1月31日(火)、今年度3回目となる第48回志龍塾を開催しました。
今回は、東京大学定量生命科学研究所教授の小林武彦氏を講師とし、「生物はなぜ老い、そして死ぬのか」を演題に御講演いただきました。
講演の冒頭で、生物はそもそも物質の化学反応が原点であり、化学反応により壊れたためまた作るという「変化と選択」の連続が進化であるというお話しがありました。そして生物が老いて死ぬのは、ゲノム(遺伝子配列)が壊れるからであり、死があるものだけが進化し現存するというお話しに展開していきました。生の前提として死があるとは、ある意味衝撃的ではありますが、死に関して改めて考えさせられる内容でした。また、寿命を決めるのは不安定な10%のDNAによるので、その10%を安定させることが老化の防止や若返りにつながるとのことで、年老いていくことを苦とする人間の未来に光明が射す感がしました。
質疑応答では、所定の時間ぎりぎりまで先生のお話の内容を踏まえた質問がなされ、先生から良い質問だとのお言葉をいただいていました。