静岡県立藤枝北高等学校

レコーディングコンソール 銘機 02R 復活修理 情報技術部エンターテイメント班

公開日 2026年02月25日

情報技術部エンターテイメント班の生徒がこのほど、レコーディングコンソールで名高い02Rの復活修理を試みました。

02R デジタルレコーディングコンソール

このコンソールは40chのインラインコンソールにAES/EBUなどのデジタル・フォーマットに応じたI/Oカードを装着した録音環境を構築できるたデジタルレコーディングコンソールです。特徴はオートミックス機能を搭載する画期的な音響卓として一世を風靡しました。このコンソールはメーカーのイノベーションロードに展示されているほどの銘機です。このコンソールも製造から30年が経過して、素子の劣化による入力信号の受け入れができない他、信号レベルの調整に欠かせないロータリーエンコーダの不調は、インライン型のデジタルコンソールにおいて大きな障害になります。壊れていてもこの機種の音が欲しい、愛着のあるからこそ直したいとの声も聞かれます。このことを踏まえて修理を試みました。

<修理内容> メンテナンスマニュアルを参照しながらの作業

①特定チャネルにおいて入力ゲインのVR摘みを操作しても全く信号が来ない。

②ROMエラー(ROMへ供給するリチウム電池の消耗)

早速修理に取り掛かりました。先ずは操作パネルのボンネットを開け、対象となるインプットモジュールを探します。PM3500クラスのアナログ卓のディスクリート回路に比べてデジ卓は非常に簡素です。問題のモジュールをフレームから取り外し、VR101(5kΩ)の抵抗値を測定しました。特に接触不良(ガリ)もないことから、抵抗の取り付け部の半田不良と断定し、再半田しました。このVRは上下3ピン合計6ピンが直接基盤に半田されていて、下方の3ピンが可変抵抗として機能しています(ステレオモジュールは同じVRで上下でLR入力に対応しています)。このVRは上方の摘み部分がフレームにナットで締め付けることでモジュールが直付けされています。このため半田クラックが起きやすい構造です。対策としてフレームに絶縁緩衝材を入れて対処しました。勿論グランドアースも忘れません。ステレオモジュールを含めてすべてのモジュールの再半田を施しました。ROMエラーについてはリチウム電池の消耗と判断し、本体後方のデジタルIO端子盤を外して、メイン基板のリチウム電池CR2035を交換しました。また各チャネルのエンコーダーも点検しました。まだまだ現役です。今後10年以上稼働できます。

<動作確認> Diagnosis自己診断プログラムで確認

全て組み込み動作を確認しました。全チャネルノイズもなく入力ができました。またROMの動作もDiagnosis自己診断プログラムを走らせて、すべて「OK」を確認しました。この他、スイッチ類やロータリエンコーダ、ムービングフェーダーの動きも「OK」を確認しました。

古い機種はほとんどメーカ修理対応ができません。自ら修理を試みて完成させたときの実感は嬉しいものがあります。銘機と称される機器には、最新機器には無い出音が魅力で、使い手に長年愛用される理由でしょう。こうした機器を復活させる楽しみも味わうことで電子技術を身に着けられます。

02Rを静岡県武道館サンクスデー2026で展示

この復活させた02Rを実際に触れる機会を設けます。2月28日(土)10:00から同武道館で展示します。ご興味がある方はぜひご来場ください。

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