本校国際科では2年次の夏休みに豪州へ2週間語学研修を行っています。しかし、コロナ禍のためここ2年間は実施できていません。昨年の代替研修はオンラインを繋いで様々な国の英語話者と研修をし、今年は通いで3日間の国内研修を行いました。
3月8日(火) 1日目
富士山世界遺産センター→忍野八海
初日ということもあり若干緊張も見られましたが、特に今年の2年生は打ち解けるのが早いので、すぐに和気あいあいとコミュニケーションを図っていました。講師の外国人の方々は1名がニュージーランドから、7名がジャマイカ出身で日本各地の学校で教えていらっしゃる皆さんです。ほぼ3名に1名の講師の先生が担当する贅沢な研修となりました。講師の先生方に富士山のことを説明したり、近隣の山中湖周辺の観光地を体験することで、改めて富士山だけでなく、自分たちが生まれ育った環境についても考えるきっかけとなったようでした。
3月9日(水) 2日目
山梨県 リニア見学センター → 都留文科大学キャンパスツアー → 桔梗屋工場見学
二日目にもなるとだいぶ講師の先生方とも打ち解けてきて、初日より積極的に会話が出来てきました。何よりジャマイカ出身の講師の先生方のノリと2年生の雰囲気がマッチしていたのかもしれません。まずリニアモーターカーの施設見学では、生徒も講師もすぐれた技術を間近に見られて、大興奮でした。時速500キロを超えるリニアモーターカーは圧巻でした。しかし、開通には様々な問題も抱えており、そうした現実も英語を交えて考える良い機会となりました。次に市内にある都留文科大学でキャンパスツアーに参加しました。突然の訪問でしたが、快く受け入れてくださって、施設の案内やノベルティグッズもいただきました。ほとんどの生徒は初めての大学構内に驚いていました。また日本と外国のキャンパスの違いなどを講師と意見交換したり、ガイドの方の日本語を英語で翻訳したりしていました。都留文科大学さんは本校国際科から毎年数名の生徒が進学をしており、育てていただいている大学なので、中には高い関心をもった生徒もいました。その後昼食をはさみ、信玄餅で有名な桔梗屋さんの工場見学をしました。山梨で有数な企業の見学ということもあり、地域の産業や企業の努力や工夫を肌で感じる良い機会となりました。
3月10日(木) 3日目
最終日、この二日間の研修を終えて、ふりかえりをしました。写真を用いながら各グループで個性的なポスターを作成し、英語でプレゼンテーションを行いました。修了式では一人一人終了証を講師の先生方からいただきましたが、それぞれ涙涙の修了証書授与式となりました。通いで3日間でしたが、生徒も講師の先生とも信頼関係が生まれたようでした。生徒の感想も、楽しかっただけではなく、「もっといろんなことを話せるようになりたい」、や「もっと難しい話をしてみたかった」、そして初めて接するジャマイカ人の人柄にたいへん親近感を覚えたようでした。
この研修は海外研修の代替行事でした。何回か企画し、キャンセルしなければならない状況でした。そのたびに生徒たちはガッカリし、気持ちを前向きにさせてきました。コロナ禍で様々な行事、特に海外への渡航が制限されました。しかし、与えられた状況でもできることはある、工夫とアイデア、目標を見失わなければより違った成果が得られる、と国際科として取り組んできました。従来のことができなくなったからこそ得られた発想がありました。そうした国際科の取り組みに文句も言わず前向きに賛同してくれた生徒たちを誇りに思います。