公開日 2025年03月17日
放送技術班は劇場や放送局など業務用音響の現場で使用できる音響信号を手元で入切りできる装置を開発しました。この機器の特徴はー60dBマイクロフォンレベルの微弱な信号から業務用音響レベルの+4dBLINEレベルまでの信号をPAD(減衰器)無しで信号の入切りを手元で遠隔操作できるものです。多くの劇場や放送局の現場ではカフフェーダーと呼ばれる従来型のスライド式が一般に使われています。放送局などに使われているものは大変便利ですが高額なため学校現場では使われなく、マイクについているスイッチでON・OFFするためノイズが目立ち、さらにアナウンストークのタイミングで操作ミスが発生し、無音状態になることも屡々ありました。そこで開発したのがプッシュボタンだけの簡単操作で信号の入切りができ、小型で持ち運びも楽な信号切り替え機を作りました。またDC48vのファンタム電源を安全に遮断するための回路を設けました。筐体内の配線は4E6Sを使用し、HOT・COLDの各配線はノイズ対策のためツイスト配線としました。実際に卒業式典の司会者トークマイクで使用しました。写真は完成した本体とコンデンサ型ガンマイクMKH-416の動作の様子。本機はHOTとCOLDを単にショートさせただけの音声入切り機ではありません。
<仕 様> 筐体:電気工事用コンセントボックス(改)コネクタ:入力NC3FD-LX 出力NC3MD-LX 2番ピンHOT 3番ピンCOLD 1番ピンGND電子バランス型(アンバランス型には対応しません) 対応レベル:-60dB~+4dB 対応マイクロフォン:ダイナミック型及びコンデンサ型P48vファンタム電源対応(AB12vPowerには対応しません) 信号切S/N-90dB以下(マイクロフォン信号時)