衛生学国家試験問題(はり・きゅう) 第1章 衛生学及び公衆衛生学の意義 問題1 公衆衛生的活動でないのはどれか。  1.健康増進  2.疾病予防  3.疾病の早期発見  4.治療薬の開発  (解答4)  (解説)  公衆衛生:ウィンスローの定義によれば「公衆衛生とは、組織された社会的努力を通じて、疾病を予防し、生命を延長し、身体的および精神的健康と能率を向上させようとする科学であり技術である」となっている。 ※公衆衛生活動の具体的内容としては、  ①環境衛生:上下水道,汚物処理,食品薬物等の取締り,住宅衛生,公害対策,都市計画等。  ②対人衛生:感染症予防,生活習慣病予防,母子衛生,精神衛生,栄養改善,一般体力の増進等。  ③公衆衛生の基本的活動:保健所運営,保健師活動,衛生教育,医療社会事業,衛生統計,試験検査等があげられる。)  (第10回 問題3) 問題2 医療機器(用具)について定めている法律はどれか。  1.医療法  2.毒物および劇物取締法  3.製造物責任法  4.薬事法(法律名が変更薬機法)  (解答4)  (解説) ※薬事法の改正:2014年11月28日...医薬品・医療機器の安全対策強化や、再生医療の実用化促進に向けた承認制度の創設などを目的とした改正薬事法が25日に施行され...名称も(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)(薬機法)に変更された。医薬品医療機器等法とも呼ばれる。)  (第15回 問題12) 第2章 健康の保持増進と生活 問題3 WHOの健康の考え方について正しいのはどれか。  1.肉体的に健康である状態をいう。  2.健康はすべての人の権利である。  3.病気がない状態をいう。  4.自ら健康と思えば健康である。  (解答2)  (第1回 問題3) 問題4 WHOによる健康の定義に含まれないのはどれか。  1.社会的に良い状態  2.個人的に良い状態  3.身体的に良い状態  4.精神的に良い状態  (解答2)  (第15回 問題3) 問題5 日常生活を送るために最低限必要な動作を示すのはどれか。  1.QOL  2.ADL  3.PHC  4.BMI  (解答2)  (第32回 問題6) 問題6 持続可能な開発目標(SDGs)の17のゴールに含まれるのはどれか。  1.再生医療の促進  2.ジェンダー平等  3.救急医療の充実  4.少子高齢化対策  (解答2)  (第32回 問題10) 問題7 プライマリーヘルスケアの要素に含まれないのはどれか。  1.身近な医療  2.全人的把握  3.継続的な管理  4.専門的な医療  (解答4)  (解説)  プライマリーヘルスケアとは、地域に根ざした身近な医療として、第一次予防から第三次予防までを含む包括的で継続的な、健康と保健の全般にかかわる(全人的把握に基づく)保健医療サービスをいう。)  (第13回 問題3) 問題8 プライマリヘルスケアに関して誤っているのはどれか。  1.住民参加  2.高度医療  3.包括的保健システム  4.アルマ・アタ宣言  (解答2)  (第18回 問題3) 問題9 WHOのアルマ・アタ宣言で示されたのはどれか。  1.ヘルスプロモーション  2.インフオームド・コンセント  3.ヒトを対象とする医学研究の倫理的原則  4.プライマリ・ヘルス・ケア  (解答4)  (解説) ※憲章・宣言とその内容:  ・WHO憲章:健康の定義  ・アルマ・アタ宣言:プライマリ・ヘルス・ケア  ・オタワ憲章:ヘルスプロモーション(健康増進)  ・ヘルシンキ宣言:インフォームドコンセント  ・ジュネーブ宣言:医の倫理に関する宣言(ヒポクラテスの誓いの倫理的精神を現代化・公式化)  ・リスボン宣言:患者の権利に関する宣言)  (第23回 問題5) 問題10 1994年の国際人口開発会議(カイロ会議)で提唱された性と生殖に関する概念はどれか。  1.リプロダクティブ・ヘルス/ライツ  2.プライマリ・ヘルス・ケア  3.ヘルスプロモーション  4.ファミリー・プランニング  (解答1)  (解説)  国際人口開発会議(カイロ会議)とは、1994年、179カ国の代表が出席してエジプトのカイロで開催された国際会議である。リプロダクティブヘルス・ライツ(性と生殖に関する健康および権利)の推進が、今後の人口政策の大きな柱となるべきことが合意された。このため、人口政策の焦点がそれまでの国レベル(マクロ)から個人レベル(ミクロ)、中でも特に女性に大きくシフトした。また、人口問題と開発問題が密接に関連し、相互に影響しあうという考え方が国際的な共通認識となった。これを受けて、国連の経済社会理事会の人口委員会も、人口開発委員会と名称を改めた。20年間の「行動計画」を採択し、現在各国はこの行動計画に沿って人口問題対策を進めている。開催地の名をとって、「カイロ会議」とも呼ばれる。 会議の具体的な目標の焦点は、「普遍的な教育の提供」、「乳幼児及び妊産婦死亡率の削減」、「2015年までに、家族計画、介助者のもとでの出産、HIV/エイズを含めた性行為感染症の予防を含めたリプロダクティブ・ヘルスケアへの普遍的アクセスの確立」である。 ※リプロダクティブ・ヘルス・ライツとは、性と生殖に関する健康・権利と訳される。リプロダクティブ・ヘルスとは、人間の生殖システムおよびその機能と活動過程のすべての側面において、単に疾病、障害がないというばかりでなく、身体的、精神的、社会的に完全に良好な状態にあることを指す。したがって、リプロダクティブ・ヘルスは、人々が安全で満ち足りた性生活を営むことができ、生殖能力を持ち、子どもを持つか持たないか、いつ持つか、何人持つかを決める自由をもつことを意味する。1994年、カイロ国際人口・開発会議で採択された文章に基づいている。 生殖年齢にある男女のみならず、思春期以後、生涯にわたる性と生殖に関する健康を意味し、子どもを持たないライフスタイルを選択する人々を含めた、すべての個人に保障されるべき健康概念である。)  (第28回 問題9) 問題11 WHOの主な活動はどれか。  1.地域紛争の解決  2.難民の救済援助  3.労働条件の改善  4.保健統計の刊行  (解答4)  (解説)  WHO(世界保健機関)の活動:保健・健康増進部、公衆衛生サービス部、教育訓練部、伝染病部、環境衛生部、マラリア撲滅部、衛生統計部、その他の52部門に分かれ、各地域に事務局を置いて活動している。 ※主な活動:世界人口の半数以上が、貧困、飢餓、水不足、疾病、無知などにより、医療の恩恵を受けていないので、WHOでは憲章の目的を達成するために、国民衛生の動向、衛生統計、基準づくり、医薬品の供給、技術協力、研究開発などの保健分野での広域な活動を行っている。特に、1978年のアルマ・アタにおけるPHC宣言を目標に、先進国は途上国の健康へ向けて活動を行っている。また2003年のWHO総会で「たばこ規制枠組み条約」が成立し、わが国は2004年6月に批准した。)  (第25回 問題11) 問題12 我が国の保健医療分野の国際協力について正しいのはどれか。  1.政府開発援助(ODA)は無償資金協力を行っていない。  2.日本はWHOの南東アジア事務局に属している。  3.二国間協力の実施機関は国際協力機構(JICA)である。  4.非政府組織(NGO)による医療協力は実施していない。  (解答3)  (解説)  JICA(国際協力機構)とは、政府開発援助(ODA)のうち、主として二国間の贈与(技術協力と無償資金協力)を担当する機関である。 ※主な事業内容は、  ①技術協力  ②青年海外協力隊の派遣  ③技術協力のための人材の養成と確保  ④無償資金協力事業の調査・実施の促進  ⑤開発協力  ⑥移住  ⑦災害緊急援助などである。)  (第24回 問題11) 問題13 公衆衛生について誤っている組み合わせはどれか。  1.第一次予防 ーー 健康増進  2.第二次予防 ーー 予防接種  3.第三次予防 ーー 社会復帰  4.包括保健 ーー 総合的保健  (解答2)  (解説)  予防医学は、第1次予防から第3次予防に区分される。  ①第一次予防:まだ疾病を持たない時期で環境改善、健康増進、予防接種などを行うこと。  ②第二次予防:すでに発生している疾病にたいし早期発見、早期治療を行うこと。  ③第三次予防:うまく社会復帰でき、生活の質お守れるように治療、リハビリテーションを行う。)  (第8回 問題3) 問題14 予防保健と対策との組み合わせで正しいのはどれか。  1.健康増進 ーー 職業訓練  2.第一次予防 ーー 予防接種  3.第二次予防 ーー 事故防止  4.第三次予防 ーー 職業病対策  (解答2)  (解説)  予防医学は、第1次予防から第3次予防に区分される。 第1次予防は、健康な人が病気になる前に積極的に行う対策であり、健康の増進、特異的防御が含まれる。 (1)健康の増進  健康な生活を送るために病気になる前から身体を抵抗力のある状態にしておく。これには、健康教育(禁煙教育等)、運動や鍛錬、栄養改善、健康相談等がある。 (2)特異的防御  ①疾病の予防手段 特定の病気や病因の明らかなものに対して、あらかじめ予防することによって健康状態を保持する手段。これには、予防接種、患者の隔離・消毒、加熱、換気、マスク、職業病対策等がある。  ②公共活動 上下水道の完備、環境の汚染物の処理や食品などを監視することによって健康を守る手段。  第2次予防は早期発見、早期治療である。 早期発見には集団検診(人間ドック)による胃がん、乳がん等の発見。早期治療の例として、破傷風やハブの咬傷に対する血清療法(抗毒素血清)による治療がある。  第3次予防は、病気がすでに発症した状態の予防、すなわち、疾病の悪化の防止や後遺症に対する機能回復訓練による社会復帰の促進をはかるものである。 (1)悪化の防止 病気の進行をさまたげ、合併症や続発症を阻止する治療。 (2)社会復帰(リハビリテーション) 治療後に機能喪失が残り、社会生活が困難な場合(脳卒中、精神障害)、保健理療、理療、理学療法、作業療法あるいは補装具等で機能回復訓練を行い、社会生活が営めるよう、あるいは職場復帰ができるように回復させる。 最近はケアの医学として難病の在宅ケア、要介護者や精神病者のナイトケアや、デイケア等が推進されている。)  (第3回 問題8) 問題15 予防について正しい組合せはどれか。  1.がん検診 ーー 第一次予防  2.予防接種 ーー 第二次予防  3.禁酒 ーー 第二次予防  4.リハビリテーション ーー 第三次予防  (解答4)  (第16回 問題6) 問題16 第一次予防でないのはどれか。  1.健康教育  2.安全な水の供給  3.予防接種  4.健康診査  (解答4)  (第9回 問題4) 問題17 第一次予防でないのはどれか。  1.予防接種  2.健康教育  3.禁煙  4.健康診断  (解答4)  (第11回 問題5) 問題18 一次予防はどれか。  1.リハビリテーション  2.生活環境改善  3.がん検診  4.社会復帰  (解答2)  (第24回 問題5) 問題19 疾患と第一次予防との組み合わせで効果のないのはどれか。  1.脳梗塞 ーー 動物性脂肪の摂取  2.心筋梗塞 ーー ストレスの回避  3.糖尿病 ーー 適度の運動  4.肺癌 ーー 禁煙  (解答1)  (第8回 問題8) 問題20 二次予防はどれか。  1.健康診断  2.予防接種  3.禁煙  4.機能訓練  (解答1)  (第19回 問題6) 問題21 疾病予防のうち二次予防はどれか。  1.健康教育  2.健康診断  3.予防接種  4.作業療法  (解答2)  (第23回 問題8) 問題22 二次予防はどれか。  1.栄養指導  2.検疫  3.健康診断  4.後遺症予防  (解答3)  (第27回 問題7) 問題23 疾病予防の段階について、二次予防に分類されるのはどれか。  1.遺伝相談  2.感染経路対策  3.発がん物質対策  4.スクリーニング検査  (解答4)  (第31回 問題5) 問題24 結核対策で早期発見を目的とするのはどれか。  1.結核登録  2.定期健康診断  3.定期予防接種  4.家庭訪問指導  (解答2)  (第31回 問題7) 問題25 第三次予防はどれか。  1.リハビリテーション  2.禁煙  3.がん検診  4.予防接種  (解答1)  (第13回 問題4) 問題26 三次予防はどれか。  1.安全な水の供給  2.がん検診  3.事故防止  4.適正配置  (解答4)  (第20回 問題3) 問題27 疾病の三次予防はどれか。  1.健康教育  2.予防接種  3.健康診査  4.リハビリテーション  (解答4)  (第28回 問題4) 問題28 疾病予防について、ハイリスクアプローチはどれか。  1.受動喫煙を減らすための法整備  2.食習慣改善のための広報活動  3.市民対象のウォーキング大会の実施  4.喫煙者に対する禁煙指導の実施  (解答4)  (解説) ハイリスクアプローチとは、リスクを持っている人をスクリーニングし、ハイリスクの人を対象に行動変容を促すよう指導する活動である。 生活習慣病検診により、高血圧を認める人に対して禁煙させたり、血糖値が高い人にウォーキングを習慣化するように指導することなどがあげられる。  (第30回 問題5) 問題29 緩和医療について正しいのはどれか。  1.病気の早い段階で始めてはならない。  2.疾病の根治を目指すものではない。  3.がん患者以外に適用してはならない。  4.心理的な痛みへの対応は不要である。  (解答2)  (解説)  緩和医療(または緩和ケア):世界保健機関(WHO)は2002年に次のように定めた。  緩和ケアは、生命を脅かす疾患による問題に直面する患者とその家族に対して、痛みやその他の身体的、心理的、社会的な問題、さらにスピリチュアル(宗教的、哲学的なこころや精神、霊魂、魂)な問題を早期に発見し、的確な評価と処置を行うことによって、 苦痛を予防したり和らげることで、QOL(人生の質、生活の質)を改善する行為である、としているのである。  また上記の定義文に続いて次のようなことも記述されている。   ・痛みやその他の苦痛な症状から解放する。  ・生命(人生)を尊重し、死ぬことをごく自然な過程であると認める。  ・死を早めたり、引き延ばしたりしない。  ・患者のためにケアの心理的、霊的側面を統合する。  ・死を迎えるまで患者が人生をできる限り積極的に生きてゆけるように支える  ・患者の家族が、患者が病気のさなかや死別後に、生活に適応できるように支える  ・患者と家族のニーズを満たすためにチームアプローチを適用し、必要とあらば死別後の家族らのカウンセリングも行う。  ・QOL(人生の質、生活の質)を高めて、病気の過程に良い影響を与える。  ・病気の早い段階にも適用する。延命を目指すそのほかの治療(例えば化学療法、放射線療法など)を行っている段階でも、それに加えて行ってよいものである。)  (第24回 問題3) 問題30 我が国の医療保障について誤っている記述はどれか。  1.医療保険は現物給付方式である。  2.結核で知事の命により入院させる場合には公費医療が適用される。  3.老人保健法の医療給付の対象は60歳以上である。  4.国民健康保険は市町村が保険者である。  (解答3)  (解説)  老人保健法は改正され、現在は、「高齢者の医療の確保に関する法律」となっている。 ※高齢者の医療の確保に関する法律: 高齢者の適切な医療の確保を図るため、医療費適正化推進計画、保険者による健康診査、前期高齢者に係る保険者間の費用負担の調整、後期高齢者医療制度の創設などについて定めた法律。昭和58年(1983)に施行された老人保健法の趣旨を踏襲しつつ発展させることを目的として、平成18年(2006)の医療制度改革のなかで全面的な改正が行われ、平成20年(2008)改正法の施行により法律名も現名に改称された。この法律により75歳以上(一定の障害のある人は65歳以上)の人を被保険者とする後期高齢者医療制度が新設された。)  (第11回 問題6) 問題31 我が国の医療保険制度について誤っている記述はどれか。  1.任意加入である。  2.一部負担金がある。  3.公的機関が運営する。  4.給付は定型的である。  (解答1)  (第15回 問題11) 問題32 公費医療の対象とならないのはどれか。  1.生活保護法による医療扶助  2.労働基準法による業務上疾病の治療  3.精神保健及び精神障害者福祉に関する法律による措置入院  4.母子保健法による養育医療  (解答2)  (解説)  労働基準法による業務上疾病の治療費は、労働者災害補償保険(労災保険)により給付される。したがって、公費医療ではない。 ※公費負担医療(公費医療)制度:医療保障制度には、社会保険における医療保険のほかに、公的扶助、社会福祉、公衆衛生等における公費負担医療制度がある。 この制度は、個々の法律に基づき、特定の人々を対象として国又は地方公共団体が医療給付を行うものである。 (1)国の法律に基づく公費負担医療制度:主なものを以下に記す。  ・感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律による新感染症の患者の入院  ・感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律による結核患者の適正医療、結核患者の入院  ・精神保健及び精神障害者福祉に関する法律による措置入院  ・障害者自立支援法による精神通院医療、更生医療、育成医療、療養介護医療、及び、基準該当療養介護医療  ・感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律による一類感染症等の患者の入院  ・児童福祉法による療育の給付、障害児施設医療  ・母子保健法による養育医療  ・生活保護法による医療扶助 (2)地方公共団体の条例に基づく公費負担医療制度:  ・乳幼児等の児童に係る医療に関するもの  ・障害者及び障害児に係る医療に関するもの  ・母子家庭の母及び父子家庭の父並びに母子家庭及び父子家庭の児童に係る医療に関するもの)  (第25回 問題3) 問題33 介護保険による在宅サービスに含まれないのはどれか。  1.デイケア  2.訪問看護  3.住宅改装  4.往診治療  (解答4)  (解説)  往診治療は医療行為であり医療保険となり、介護保険の対象とはならない。  介護保険における医療系専門職による在宅サービスは、居宅療養管理指導である。これは、医師、歯科医師、薬剤師、栄養士などの医療系の専門職が自宅を訪問し、療養上の管理や指導を行う者である。具体的には、病気の予防・診断や合併症の早期発見などの医学的管理、風邪や下痢など軽症な病気に対する医師の管理、医療系ショートステイについての判断、口腔ケアなどである。このサービスは、要介護1~5、及び、要支援1・2の人が利用できる。)  (第16回 問題9) 問題34 介護保険制度の内容として正しいのはどれか。  1.市町村および特別区が保険者である。  2.65歳以上は第2号被保険者である。  3.介護を要する状態の予防は給付対象外である。  4.財源の80%は保険料による。  (解答1)  (解説) ※介護保険制度:現在介護を必要とする者と将来の不安要因を持つ者を国民が皆で支えるために作られた制度で、従来別々で行われていた医療サービスと福祉サービスが統合された仕組みである。