小笠高等学校

学校長挨拶

学校長挨拶

小笠高校のホームページをご覧いただき、ありがとうございます。

  小笠高校は、東京ドーム約3.7個分というとても広い敷地があり、自然に囲まれた環境の中で学ぶことができる学校です。今年で創立113年を迎える、長い歴史と伝統をもった高校です。 1912年に農業の学校としてスタートし、1995年には、県内で初めて、全国でも8番目となる「総合学科」の高校として生まれ変わりました。校訓は「至誠実行(しせいじっこう)」。地域の人たちに支えられながら、地域とともに歩んできました。小笠高校では、1年生の前半に「産業社会と人間」という授業を学びます。この授業では、自分の将来について考えたり、仕事や社会について知ったりしながら、これからの進路を考える力を身につけます。また、体験授業や進路についてのお話などを通して、自分に合った進路を考え、7つの系列と130をこえる教科・科目の中から選び、自分だけの時間割を作ることができます。一人ひとりの「やってみたい」「なりたい」に応えられることが、小笠高校の大きな特長です。小笠高校では、「地域の未来を支え、社会に役立つ人を育てる」ことを大切にしています。そのために、「なりたいじぶんになるために」身につけてほしい6つの力(考える力・伝える力・協力する力・相手を大切にする力・計画する力・続ける力)を育てる学びを行っています。総合学科ならではのさまざまな学習を通して、生徒一人ひとりの夢や目標を応援しています。

  このホームページでは、授業の様子や学校行事、生徒会活動、部活動など、小笠高校の日常を紹介していきます。

  ぜひ、これからもホームページを通して、小笠高校の雰囲気を感じてください。

 

 

小笠高校 「らしさ」にこだわる誇り高き伝統

 

  小笠高校(以下、小笠)は、総合学科として県内のみならず全国的にも先進校として歩んできた三十年の歴史を有しています。その歩みの中で、小笠が伝統として育んできたものは、「らしさ」にこだわり続ける姿勢であったのではないかと感じています。総合学科は、それまでの学力重視一辺倒の教育を打破するという当時の教育課題に応える打開策として制度設計された、いわば期待の星でした。総合学科導入の黎明期、斬新な学科として全国的にも注目を集めた小笠は、その一方で、存分に“産みの苦しみ”を味わうことにもなりました。たとえば、単位制にこだわり、生徒一人ひとりの始業時間が異なる時間割を編成し、空き時間を設けました。たとえば、個人の主体性を重んじるために校則の自由化を進め、県内でも早い時期に制服のブレザー化を導入するなど、果敢に進取の取組を推進してきました。

  しかし、その理念が目の前の生徒に十分に浸透する前に、誤解を生んだり、実態にそぐわなかったりする場面も生じ、さまざまな課題を抱えることになりました。一人ひとり異なる時間割、大学のように存在する空き時間を持て余してしまう生徒もおり、時には地域の皆さまから「小笠の生徒はどうなっているのだ」とお𠮟りを受けることもありました。現場には、相当な葛藤があったことと思います。世の中が描く「高校のあるべき姿」から見れば、違和感を覚えられることもあったでしょう。総合学科の理念を貫くべきか、それとも目の前にいる生徒にとって最も適切な教育とは何か。パイオニアとしての重責を感じながらの選択の連続であったはずです。それでも、小笠は歩みを止めませんでした。まずは取り組み、学校全体で熟考し、見直しを重ねながら、それでも「らしさ」にこだわる教育を邁進してきました。

  1990年代後半から2000年代後半にかけて、小笠が産みの苦しみの中でもがいていた時代、教育現場では新たなムーブメントが起こりました。いわゆるゼロトレランス・ブームです。校則や指導基準に厳格に従い、小さな問題行動も見逃さず、チケット等によって可視化する生徒指導の考え方が広がりました。そうした潮流の中にあっても、小笠は小笠らしさを追求し続けてきました。この三十年、教育のムーブメントは、まさに潮の満ち引きのように移ろってきました。その影響をまったく受けなかったとは言い切れません。しかし、小笠は流れに安易に迎合するのではなく、「らしさ」にこだわりながら、その都度、流れを見定めてきたのではないでしょうか。鶴ケ丘のこの地に立つと、その誇り高いこだわりを確かに感じることができます。

  現在、教育界では教員の働き方改革と相まって、部活動のアウトソーシングが進んでいます。この潮流についても十分に理解しつつ、それでも小笠では、部活動の教育的価値を強く実感しています。部活動の中で生徒が成長していく姿を、私たちは日々目の当たりにしています。この貴重な教育活動をいかに持続可能な形で維持していくかについて、時間をかけて真剣に検討を重ねています。また、全国の総合学科高校では、学びの系統化や専門性の深化を期待して系列化が進み、生徒が選択できる科目数が減少する傾向も見られます。確かに、科目選択の自由度が高まれば、生徒ごとに異なる時間割が生まれ、一斉指導の機会が減る、学習集団が小規模になるといった非効率な側面を受け入れなければなりません。系列化を強めることのメリットも理解できます。しかし、小笠は自由な科目選択を堅持しています。時代の流れに抗うつもりはありませんが、それでも小笠は、真に小笠らしい教育とは何かを問い続け、こだわり続けます。

  そして、この小笠のスクール・アイデンティティをはるかに超えて、何よりも大切な存在があります。それは、今ここに学ぶ小笠高生一人ひとりです。小笠高生には、「あなたらしさ」にこだわる高校生活を送り、「あなたらしさ」にこだわった将来の夢を描いてほしいと心から願っています。現代社会は、自分自身を基準に生き方を選ぶことが難しい時代です。「標準」や「銘柄」といった分かりやすい指標が、私たちの選択を導いてきました。注意を怠れば、「多様性」という言葉でさえ、現代の「標準的」な価値観を前提とした選択に回収されてしまいます。それほどまでに、「らしさ」を貫くことは容易ではありません。

  皆さんが心から納得できる「らしさ」を、この小笠で、ぜひ探してみませんか。

 

                          

静岡県立小笠高等学校

校 長   小木  充

 

PAGETOP