【開発機器・実証実験】過酷なリアル環境での挑戦!舞台照明ノイズ除去装置がアリーナの光の演出を守り抜く

公開日 2026年10月26日

【実証実験】過酷なリアル環境での挑戦!「舞台ノ守神さま」がアリーナの光を守り抜く

掛川工業高校エンターテイメント班は、「フォーデイズ杯 令和8年度 第19回全日本女子オープンレスリング選手権大会」の会場照明演出を乗込みで担いました。今回は新開発のリダンダント・ノイズ除去装置「舞台ノ守神さま」の実証実験を兼ねて実施。トラブルを完全にはねのけ、選手と観客を熱狂させる極上の演出空間を守り抜きました。

演出の狙い:選手の闘志を呼び覚まし、観客を魅了する光とスモークの演出

本大会では、LED PARライト10台やピンスポットライトに加え、スモークマシンを駆使したダイナミックな空間演出に挑戦しました。 =表紙の写真=
立ち込めるスモークのなか、精緻にコントロールされたカラフルな光が連動するドラマチックな演出は、入場する選手たちの闘志を掻き立て、アドレナリンを最高潮に高めることに成功。さらに、これまでにないアリーナクラスの壮大なステージ演出は、客席の目を釘付けにし、観客からは驚きと大きな歓声が沸き起こりました。

目的と背景:あえて構築した「最悪のコンディション」

この感動的な演出を裏側で支えたのが、新開発のノイズ除去装置「舞台ノ守神さま」の実証実験です。実際の商業イベントや大規模アリーナという過酷な現場を想定し、運用のハードルを意図的に引き上げた「最悪のコンディション」をあえて構築しました。
• 不適切なケーブル選定: DMX専用ケーブルではなく、本来は照明信号の伝送に適さないマイクロフォン用ケーブル「4E6S」をあえて使用。
• 無数の接続ポイント: ケーブルの接続箇所を計30箇所に及ぶ多点接続とし、信号減衰のリスクを最大化。
• 200m超の長距離伝送: アリーナクラスの広大な会場に合わせ、200メートルを超えるラインを敷設。

•開発した装置を照明卓直下に使た場合、調光卓から130mの中間に設置した場合、最終端の照明器具の下に設置した場合の3か所で効果を確かめました。

発生した課題と現場のリアル

この極限状態に加え、ピンスポットライトやスモークマシン、LED PARライトがフル稼働することで生じる「反射ノイズ」と「電気的ノイズ」が信号線へ容赦なく混入。案の定、照明器具が激しく誤動作を起こす事態となりました。
さらに現場では、通路に敷設されたケーブルを観客の子供たちが引っ張ったり、激しく踏みつけたりするという、リアルなイベントならではの物理的負荷も同時多発的に発生しました。

実験結果:ノイズは完全消滅、美しい調光の実現

電気的・物理的な悪条件が重なる中、伝送ラインの間に新開発の「舞台ノ守神さま」を挿入。調光卓直下では効果はそれほどありませんでした。中間点ではコモンモードフィルタと終端抵抗の相乗効果で信号に乱れがありませんでした。最後は最終照明器具下での挿入に対しては通常の照明運用ができたことから、中間点もしくは最終段に設置してフィルタを機能させれば効果があると実証しました。この他、この装置を調光卓直下に設置し、更に途中の130m地点にフォトカプラに加えて終端120Ωを設置、更に最終照明機器下でXLRプラグ内に作った終端抵抗120Ωを試す照明業界が使う方法を試すと、安定した運用ができました。これは装置のコモンモードフィルタや終端インピーダンスTERMINATOR120Ωが信号ラインに混入していたノイズをグランドに逃がす効果と、フォトカプラで信号の再現性ができたことが成功につながりました。また無数の接続点や観客による踏みつけなどの負荷がかかり続ける環境下でも、DMX信号は安定して伝送され続け、選手を鼓舞し観客を驚かせたあの美しい演出を、最後の瞬間まで一切の乱れなく維持することに成功しました。下の写真の通り、焼津市総合体育館がまるで音楽のコンサート会場のようになりました。照明だけでなく音やスモークマシンによる特殊効果を施す演出は、国際大会規模のスポーツ大会では定番で、大会運営もエンターテイメント性が求められています。その大きな役割を携わらせていただきました。(照明の施工と調光デザイン・オペレート・演出は国家資格を持った生徒だけで行っています)


今回の実験ではリダンダント2重化は行わず、信号に入り込んだノイズを除去できるかの実験でした。本実験の成功により「舞台ノ守神さま」はハプニングの予測できないタフな現場においても、プロユースに耐えうる高いノイズ除去性能を持つことが証明できました。エンターテイメント班は今後も、技術の力で舞台の感動を支える挑戦を続けてまいります。

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