利用者の側から保健、医療、福祉サービスを選択し、総合的に利用できるようにし、医療保険とは別に国、都道府県・医療保険者・年金保険者が支え合うものである。 (1)対象者 介護保険は、40歳以上の全ての人が加入し、保険料の支払い義務が生じる。 年齢によって区分が分かれていて、65歳以上は「第1号被保険者」、40歳~64歳までは「第2号被保険者」に当たる。  ①第1号被保険者:65歳以上の者で介護が必要であると認定を受けると、その程度によって、日常生活の支援や介護のサポートを受ける際に介護給付を受けることができる。  ②第2号被保険者:40歳~64歳までの者で、末期がんや関節リウマチ、脳血管疾患などを含む全部で16種類の特定疾病のいずれかに該当し、要介護認定を受けた人のみ、介護給付を受けることができる。 (2)介護保険制度の財源 介護保険制度は、40歳以上の国民全員が納めた保険料と、国や市区町村の公費(=税金)を1対1の比率で合わせ、介護の費用に充てるという仕組みになっている。それにより、利用者が実際に支払う介護サービスの負担額を全体の1割程度に抑え、介護が必要な段階に応じてさまざまなサービスが受けられるようになっている。 (3)介護認定の分類:介護認定の結果には、自立、要支援、要介護がある。さらに、要介護認定の7段階は、要介護度の低い(=自立に近い)順から「要支援1~2」「要介護1~5」に分類されている。  ①自立とは、「歩行や起き上がりなどの日常生活上の基本的動作を自分で行うことが可能であり、かつ、薬の内服、電話の利用などの手段的日常生活動作を行う能力もある状態のこと」:自分で日常生活を送ることができ、介護サービスなどの支援が必要のない状態をいう。  ②要支援とは、「日常生活上の基本的動作については、ほぼ自分で行うことが可能であるが、日常生活動作の介助や現在の状態の防止により要介護状態となることの予防に資するよう手段的日常生活動作について何らかの支援を要する状態のこと」:日常生活は自分で行うことができるが、多少の支援が必要な状態をいう。  ③要介護とは「日常生活上の基本的動作についても、自分で行うことが困難であり、何らかの介護を要する状態のこと」:日常生活全般において、自分一人で行うことが難しく、誰かの介護が必要な状態をいう。)  (第23回 問題3) 問題35 平成25年の国民生活基礎調査において、高齢者が要介護となる原因として最も頻度が高いのはどれか。  1.関節疾患  2.高齢による衰弱  3.骨折・転倒  4.脳血管疾患  (解答4)  (解説)  平成25年国民生活基礎調査の概況 - 厚生労働省によると、介護が必要となった主な原因を要介護度別にみると、  ①要支援者では「関節疾患」が 20.7%で最も多く、次いで「高齢による衰弱」が15.4%となっている。  ②要介護者では「脳血管疾患(脳卒中)」が21.7%、「認知症」が21.4%と多くなっている。高齢者の要介護の原因に限ってみても、脳血管疾患は高齢者に多い疾患であることから、原因の第1位である。)  (第26回 問題6) 問題36 保健所の健康管理の対象者で正しいのはどれか。  1.幼稚園児  2.自営業者  3.雇用者  4.教職員  (解答2)  (第1回 問題4) 問題37 保健所の業務内容でないのはどれか。  1.人口動態統計  2.労働衛生  3.保健婦 (士)の活動  4.衛生検査  (解答2)  (解説)  保健所は公衆衛生の中心的機関として地域住民の病気の予防、健康の指導、環境衛生などに当たっている。 保健所法は平成6年に改定され「地域保健法」となり、都道府県と市町村の役割分担を規定し、地域保健の体系化がはかられた。 ※保健所の業務は  ①地域保健に関する思想の普及および向上に関する事項  ②人口動態統計その他地域保健にかかわる統計に関する事項  ③栄養の改善および食品衛生に関する事項  ④住宅水道下水道廃棄物の処理清掃その他の環境の衛生に関する事項  ⑤医事および薬事に関する事項  ⑥保健婦および保健士に関する事項  ⑦公共医療事業の向上および増進に関する事項  ⑧母性および乳幼児ならびに老人の衛生に関する事項  ⑨歯科保健に関する事項  ⑩精神保健に関する事項  ⑪治療方法が確立していない疾病その他の特殊の疾病により長期に療養を必要とするものの保健に関する事項  ⑫エイズ、結核、性病、伝染病その他の疾病の予防に関する事項  ⑬衛生上の試験および検査に関する事項  ⑭その他地域住民の健康の保持および増進に関する事項)  (第8回 問題4) 問題38 保健所の役割はどれか。  1.車の排ガス測定  2.食品衛生の監視  3.生活保護の認定  4.医療訴訟の受付  (解答2)  (第23回 問題7) 問題39 市町村保健センターの役割はどれか。  1.食品衛生に関する業務  2.環境衛生に関する業務  3.エイズに関する相談  4.乳幼児健診  (解答4)  (解説)  市町村保健センターは、地域住民に対し、母子保健事業や成人・老人保健事業など総合的な保健サービスを提供する施設であり、市町村ごとに設置されている。 母子保健事業に関するサービスでは、母子健康手帳の交付及び、保健指導、母親学級、家庭訪問(新生児訪問等)、乳幼児健診(乳児・1歳6ヶ月児・3歳児)等の実施や障害の早期発見・早期発達支援(療育)を行っている。これらの活動により、家族の支援を含めた母子保健支援の中心となっている。)  (第26回 問題4) 問題40 保健所について誤っているのはどれか。  1.地域保健法で規定される。  2.保健所長は医師である必要がある。  3.栄養の改善および食品衛生に関する業務を行う。  4.地域保健に係る統計に関する業務を行う。  (解答2)  (解説)保健所の所長について、地域保健法施行令第4条第1項で以下のように定めている。 は、保健所の所長とは保健所の医師であって、次の各号のいずれかに該当する技術吏員でなければならないとされている。  1.3年以上公衆衛生の実務に従事した経験がある者 2.厚生労働省組織令(平成12年政令第252号)第135条に規定する国立保健医療科学院の行う養成訓練の課程(現行1年、平成19年度までの例外規定で3か月コースあり)を経た者 3.厚生労働大臣が、第2号に掲げる者と同等以上の技術又は経験を有すると認めた者 (健康局長通知では「外国において、養成訓練課程に準じる課程を修了し公衆衛生修士 (MPH、MSPH) の学位を取得した者」とある。国内の公衆衛生大学院は対象となっていない) ただし、地域保健法施行令第4条第2項では「地方公共団体の長が医師をもつて保健所の所長に充てることが著しく困難であると認めるときは、2年以内の期間を限り、次の各号のいずれにも該当する医師でない技術吏員をもつて保健所の所長に充てることができる。」とも定められている。  1.厚生労働大臣が、公衆衛生行政に必要な医学に関する専門的知識に関し医師と同等以上の知識を有すると認めた者 2.5年以上公衆衛生の実務に従事した経験がある者 3.養成訓練課程を経た者  (第30回 問題8) 問題41 虐待を受けたと思われる児童を発見した者が通告する施設はどれか。  1.保健所  2.児童相談所  3.地域包括ケアセンター  4.市町村保健センター  (解答2)  (解説)  児童相談所とは、子どもに関する相談に応じ、子どもが心身ともに健やかに育つことができるよう子どもや家庭を援助する機関である。略して「児相」と呼ばれる。児童福祉法で都道府県と政令指定市に設置が義務づけられており、全国に212カ所ある。 取り扱う事例は、虐待、不登校や非行、引きこもり、障害など子どもに関するあらゆる相談である。児童福祉法でいう児童とは、満18歳未満の子どもである。  近年、暴力や育児放棄などの児童虐待が深刻化しており、児相が対応した児童虐待相談件数も年々増加している。こうした事態を背景に、2008年の児童虐待防止法改正では虐待が疑われる家庭への臨検(強制立ち入り調査)制度ができるなど、児相の権限と責任が強化されてきている。身近な子育て相談などに応じる市町村と役割分担・連携を図りながら、専門的な知識や技術を必要とする事例への対応や市町村の後方支援を行うことが、児相には求められている。  運営指針では、(1)市町村援助(市町村相互間の連絡調整など)、(2)相談(専門的な角度からの調査・判定、援助指針の策定、指針に基づく援助)、(3)一時保護(子どもの家庭からの隔離)、(4)措置(子どもや保護者を児童福祉司や児童委員に指導させたり、子どもを児童福祉施設に入所させたり里親に委託する)――の4つが児相の基本的機能とされている。)  (第27回 問題5) 問題42 生活保護制度に直接関与するのはどれか。  1.保健師  2.介護支援専門員  3.民生委員  4.ホームヘルパー  (解答3)  (第12回 問題5) 問題43 医療従事者数で最も多いのはどれか。  1.医師  2.看護婦(士)  3.按摩マッサージ指圧師  4.はり師・きゅう師  (解答2)  (第7回 問題10) 問題44 栄養素で推定平均必要量が算出できない場合に用いる指標はどれか。  1.推奨量  2.目安量  3.耐用上限量  4.目標量  (解答2)  (解説) ※食事摂取基準 (設定指標):食事摂取基準として、エネルギーについては1種類、栄養素については5種類の指標を設定した。 (1)エネルギー  ①推定エネルギー必要量(estimated energy requirement: EER)  エネルギーの不足のリスク及び過剰のリスクの両者が最も小さくなる摂取量 (2)栄養素  健康の維持・増進と欠乏症予防のために、「推定平均必要量」と「推奨量」の2つの値を設定した。しかし、この2指標を設定することができない栄養素については、「目安量」を設定した。また、生活習慣病の一次予防を専ら目的として食事摂取基準を設定する必要のある栄養素については、「目標量」を設定した。