デザイナーはもちろん、小中高の美術教諭、大学教員、なかには漫画家デビューしている卒業生も複数います。本校での学びをきっかけに各方面で活躍しているクリエイターたちがいます。