2022年8月24日に理数科の特別講座である高大連携実験講座として「放射線講座」を開きました。 静岡エネルギー環境懇談会のサポートの元、静岡大学名誉教授の奥野健二先生に講義・実験を指導していただきました。
前半は、放射線の基本についての講義でした。椎茸・煮干し・ほうれん草・御影石から放出されている自然放射線について、クイズ形式を交えながら理解を進めました。食品を通じて内部から、そして身の回りの建物や空気中の塵(エアロゾルともいう)等を通じて外部から、の二方面からの放射線について分かりやすく説明していただきました。特に、海外と日本との被ばく量の違いは、海外での石作りの住宅(レンガ・コンクリート中に含まれるカリウムやカルシウム)と、日本での木造住宅との違いにあるということなど、驚きをもって聞いていた生徒も多かったと思います。
後半は放射線の測定実験です。シャーレー内の飽和アルコール気体を使った簡易霧箱を使い、御影石から放出される二つの放射線(α線とβ線)を見分ける実験は、一人一台分の材料を配布し、各自で作成し実験しました。目の前で見える放射線の軌跡は、とても印象深くとらえられたことと思います。さらにγ線測定器を用いた、放射線の遮蔽実験では、物質の透過度合が指数関数的に減少していく予想に対して、明らかな実験誤差を測定したチームもあり、実験にはミスがつきものという醍醐味を味わえました。大型の霧箱では、宇宙線などを含む自然放射線が目に見える頻度で発生している様子から、身の回りにあるけど目に見えない「物理現象」に興味を引かれたと思います。
2時間という短い時間ではありましたが、満足のいく内容だったのではないでしょうか。理数科では生徒の興味関心を引き出し「ワクワク」を育てる取り組みを、今後も続けていきたいと考えております。