過剰摂取による健康障害を未然に防ぐことを目的として「上限量」を設定した。  ①推定平均必要量(estimated average requirement: EAR)  特定の集団を対象として測定された必要量から、性・年齢階級別に日本人の必要量の平均値を推定した。当該性・年齢階級に属する人々の50%が必要量を満たすと推定される1日の摂取量である。  ②推奨量(recommended dietary allowance: RDA)  ある性・年齢階級に属する人々のほとんど(97~98%)が1日の必要量を満たすと推定される1日の摂取量である。原則として「推定平均必要量+標準偏差の2倍(2SD)」とした。  ③目安量(adequate intake: AI)  推定平均必要量・推奨量を算定するのに十分な科学的根拠が得られない場合に、ある性・年齢階級に属する人々が、良好な栄養状態を維持するのに十分な量である。  ④目標量(tentative dietary goal for preventing life-style related diseases: DG)  生活習慣病の一次予防のために現在の日本人が当面の目標とすべき摂取量(または、その範囲)である。  ⑤上限量(tolerable upper intake level: UL)  ある性・年齢階級に属するほとんどすべての人々が、過剰摂取による健康障害を起こすことのない栄養素摂取量の最大限の量である。)  (第21回 問題3) 問題45 我が国の食生活でとりすぎが最も問題となる栄養素はどれか。  1.ビタミンC  2.食塩  3.動物性脂肪  4.糖質  (解答2)  (第2回 問題5) 問題46 最近の我が国における栄養摂取状況で誤っているのはどれか。  1.カルシウムは充足  2.食塩は増加傾向  3.動物性脂肪は増加傾向  4.炭水化物は横這い  (解答1)  (第4回 問題10) 問題47 日本人の食生活について過剰摂取となっている栄養素はどれか。  1.食物繊維  2.カルシウム  3.亜鉛  4.ナトリウム  (解答4)  (第28回 問題8) 問題48 栄養素とその欠乏症との組合せで正しいのはどれか。  1.蛋白質 ーー 夜盲症  2.カルシウム ーー 脚気  3.ビタミンD ーー 骨軟化症  4.ビタミンK ーー ペラグラ  (解答3)  (第12回 問題8) 問題49 2000年に策定された食生活指針で誤っているのはどれか。  1.食事のバランスをとる。  2.穀類は少ない方がよい。  3.日々の活動に見合った食事量をとる。  4.規則正しく食事する。  (解答2)  (第24回 問題6) 問題50 発がん性の強いのはどれか。  1.生野菜  2.煮魚  3.コーヒー  4.タバコ  (解答4)  (第11回 問題7) 問題51 運動の効果について誤っているのはどれか。  1.血糖値を下げる。  2.体重を減らす。  3.HDLコレステロール値を下げる。  4.ストレスを減らす。  (解答3)  (第14回 問題3) 問題52 運動により減少することが期待されるのはどれか。  1.心拍出量  2.最大酸素摂取量  3.末梢血管抵抗  4.インスリン感受性  (解答3)  (第30回 問題9) 問題53 食中毒で正しいのはどれか。  1.サルモネラ食中毒は食品の水洗いで防止できる。  2.ブドウ球菌食中毒の毒素は加熱すれば破壊される。  3.腸炎ビブリオは60℃ぐらいで死滅する。  4.ボツリヌス菌食中毒の毒素は熱に弱い。  (解答3、4)  (解説)  ・腸炎ビブリオは60℃以上、10分以上の加熱で死滅する。  ・ボツリヌス菌の菌自体は芽胞を形成し熱に強いが、その毒素は易熱性(熱に弱い)である。 ※腸炎ビブリオ:1950年に大阪市で発生したシラス中毒事件の際、藤野らによって発見された好食塩性の細菌である。  生物学的特徴:グラム陰性の桿菌で鞭毛を持ち、分裂時間が8~10分と非常に速い。無食塩下では発育できない。  疫学的特徴:5月から11月まで水温が15℃以上に達すると海水中に出現し、特に夏季に発生する。本菌による食中毒は年によって増減するが、その発生事件数は多い。  原因食:刺身、魚介類とその加工食品、野菜の漬物など。  予防:  ・食品の加熱を第1とする  ・魚介類を淡水でよく洗浄する  ・調理後のまな板は熱湯をかけ、よく水洗いする)  (第1回 問題5) 問題54 食中毒について正しい組合せはどれか。  1.ノロウイルス ーー 貝類  2.サルモネラ属 ーー 手指の化膿創  3.ブドウ球菌 ーー 魚介類  4.腸炎ビブリオ ーー ネズミ  (解答1)  (解説)  ノロウイルスは主に、カキ等の貝類により経口感染する。一般にウイルスは熱に弱く、加熱処理はウイルスの活性を失わせる(不活化)。85℃以上)で1分以上の加熱が有効である。)  (第14回 問題8) 問題55 2019年の食中毒統計において食中毒の発生件数が最も多いのはどれか。  1.家庭  2.学校  3.病院  4.飲食店  (解答4)  (解説)  食中毒が発生している施設は例年飲食店が最多となっており、次いで家庭、3位については変動があるが、販売店が多い傾向にある。  2019年の食中毒発生件数は1061件となっている。  このうち、飲食店での発生件数は580件、家庭での発生件数は151件、3位の発生件数となる施設は販売店であり、50件発生している。)  (第29回 問題5) 問題56 食事後最も短時間で発症する食中毒の原因菌はどれか。  1.ブドウ球菌  2.サルモネラ  3.腸炎ビブリオ  4.病原大腸菌  (解答1)  (解説)  ブドウ球菌による食中毒の潜伏期は1~5時間である。これは、ブドウ球菌が毒素型であり細菌の増殖を必要としないため発症までの時間が短いことによる。)  (第4回 問題6) 問題57 感染型細菌性食中毒の原因菌でないのはどれか。  1.腸炎ビブリオ  2.サルモネラ菌  3.ボツリヌス菌  4.カンピロバクター  (解答3)  (解説)  病原性微生物による食中毒の分類: (1)細菌性食中毒:  ①感染型:サルモネラ菌属、腸炎ビブリオ、腸管出血性大腸菌、その他の病原大腸菌、カンピロバクター、エルシニア等  ②毒素型:黄色ブドウ球菌、ボツリヌス菌、ウエルシュ菌等 (2)ウイルス性食中毒: ノロウイルス、ロタウイルス、その他)  (第9回 問題7) 問題58 自家製の飯ずしを食べた者が呼吸困難と神経麻痺を起こした。病原体はどれか。  1.ノロウイルス  2.ボツリヌス菌  3.ブドウ球菌  4.サルモネラ菌  (解答2)  (解説)  神経毒はボツリヌス菌のみで、他は腸炎型である。 ※ボツリヌス菌:芽胞を形成する嫌気性の菌、食中毒を起こす菌では最も死亡率が高い。  生物学的特徴:グラム陽性の桿菌、芽胞を形成する。酸素があると発育することができない嫌気性の菌。強力な易熱のたんぱく質(80℃で不活化)である外毒素を産生する。人に毒作用を示すのはA、B、E、F型の4種類である。  疫学的特徴:自然界の土壌に広く分布し、東北、北海道の「いずし」などの食品からはE型による発症例が多い。A、B型は欧米に多く、毒力が強い。日本では最近数年発症していない。)  (第17回 問題6) 問題59 腸炎ビブリオ食中毒について正しい記述はどれか。  1.冬季に多い。  2.潜伏期は平均20時間前後である。  3.原因菌は大腸菌群に分類される。  4.予防には加熱が有効である。  (解答4)  (解説)  腸炎ビブリオの潜伏期間は12時間前後である。)  (第20回 問題4) 問題60 食中毒の対策として加熱処理が無効なのはどれか。  1.サルモネラ属  2.ブドウ球菌  3.カンピロバクター  4.ボツリヌス菌  (解答2)  (第22回 問題7) 問題61 食中毒の予防対策でないのはどれか。  1.手洗いの励行  2.加熱調理  3.水質検査  4.患者の隔離  (解答4)  (解説)  ノロウイルスによる胃腸炎が食中毒に含まれるようになったため、患者の隔離も予防対策の1つとなっている。したがって、現在では解答なしとなる。 ※ノロウイルス患者の隔離:隔離の期間は症状消失後、2日までとなっている。ノロウイルス感染者の糞便や吐物には1gあたり、1,000万個から10億個ものノロウイルスが含まれることがある。このため、症状のある時期は、環境汚染を拡散防止すること、接触予防策を厳重に行うために、隔離対策を実施する。ノロウイルスは症状回復後も、1週間程度、長い場合は1ヶ月程度も糞便中に排泄されることがあるため、接触予防策は解除するものの、患者には手洗いの指導が行われる。)  (第6回 問題3) 問題62 アニサキス症の主症状はどれか。  1.発熱  2.腹痛  3.下痢  4.血尿  (解答2)  (解説)  アニサキス症は寄生虫(線虫)の一種であるアニサキスによる食中毒である。アニサキスの幼虫(アニサキス幼虫)は、長さ2~3cm、幅は0.5~1mmくらいで、白色の少し太い糸のように見える。 アニサキス幼虫はサバ、イワシ、カツオ、サケ等の魚介類に寄生する。このアニサキス幼虫が寄生している生鮮魚介類を生食することで、 アニサキス幼虫が胃壁や腸壁に刺入して食中毒(アニサキス症)を引き起こす。 ※主な症状は、  ①急性胃アニサキス症:食後数時間後から十数時間後に、心窩部の激痛、悪心、嘔吐を生じる。  ②急性腸アニサキス症:食後十数時間後から数日後に、激しい下腹部痛、腹膜炎症状を生じる。)  (第26回 問題8) 問題63 海産魚介類の生食により激しい胃痛を起こすのはどれか。  1.クリプトスポリジウム  2.黄色ブドウ球菌  3.サルモネラ属  4.アニサキス  (解答4)  (第32回 問題5) 第3章 生活環境と公害 問題64 地球環境の変化について誤っているのはどれか。  