産学官連携による吉工教育の充実へ
令和6年度7月発行「PTAだより」より
令和4年度、本校では「人材育成基本方針 学びのピラミッド」を策定し、「吉工グランドデザイン」と合わせ、本校の教育を1枚のポンチ絵(絵図)として示してきました。
このうち、「学びのピラミッド」は積み上げ式となっており、その底辺には「安心安全な環境づくり」として学校安全を位置付け、その上部に文部科学省が昨年度「新生徒指導提要」で掲げた「生徒への重層的支援体制の構築」を置いています。
本年度からは、これに合わせた分掌統合を実施し、生徒支援部・保健支援部・進路支援部を置くなど「指導と支援」の体制を構築しているところです。一方で、専門高校であることから、いわゆる進学校に比べて「受験圧力」が限定的という特徴があります。このことは文部科学省が掲げる「知識偏重教育からの脱却」を展開しやすいという側面があるため、私が先生方の授業を参観しても、「興味関心の喚起」「対話的な学び」「ICTの有効活用」といった、今の時代に求められる授業に繋がっており、本当に【豊かな教育】が行われていることを実感します(授業の様子は本校ホームページやInstagramで紹介しておりますので御参照ください)。
一方で受験圧力が限定的なことは、生徒の主体的な学びの引き出しにくさにも繋がりやすいため、「主体的な学びへ向けた高いモチベーション」を醸成するため、本校でもキャリア教育に力を入れています。このことに関し本年度は、新学習指導要領の主旨に則り「地域の人的物的資源の活用」をより一層進めるため、キャリア教育に関する富士商工会議所との連携を大きく推進しています。
この関連事業として新たに「キャリアカフェ」を開始しましたが、目的は「本校生徒が、地域の企業で働く自校の先輩等から、入社を決めたきっかけや製品紹介・仕事のおもしろさを聞きながら気軽に対話することで、人生の「ロールモデル」に触れ主体的な学びに繋げる」としています。年間8回15社の協力を得て、放課後の時間帯に生徒の自由参加を中心に実施していきますので、1・2年生につきましては、ぜひお子さんへの参加を促していただきたいと思います。この時、「業種・職種」を学ぶということも大きな目的としていることから、すでに毎回参加を決意している生徒さんもおりますが、複数回参加することで業種の違いを実感し、より自分に適した職業選択に繋げていただければと思っています。
また、富士商工会議所及び富士市・大学との連携事業として「文化祭への企業ブース等の出展」を実施します。本来文化祭は生徒の学習成果の発表の場であるわけですが、これを拡大し、本校生徒や地域の小中学生が地域産業を理解しながら職業について学ぶ機会とすることも目的としています。昨年度の文化祭においては、本校の駐車場を保護者の皆様に利用していただく方策を実施しましたが、限られた駐車スペースであることから「駐車可能時間が短く全部を見て回れない」という御意見をいただきました。これに対応するため、企業様の協力を得て、近隣の駐車場(200台)と本校文化祭会場をシャトルバスで結ぶ取組を合わせて計画しております。バスの便数と大きさには限りがあるため、出来る限り自力での来校をお願いすることに変わりはありませんが、ぜひ本校文化祭にお越しいただき、生徒の成果発表をご覧いただきながら、生徒が就業を果たす地域産業についても理解を深めていただければと思います。
高校生といえども、御家族等の協力が必要となりますので、是非、進路や人生について子どもと話し合う機会をつくっていただけると幸いです。今後も学校と家庭との益々の連携について、どうぞよろしくお願いいたします。