(2016年10月掲載内容)
「限りある身の力試さん」
校 長 木 村 功 天野 浩 氏(第31回卒業生)のノーベル物理学賞の受賞は、本校関係者はもとより静岡県民全体にとっても、言葉では表現できないほど素晴らしく感動的なニュースでした。
本校では10月8日午前に全校集会を開き、先輩の偉業を讃えるとともに、喜びを分かち合ったところです。集会では、理科の実験で使用する青色LEDを点灯させながら「この小さな青い光は、皆さんにとっては『希望の光』『勇気の光』であり、また、ものづくりを通して発展を遂げてきた浜松市及び県西部地域の人たちにも大きな誇りと自信を与えてくれる光です。・・・(中略)・・・天野先輩は試行錯誤を繰り返しながらも『21世紀への階段(1960;科学技術庁編)』を一歩ずつ登り続け、今世紀初頭の科学技術の夢のひとつを実現してくださいました。皆さんも、社会の中核として活躍する40年後には、社会の各分野を代表して22世紀初頭の日本の夢を責任持って語れる新しい時代の担い手になっていてほしいと思います。皆さんのこれからの道程は、社会貢献を果たそうとするこころざしの道、22世紀への階段なのだと心に留めて一歩ずつ前進していきましょう。」と期待を込めて生徒たちに語りかけました。
天野さんが座右の銘とする「憂きことのなおこの上につもれかし限りある身の力試さん」(熊沢蕃山)は当時の校長曽根雄一先生が朝礼等の度に引き合いに出された言葉とのこと。この言葉が天野さんの研究に対する姿勢を一貫して支えてきた教えだと思うと大変感慨深いものがあります。これから先も本校は「意欲を持って困難に立ち向かえる西高生・西高中等部生」の育成を目指して教育活動の一層の充実を図っていきます。