1.熱帯雨林の減少  2.生物種の増加  3.砂漠の増加  4.酸性雨の増加  (解答2)  (第16回 問題5) 問題65 我が国の生活環境について正しい記述はどれか。  1.下水道の普及率は60%を超えている  2.1人1日平均給水量は年々減少している  3.井戸水の検査は市町村が行う  4.上水道の普及率は90%を超えている  (解答4)  (解説) ※上水道普及率:平成30年度末の全国の平均普及率98.0%。 ※下水道普及率:  令和1年度末における全国の平均下水道普及率は79.7%(下水道利用人口/総人口)となっている。但し、福島県の1県は、東日本大震災の影響で調査ができない市町村があったため、一部を調査の対象から外している。)  (第4回 問題9) 問題66 汚染が少ないほど測定値が高くなる指標はどれか。  1.BOD(生物学的酸素要求量)  2.COD(化学的酸素要求量)  3.DO(溶存酸素量)  4.pH(水素イオン濃度)  (解答3)  (解説) ※水質汚濁の化学的・生物学的指標  ①生物化学的酸素要求量BOD(biochemical oxygen demand):好気性微生物の作用によって汚水中の有機物質を分解するのに必要な酸素量。主として河川の汚染状況を調べる。  ②化学的酸素要求量COD(chemical oxygen demand):化学的酸化剤によって、汚水中の有機物、鉄塩、硫化物を直接酸化するのに必要な酸素量。主として湖水、海域の調査に用いる。  ③溶存酸素量DO(dissolved oxygen):水中に溶け込んでいる酸素量、水の清浄度を示す。大きいほど清浄度は高い。  ④浮遊物質SS(suspended solid):水に溶けない懸濁性の物質の総称。SSが高いと汚濁が強い。  ⑤水素イオン濃度(pH):水の酸・アルカリ度の指標)  (第19回 問題3) 問題67 毒性が最も弱い気体はどれか。  1.二酸化炭素  2.一酸化炭素  3.二酸化硫黄  4.二酸化窒素  (解答1)  (解説) ※主要大気汚染物質:環境基準法に規定されている大気汚染物質は一酸化炭素、二酸化窒素、二酸化硫黄、浮遊粒子の一次汚染物質と、窒素酸化物・炭化水素が紫外線と反応して二次的に生じた光化学オキシダントの5種であったが、平成9年にベンゼン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、平成12年からダイオキシン類、さらに平成13年にはジクロロメタンが環境基準に追加された。)  (第2回 問題9) 問題68 排出によって酸性雨を起こす物質はどれか。  1.一酸化炭素  2.二酸化硫黄  3.ダイオキシン  4.メタンガス  (解答2)  (第15回 問題5) 問題69 光化学オキシダントの原因物質はどれか。  1.二酸化硫黄  2.二酸化炭素  3.二酸化窒素  4.オゾン  (解答3)  (解説) ※光化学オキシダント:光化学オキシダント濃度が高くなり、空が白く「もや」がかかったような状態を「光化学スモッグ」とよぶ。光化学スモッグの発生は天候に左右されやすく、その年に応じて発生頻度が異なる。  発生源:光化学オキシダントは、窒素酸化物、炭化水素類が太陽光の紫外線の作用による二次的汚染物質として発生する。その主成分はオゾンである。その他PAN(Peroxy Acetyl Nitrate)、アルデヒド類などの強酸化物などから成る。これらの作用により眼や呼吸器の粘膜、あるいは植物にも被害を及ぼす。)  (第5回 問題8) 問題70 光化学スモッグの原因物質はどれか。  1.オキシダント  2.ダイオキシン  3.イオウ酸化物  4.一酸化炭素  (解答1)  (第14回 問題4) 問題71 光化学オキシダントの原因とならないのはどれか。  1.オゾン  2.窒素酸化物  3.浮遊粒子状物質  4.硝酸ペルオキシアセチル  (解答1又は3又は4)  (第21回 問題9) 問題72 大気汚染の原因になるのはどれか。  1.カドミウム  2.メチル水銀  3.一酸化炭素  4.二酸化硫黄  (解答1又は3又は4)  (第23回 問題9) 問題73 生体内でホルモンの作用に影響を与える外因性物質の総称はどれか。  1.大気汚染物質  2.浮遊粒子状物質  3.内分泌撹乱化学物質  4.揮発性有機化合物  (解答3)  (第27回 問題8) 問題74 非電離放射線はどれか。  1.中性子線  2.ガンマ線  3.紫外線  4.エックス線  (解答3)  (第16回 問題4) 問題75 生体に照射してもイオン化しない放射線はどれか。  1.陽子線  2.中性子線  3.赤外線  4.エックス線  (解答3)  (解説)  放射線の分類:放射線は非電離放射線と電離放射線とに大別される。  ①非電離放射線:非電離放射線は生体に照射してもイオン化しない電磁波の総称である。すなわち、紫外線、可視光線、赤外線、高周波、短波、マイクロ波、レーザーなどが含まれる。  ②電離放射線:原子や分子を電離する作用をもつ放射線の総称である。α線、陽子線、重陽子線、β線、電子線、中性子線、γ線、X線、宇宙線などがある。  α線、β線は透過力が弱いが、中性子線、γ線、X線は透過力が強い。)  (第29回 問題8) 問題76 紫外線が原因となるのはどれか。  1.緑内障  2.熱射病  3.電気性眼炎  4.皮膚血管腫  (解答3)  (第18回 問題5) 問題77 白内障の原因になりにくいのはどれか。  1.紫外線  2.可視光線  3.赤外線  4.マイクロ波  (解答2)  (第28回 問題6) 問題78 地球温暖化に関係してる物質はどれか。  1.二酸化炭素  2.二酸化硫黄  3.一酸化炭素  4.二酸化窒素  (解答1)  (第4回 問題7) 問題79 地球温暖化の原因となっているのはどれか。  1.酸素  2.二酸化炭素  3.窒素  4.水素  (解答2)  (第11回 問題9) 問題80 室内環境条件として誤っているのはどれか。  1.一酸化炭素濃度100ppm以下  2.湿度40~70%  3.温度範囲17~28℃  4.二酸化炭素濃度0.1%以下  (解答1)  (解説)  室内環境条件としての一酸化炭素濃度は10ppm以下である。)  (第2回 問題10) 問題81 室内環境測定の指標として最も有用なのはどれか。  1.オゾン  2.悪臭  3.ハウスダスト  4.二酸化炭素  (解答4)  (第3回 問題7) 問題82 衣服の衛生的条件の組み合わせで誤っているのはどれか。  1.体温の調節 ーー 通気性の高い材料  2.皮膚の清潔保持 ーー 吸水性の低い下着  3.身体の活動 ーー 伸縮性のある材料  4.身体の保護 ーー 弾力性のある材料  (解答2)  (第10回 問題7) 問題83 水道法に定める上水道水の要件でないのはどれか。  1.無色透明度  2.臭味の度合  3.酸素の含有量  4.pH  (解答3)  (第11回 問題10) 問題84 上水道の水質基準で「検出されないこと」と決められているのはどれか。  1.大腸菌  2.水銀  3.ヒ素  4.総トリハロメタン  (解答1)  (第31回 問題6) 問題85 水系流行による感染症でないのはどれか。  1.コレラ  2.ワイル病  3.ポリオ  4.結核  (解答4)  (第3回 問題5) 問題86 下水について誤っているのはどれか。  1.我が国の下水道の普及率は50%以下である。  2.下水は人の生活圏から排出された汚水の総称である。  3.BODとは汚水中の有機物が微生物によって分解されるのに必要な酸素の量をいう。  4.汚染度の高い水中ではBODの値は低下する。  (解答4)  (第1回 問題6) 問題87 我が国の下水道行政について正しいのはどれか。  1.都市下水路は雨水の排除を目的とする。  2.流域下水道は汚染された河川の水を処理する。  3.公共下水道は都道府県が管理する。  4.全国民の9割以上が下水道を利用している。  (解答1)  (解説)  ・流域下水道は、市町村の枠を越え、広域的かつ効率的な下水の排除、処理を目的とした下水道である。  ・公共下水道の設置・管理は、原則として市町村が行う。  ・令和1年度末において、全国民の約8割(79.7%)が下水道を利用している。 ※下水道の種類:  ①都市下水路:都市下水路は、主として市街地(公共下水道の排水区域外)において、専ら雨水排除を目的とするもので、終末処理場を有しないものをいう。  ②流域下水道:2つ以上の市町村の区域における下水を排除し、かつ終末処理場を有する下水道のこと。市町村の枠を越え、広域的かつ効率的な下水の排除、処理を目的としたもの。流域下水道は幹線管渠と終末処理場の基幹施設からなり、都道府県が設置・管理する。また、これにつながる下水道管渠(流域関連公共下水道という)は、市町村の設置・管理となる。  ③公共下水道:主として市街地における下水を排除し、又は処理するために地方公共団体が管理する下水道で、終末処理場を有するもの又は流域下水道に接続するものであり、かつ、汚水を排除すべき排水施設の相当部分が暗渠である構造のもの』(下水道法第2条第3号)をいう。公共下水道の設置・管理は、原則として市町村が行うが、2以上の市町村が受益し、かつ、関係市町村のみでは設置することが困難であると認められる場合には、都道府県がこれを行うことができる。)  (第22回 問題3) 問題88 好気性菌を用いる下水処理法はどれか。  1.触媒法  2.土壌脱臭法  3.吸着法  4.活性汚泥法  (解答4)  (第10回 問題6) 問題89 我が国のごみ処理方法のうち最も処理量の多いのはどれか。  1.資源化  2.埋め立て  3.焼却  4.堆肥化  (解答3)  (第9回 問題9) 問題90 我が国の廃棄物処理の現状で誤っている記述はどれか。  1.廃棄物の量を減らすことが重要な目標である。  2.し尿の水洗化処理は人口の約80%を占める。  3.ごみ処理に最も多く使われている方法は焼却である。  4.産業廃棄物の処理は市町村が責任者となる。  (解答4)  (解説)  廃棄物の処理:廃棄物とは、「ごみ、粗大ごみ、燃えがら、汚泥、糞尿、廃油、廃酸、廃アルカリ、動物の死体、その他の汚物、または、不要物であって、固形状、または液状のもの」をいう。 平成4年の法律の改正によって、一般廃棄物と産業廃棄物に大別された。  ①一般廃棄物はごみ(塵芥<じんかい>)とし尿に大別される。 これらの処理は市町村の責任において行われる。  ②産業廃棄物 事業活動で排出される廃棄物は燃えがら、汚泥、廃油、廃酸、廃アルカリ、廃プラスチックなど20種類が定められている。 これらの処理は、事業者の責任によって行われる。)  (第12回 問題10) 問題91 環境基本法で典型7公害に含まれないのはどれか。  1.大気汚染  2.水質汚濁  3.悪臭  4.放射能汚染  (解答4)  (解説)  放射能汚染は、原子力基本法と、その他の関連法により規定されている。環境基本法には含まれない。  環境基本法によると「公害とは事業活動、その他の人の活動に伴って生ずる相当範囲にわたる大気の汚染、水質の汚濁、土壌の汚染、騒音、振動、地盤の沈下及び悪臭によって人の健康、または生活環境にかかわる被害が生ずることをいう」と定義され、これを「典型7公害」と呼んでいる。)  (第5回 問題5) 問題92 公害対策基本法で公害に含まれるのはどれか。  1.ヒ素混入粉ミルクによるヒ素中毒  2.PCB混入食用油による油症  3.散布後の残留農薬による農薬中毒  4.メチル水銀汚染魚による水俣病  (解答4)  (解説)  平成5年公害対策基本法を廃して環境基本法がつくられたのでこの問いは参考程度でよい。)  (第1回 問題10) 問題93 オゾン層の破壊と関係ないのはどれか。  1.フロンガス  2.二酸化炭素  3.有害紫外線  4.皮膚癌  (解答2)  (第6回 問題5) 問題94 ダイオキシンと関連のないのはどれか。  1.ゴミ焼却  2.塩化ビニール  3.塩素消毒  4.発癌作用  (解答3)  (解説)  ダイオキシン:ポリクロロジベンゾジオキシン( PCDD )の俗称。また、特にその中で最も毒性の強い 2 ・ 3 ・ 7 ・ 8 - テトラクロロジベンゾパラジオキシン( TCDD )C12H4O2Cl4 のこと。  毒性が強く分解されにくい化合物で、皮膚や内臓に障害を起こし、催奇形性・発癌性があるものも少なくない。除草剤などの分解で生成するといわれる。ごみ焼却の灰、製紙の汚泥、自動車の排ガスなどに含まれ、環境汚染を引き起こす。  ダイオキシン汚染の原因解明が進むなか、プラスチック類の中でも塩素を含む塩ビ製品(塩化ビニール樹脂や塩化ビニリデン樹脂)がごみとして焼却された場合、特にダイオキシン類をはじめとする有害化学物質が発生しやすいことが指摘されている。)  (第6回 問題6) 問題95 公害の特徴でないのはどれか。  1.生活環境が汚染される。  2.人為的災害である。  3.被害は短期間で終息する。  4.生態系への影響がある。  (解答3)  (第10回 問題8) 問題96 健康被害とその原因との組み合わせで誤っているのはどれか。  1.水俣病 ーー 有機水銀  2.イタイイタイ病 ーー ヒ素  3.カネミ油症 ーー PCB  4.ダイオキシン汚染 ーー 塩素系ごみの不完全燃焼  (解答2)  (第9回 問題3) 問題97 耳に痛みを感じ始める騒音レベル (デシベル)はどれか。  1.約40  2.約70  3.約100  4.約130  (解答4)  (第21回 問題8) 第4章 産業保健 問題98 我が国の産業保健に関して誤っているのはどれか。  1.環境モニタリングは作業管理である。  2.最も多く認定される業務上疾病は腰痛症である。  3.50人以上働く事業所は産業医を置かなければならない。  4.有害業務の特殊健康診断は6か月に1回実施しなければならない。  (解答1)  (解説)  産業保健における環境モニタリングは、作業環境管理である。)  (第24回 問題10) 問題99 産業衛生領域における管理に含まれないのはどれか。  1.作業環境管理  2.作業管理  3.人事管理  4.健康管理  (解答3)  (解説)  産業衛生管理:産業衛生管理には、健康管理、作業環境管理、作業管理の3つがある。  ①健康管理 健康診断の実施等。健康診断には、雇い入れ時の健康診断、定期健康診断、特殊健康診断(特殊検査)等がある。  ②作業環境管理  職場には働く人の健康を害する様々な因子があり、これを除くことによって、快適な作業環境を作ることが目的とされている。 (作業環境要因としては以下のものがある。)  ・物理的因子:温度、湿度、異常気圧、照度、騒音、振動、電離放射線、非電離放射線、機械器具、道具、原材料、設備、装置、建物など  ・化学的因子:有機溶媒、有害ガス、酸素欠乏、粉塵、発がん物質、酸、アルカリ、有機化合物、金属、水、ミスト、煙など  ・生物的因子:病原微生物、ダニや花粉などのアレルゲン  ③作業管理  職業病の予防の立場から作業そのものを管理し、職業によって保護具などをつけなければならない。  作業管理要因としては、適性配置、作業時間、作業強度、作業密度、交替制勤務、組織と制度等がある。)  (第14回 問題5) 問題100 産業衛生管理のうち作業管理はどれか。  1.作業場の換気  2.防塵マスクの使用  3.定期健康診断の実施  4.作業環境測定の実施  (解答2)  (第30回 問題10) 問題101 誤っている組み合わせはどれか。  1.労働者災害補償保険法 ーー 職業病  2.労働基準法 ーー 労働時間  3.労働安全衛生法 ーー 衛生管理者  4.事務所衛生基準 ーー 連続作業時間  (解答4)  (解説)  連続作業時間は労働基準法に規定されている。労働基準法では、「6時間を超える労働」に対しては、休憩を取得することが決められている。  会社が従業員に休憩時間を付与する規定として、労働基準法で以下のように定められている。 (労働時間ごとの付与される休憩時間)  6時間以内の労働:休憩を付与する義務なし  6時間超え、8時間以内の労働:少なくとも45分の休憩を付与する  8時間を超える労働:少なくとも1時間を超える休憩を付与する (労働基準法34条1項)  ・事務所衛生基準には、事務所の広さ、窓の面積、室内の空気の状態、室温、湿度、浮遊粉塵、照度、洗面、手洗い、便所などの基準が定められている。)  (第2回 問題7) 問題102 労働安全衛生法による特殊健康診断の対象となる業務はどれか。  1.VDT作業  2.過重労働  3.重量物運搬作業  4.放射線業務  (解答4)  (解説)  特殊健康診断:法令による有害業務に従事している人の検査であり、6ヶ月に1回実施することが定められている。 ※特殊健康診断の種類 (法令に基づく健康診査)  ・高圧室内・潜水業務  ・特定化学物質など製造・取扱者  ・鉛業務  ・四アルキル鉛業務  ・放射線業務  ・特定有機溶剤業務  ・歯科特殊健康診断)  (第19回 問題4) 問題103 労働衛生と関係しないのはどれか。  1.衛生管理者  2.産業医  3.公害防止管理者  4.総括衛生管理者  (解答3)  (第1回 問題9) 問題104 施術所における白衣着用にあてはまるのはどれか。  1.作業環境管理  2.作業管理  3.健康管理  4.労働衛生教育  (解答2)  (第23回 問題6) 問題105 職業病でないのはどれか。  1.じん肺  2.局所振動障害  3.頸肩腕障害  4.四日市ぜんそく  (解答4)  (第7回 問題3) 問題106 職業との関係が明確でない病態はどれか。  1.頸肩腕障害  2.局所振動障害  3.じん肺  4.三叉神経痛  (解答4)  (第2回 問題6) 問題107 産業保健の健康問題の内最近増えたのはどれか。  1.じん肺症  2.VDT作業による目の疲労  3.頸肩腕障害  4.局所振動障害  (解答2)  (第6回 問題8) 問題108 我が国の平成26年の業務上疾病で最も多いのはどれか。  1.災害性腰痛  2.物理的因子による疾病  3.じん肺および合併症  4.化学物質による疾病  (解答1)  (第25回 問題4) 問題109 我が国の2016年に発生した業務上疾病で最も多いのはどれか。  1.腰痛  2.じん肺  3.心疾患  4.酸素欠乏症  (解答1)  (第27回 問題4) 問題110 VDT作業による症状で適切でないのはどれか。  1.手・指・腕のだるさ。  2.目のつかれ  3.集中力低下  4.騒音性難聴  (解答4)  (第5回 問題3) 問題111 疾病とその原因となる作業との組合せで誤っているのはどれか。  1.じん肺 ーー トンネル掘削作業  2.難聴 ーー 騒音下での作業  3.眼精疲労 ーー VDT作業  4.潜函病 ーー 熔接作業  (解答4)  (第13回 問題6) 第5章 精神保健) 問題112 誤っているのはどれか。  1.神経症は精神病の一種である。  2.精神発達遅滞は知能の著しく劣っているのをいう。  3.精神病患者の人権は尊重されなくてはならない。  4.保健所の事業の中に精神衛生に関する事項が含まれている。  (解答1)  (第1回 問題7) 問題113 精神障害について正しいのはどれか。  1.てんかん発作は一時的な意識消失を伴う。  2.認知症は知能が生来低下している状態である。  3.抑うつは意識レベルの程度を表している。  4.適応障害は脳の器質的障害が原因である。  (解答1)  (第25回 問題5) 問題114 精神保健について正しいのはどれか。  1.統合失調症は脳の器質的疾患である。  2.認知症では夜間せん妄を生じやすい。  3.うつ病では見当識障害を生じやすい。  4.適応障害の主症状は幻聴である。  (解答2)  (解説)  せん妄とは急性の脳機能障害で、急性錯乱状態、急性脳症候群などとも呼ばれ、意識狭窄・変容の一型である。短期間のうちに現れる軽度から中等度の意識障害に、特徴的な幻覚、錯覚、不安、興奮、失見当識などを伴う。急性に発症し、時間帯により出現したり消失したりする。  認知症高齢者にしばしばみられる夜間せん妄、アルコール精神病でみられる作業せん妄(仕事に従事している動作を繰り返す)、手術後にみられる術後せん妄などがある。  せん妄は高齢者や認知症や脳血管障害等など器質性脳疾患を有する場合に特に多い。)  (第26回 問題9) 問題115 精神保健について誤っているのはどれか。  1.長期に社会的入院をしている患者に退院促進支援事業を行う。  2.地域医療計画に精神疾患が加えられた。  3.ハローワークで就労支援を行う。  4.精神保健福祉センターは各市町村に置かれる。  (解答4)  (解説)  精神保健福祉センターは各都道府県に設置されている。 ※精神保健福祉センターとは、保健所などの地域精神活動を行う関係諸機関に対する技術指導・技術援助、職員の教育研修、精神保健に関する広報普及、調査研究活動、精神保健相談(複雑・困難なもの)、アルコール相談事業、デイケア事業、その他の業務にあたる施設であり、各都道府県に設置されている。)  (第28回 問題5) 問題116 適応障害でよくみられるのはどれか。  1.けいれん発作  2.見当識障害  3.夜間せん妄  4.不安  (解答4)  (解説)  適応障害とは、ICD-10(世界保健機構の診断ガイドライン)によると「ストレス因により引き起こされる情緒面や行動面の症状で、社会的機能が著しく障害されている状態」と定義されている。ストレスとは「重大な生活上の変化やストレスに満ちた生活上の出来事」である。ストレス因は、個人レベルから災害など地域社会を巻き込むようなレベルまで様々である。また、ある人はストレスに感じることがほかの人はそうでなかったりと、個人のストレスに対する感じ方や耐性も大きな影響を及ぼす。  つまり適応障害とは、ある生活の変化や出来事がその人にとって重大で、普段の生活がおくれないほど抑うつ気分、不安や心配が強く、それが明らかに正常の範囲を逸脱している状態といえる。)  (第24回 問題7) 問題117 精神障害者の医療に含まれないのはどれか。  1.措置入院  2.任意入院  3.通院医療  4.養育医療  (解答4)  (第8回 問題10) 問題118 精神障害者が入院する場合に保護義務者の同意が必要なのはどれか。  1.任意入院  2.医療保護入院  3.措置入院  4.応急入院  (解答2)  (解説)  精神科への入院形態:主に、任意入院、医療保護入院、措置入院、応急入院の4つの形態がある。  ①任意入院:患者本人の同意に基づいて行われる入院である。  ②医療保護入院:精神保健指定医の診察の結果、医療あるいは保護の観点から必要性があると判断された場合、本人の同意がなくとも、保護者の同意で入院させること。  ③措置入院:自傷・他害のおそれのある精神障害者を、複数の精神衛生鑑定医の一致した認定によって都道府県知事が強制的に病院に入院させること。  ④応急入院:精神保健指定医の診察の結果、患者に入院が必要であると判断されたが、本人および保護者の同意が得られない場合、七二時間に限り入院させること。)  (第16回 問題8) 問題119 我が国における精神障害の入院形態で最初に検討すべき形態はどれか。  1.応急入院  2.措置入院  3.医療保護入院  4.任意入院  (解答4)  (第20回 問題10) 問題120 精神障害者の入院について本人の同意により行われるのはどれか。  1.措置入院  2.医療保護入院  3.応急入院  4.任意入院  (解答4)  (第5回 問題9) 問題121 最近の患者調査で精神障害による入院患者数が最も多いのはどれか。  1.統合失調症  2.うつ病  3.てんかん  4.アルツハイマー病  (解答1)  (第17回 問題7) 問題122 我が国の2014年の患者調査で精神障害による入院患者が最も多いのはどれか。  1.統合失調症  2.気分障害  3.神経症性障害  4.てんかん  (解答1)  (第27回 問題9) 問題123 最近の患者調査で精神障害者の外来受診者数が最も多いのはどれか。  1.気分障害(躁うつ病を含む)  2.統合失調症  3.アルツハイマー病  4.てんかん  (解答1)  (第18回 問題6) 第6章 母子保健) 問題124 母子健康手帳を交付するのは誰か。  1.厚生大臣  2.都道府県知事  3.市長村長  4.保健所長  (解答3)  (解説)  母子健康手帳は、母子保健法第16条に「市町村は、妊娠の届出をした者に対して、母子健康手帳を交付しなければならない」と規定されている。 母子健康手帳の内容は、厚生労働省により定められている。 母子健康手帳は妊娠中の経過や妊婦の健康状態、出産の状態、出産後の母体の経過、新生児から6歳までの健康診査や保護者の記録、乳幼児身体発育曲線、予防接種の記録など妊娠、出産、育児を一貫して記録するものでこの記録を参考として保健指導や健康診査を行うことを目的に交付されている。)  (第3回 問題9) 問題125 母子健康手帳に記載する項目はどれか。  1.学歴  2.職歴  3.婚姻歴  4.喫煙歴  (解答2又は3又は4)  (第26回 問題5) 問題126 妊娠初期に最も注意しなければならないのはどれか。  1.高血圧  2.風疹  3.タンパク尿  4.貧血  (解答2)  (第6回 問題4) 問題127 母乳栄養について誤っているのはどれか。  1.乳児の感染症予防に役立つ。  2.乳児の心理的発育によい影響がある。  3.人工乳よりも経済的負担は少ない。  4.母乳と人工乳は同じ成分である。  (解答4)  (第23回 問題4) 問題128 遺伝する疾患はどれか。  1.ハンセン病  2.アザラシ肢症  3.先天性風疹症候群  4.フェニルケトン尿症  (解答4)  (解説)  フェニルケトン尿症は、常染色体性劣性遺伝形式を示す遺伝性疾患である。両親が保因者(因子は持っているが発症していない人)の場合、1/4の確率で病気を持った児が生まれることになる。)  (第25回 問題6) 問題129 生活習慣病の予防に関連しないのはどれか。  1.食生活  2.運動  3.予防接種  4.健康診査  (解答3)  (第18回 問題4) 問題130 健康の保持・増進のために好ましくない生活習慣はどれか。  1.1日1万歩の歩行  2.1日100gのアルコール摂取  3.1日5gの塩分摂取  4.1日500gの野菜摂取  (解答2)  (第23回 問題10) 問題131 男性において、生活習慣病のリスクを高める1 日あたりの純アルコール摂取量はどれか。  1.10 グラム以上  2.20 グラム以上  3.30 グラム以上  4.40 グラム以上  (解答4)  (第32回 問題8) 第7章 生活習慣病と老人保健) 問題132 生活習慣病はどれか。  1.エイズ  2.糖尿病  3.ウイルス性肝炎  4.肺炎  (解答2)  (第9回 問題5) 問題133 生活習慣病でないのはどれか。  1.結核  2.高血圧症  3.肺癌  4.歯周病  (解答1)  (第12回 問題4) 問題134 高血圧症の一般的な危険因子(リスク要因)はどれか。  1.飲酒と夜ふかし  2.睡眠と休養  3.肥満と食塩摂取  4.運動と労働  (解答3)  (第6回 問題7) 問題135 肥満の判定基準でないのはどれか。  1.カウプ指数  2.ローレル指数  3.生活活動指数  4.ブローカ指数  (解答3)  (解説)  生活活動指数とは、生活活動強度に応じた基礎代謝量に対する計数である。したがって、肥満の判定基準ではない。 ※栄養状態・発育状態の評価:  ①カウプ指数:乳幼児の発育状態の評価に用いる。 カウプ指数={体重(kg)÷身長(cm)の2乗}×10の4乗  ②ローレル指数:学童の発育状態の評価に用いる。 ローレル指数={体重(kg)÷身長(cm)の3乗}×10の7乗  ③ブローカ指数:成人の評価 ブローカ指数={身長(㎝)-100}×0.9)  (第8回 問題5) 問題136 老人保健法に規定されている保健事業で誤っているのはどれか。  1.健康保険証の交付  2.健康相談  3.健康診査  4.訪問指導  (解答1)  (第3回 問題3) 問題137 高齢者の医療の確保に関する法律による特定健診の一次検査項目はどれか。  1.胸部エックス線検査  2.腹囲測定  3.眼底検査  4.心電図検査  (解答2)  (第19回 問題5) 問題138 特定健康診査で必須の項目はどれか。  1.心電図  2.γ-GTP  3.眼底所見  4.総コレステロール  (解答2)  (解説)  特定健康診査(特定健診・メタボ健診)とは、40~74歳の人を対象に、生活習慣病の予防を目的として行われる健康診査。高齢者医療確保法に基づいて、国民健康保険や健康保険組合などの医療保険者が行う。平成20年(2008)から実施。健診の結果、メタボリックシンドロームまたはその予備群と判定された人には、医師・保健師・管理栄養士等による特定保健指導を受けることができる。 ※特定健康診査: ◇法律 高齢者の医療の確保に関する法律に基づいて実施される。 ◇ 対象者 医療保険(国保・協会けんぽ・組合健保・共済組合)に加入している 被保険者(本人)・被扶養者(家族)の内、40歳から74歳までの者。 ◇ 目的 特定健康診査では、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の該当者や予備群の発見を重視し、生活習慣を見直していくことを目的としている。 ◇ 基本的健診項目(※必須項目)  ・問診  ・診察  ・身体計測(身長、体重、BMI、腹囲)  ・血圧測定  ・血液化学検査(中性脂肪、HDLコレステロール、LDLコレステロール)  ・肝機能検査(AST、ALT、γ-GTP)  ・血糖検査(空腹時血糖又はHbA1c、やむを得ない場合は随時血糖)  ・尿検査(尿糖、尿蛋白) ◇ 詳細な健診項目(※一定の判定基準の下、医師が必要と判断したものを実施する。)  ・心電図検査  ・眼底検査  ・貧血検査(赤血球数、血色素量、ヘマトクリット値)  ・血清クレアチニン検査(eGFR)がある。)  (第25回 問題7) 問題139 高齢者の医療の確保に関する法律に基づく特定保健指導において、積極的支援の対象者の判定に用いない検査項目はどれか。  1.血圧  2.血糖  3.HDLコレステロール  4.肝機能  (解答4)  (解説)  特定保健指導:特定健康診査を受けた後に、メタボリックシンドロームのリスク数に応じて、生活習慣の改善が必要な者に行われる保健指導のことである。そのリスク数に応じて、「動機付け支援」と「積極的支援」の2つのタイプの特定保健指導がある。 ※特定健診項目(判定項目) (1)内臓脂肪型肥満(腹囲とBMIで内臓脂肪蓄積のリスクを判定する。)  内臓脂肪型肥満A 腹囲:男性85cm以上、女性90cm以上  内臓脂肪型肥満B 腹囲:男性85cm未満、女性90cm未満、かつ、BMI:25以上 (2)追加リスク(健診結果・質問票より追加リスクをカウントする。)  ①血糖 空腹時血糖値※100mg/dl以上またはHbA1c 5.6%(NGSP値)以上  ②脂質 中性脂肪150mg/dl以上またはHDLコレステロール40mg/dl未満  ③血圧 収縮期血圧130mmHg以上または拡張期血圧85mmHg以上  ④喫煙歴 ①~③のリスクが1つでもある場合にリスクとして追加 (H30年4月1日以降の健診では、やむを得ない場合、随時血糖を用いる。) 以上のリスクを踏まえて、特定保健指導のタイプが決定される。 特定保健指導では、対象者が健診結果から自らの健康状態を正しく理解し、生活習慣改善のための行動目標を自ら設定・実施できるよう、医師、保健師等による個々人の特性やリスクに応じた支援が為される。  ①動機付け支援  内臓脂肪型肥満Aでリスクが1つ、内臓脂肪型肥満Bでリスクが1つ~2つ 支援の内容 個別面接またはグループ支援を原則1回行い、対象者が自らの生活習慣を振り返り行動目標を立て行動に移し、その生活が継続できることを目指した支援。6ヶ月後に通信等(電話・eメール・ファックス・手紙等)を利用して評価を行う。  ②積極的支援 内臓脂肪型肥満Aでリスクが2つ以上、内臓脂肪型肥満Bでリスクが3つ以上 支援の内容 動機付け支援に加え、3ヶ月以上の定期的・継続的な支援(電話・eメール・ファックス・手紙等を利用)を行い、対象者が自らの生活習慣を振り返り行動目標を立て行動に移し、その生活が継続できることを目指した支援。6ヶ月後に通信等を利用して評価を行う。)  (第22回 問題6) 問題140 高齢者の医療の確保に関する法律に基づいて実施されるのはどれか。  1.がん検診  2.肝炎ウイルス検診  3.特定健康診査  4.骨粗鬆症検診  (解答3)  (第28回 問題7) 問題141 特定健康診査・特定保健指導について正しいのはどれか。  1.健康増進法に基づいて実施される。  2.実施主体は医療保険者である。  3.75歳以上が対象となる。  4.がん検診のことである。  (解答2)  (第31回 問題9) 問題142 我が国の老年人口の現状で誤っているのはどれか。  1.老衰死亡率の増加  2.寝たきり老人の増加  3.単独世帯の増加  4.痴呆老人の増加  (解答1)  (第7回 問題9) 問題143 我が国の2010年の老年人口割合で正しいのはどれか。  1.約14%  2.約19%  3.約23%  4.約28%  (解答3)  (解説)  2019年における老年人口の割合は28.4%である。  老年人口(高齢者人口):総務省統計局は2019年9月15日、敬老の日を迎えるに当たって、高齢者の人口推計(9月15日現在)など「統計からみた我が国の高齢者」を発表した。これによると高齢者人口は3,588万人。日本の総人口の28.4%で、前年から32万人、0.3ポイント増加し、人口、人口割合ともに過去最高を記録した。)  (第21回 問題6) 第8章 感染症対策) 問題144 院内感染防止のために医療者がすべきことで最も重要なのはどれか。  1.マスク着用  2.手洗い  3.うがい  4.白衣着用  (解答2)  (第18回 問題8) 問題145 我が国の院内感染で問題となっている病原体はどれか。  1.破傷風菌  2.日本脳炎ウイルス  3.鳥インフルエンザウイルス  4.MRSA  (解答4)  (第23回 問題11) 問題146 空気感染対策が有効なのはどれか。  1.赤痢  2.コレラ  3.結核  4.ポリオ  (解答3)  (第29回 問題10) 問題147 感染症法(感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律)で1類感染症はどれか。  1.重症急性呼吸器症候群(SARS)  2.エボラ出血熱  3.後天性免疫不全症候群(AIDS)  4.コレラ  (解答2)  (第19回 問題8) 問題148 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(感染症法)に定められた感染症で致命率が最も高いのはどれか。  1.エボラ出血熱  2.中東呼吸器症候群(MERS)  3.腸管出血性大腸菌感染症  4.デング熱  (解答1)  (解説)  エボラ出血熱は、フィロウイルス科エボラウイルス属のウイルスを病原体とする急性ウイルス性感染症。ラッサ熱、マールブルグ病、クリミア・コンゴ出血熱と並ぶ、ウイルス性出血熱の一つ。ヒトにも感染し、感染後の治療開始が遅れると致死率は50-80%に上るとされ、非常に高い。現在では、エボラ出血熱患者が必ずしも出血症状を呈するわけではないことから、エボラ出血熱に代わってエボラウイルス病(英: Ebola virus disease;EVD)と国際的に呼称されている。)  (第28回 問題10) 問題149 2類感染症に含まれないのはどれか。  1.コレラ  2.腸チフス  3.アメーバ赤痢  4.急性灰白髄炎  (解答3)  (第13回 問題8) 問題150 予防接種法による二類疾病はどれか。  1.日本脳炎  2.風疹  3.破傷風  4.インフルエンザ  (解答4)  (解説)  現在では、定期予防接種における1類・2類疾病の分類に変わり、A類・B類疾病の分類となっている。 ※予防接種:定期予防接種と任意予防接種がある。定期予防接種には、集団予防を目的とするA類と、個人予防を目的とするB類とがある。 (1)定期予防接種 (A類疾病)  ・4種混合ワクチン(DTPーIPVワクチン=ジフテリア・破傷風・百日咳・不活化ポリオ)  ・二種混合(MR)ワクチン=(麻疹・風疹)  ・日本脳炎ワクチン  ・B型肝炎ワクチン  ・結核(BCG)ワクチン  ・ヒブワクチン  ・小児用肺炎球菌ワクチン  ・水痘ワクチン  ・ヒトパピローマウイルスワクチン (B類疾病)  ・インフルエンザワクチン(高齢者が対象)  ・成人用肺炎球菌ワクチン(高齢者が対象) (2)任意予防接種  ・ロタウイルスワクチン  ・流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)ワクチン  ・インフルエンザワクチン  ・A型肝炎ワクチン  ・髄膜炎菌ワクチン等。)  (第15回 問題8) 問題151 4類感染症はどれか。  1.細菌性赤痢  2.コレラ  3.腸管出血性大腸菌感染症  4.狂犬病  (解答4)  (第14回 問題7) 問題152 後天性免疫不全症候群は感染症法(感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律)で何類に分類されているか。  1.2類  2.3類  3.4類  4.5類  (解答4)  (第20回 問題6) 問題153 五類感染症はどれか。  1.急性灰白髄炎  2.後天性免疫不全症候群  3.ジフテリア  4.腸管出血性大腸菌感染症  (解答2)  (第22回 問題8) 問題154 再興感染症はどれか。  1.SARS  2.エボラ出血熱  3.ウエストナイル熱  4.結核  (解答4)  (解説)  再興感染症とは、予防接種や抗生物質の発達によって一時は減少していた感染症が、病原体や環境の変化に伴って再び患者数が増加してきた疾患である。その代表的なものに結核、マラリア等がある。)  (第27回 問題10) 問題155 後天性免疫不全症候群について感染の危険性があるのはどれか。  1.汗  2.涙  3.唾液  4.母乳  (解答4)  (第21回 問題5) 問題156 人畜共通感染症(人獣感染症)でないのはどれか。  1.ポリオ  2.狂犬病  3.結核  4.日本脳炎  (解答1)  (第16回 問題7) 問題157 性行為感染症でないのはどれか。  1.エイズ  2.尖圭コンジローマ  3.クラミジア感染症  4.A型肝炎  (解答4)  (第14回 問題6) 問題158 予防接種に生菌ワクチンが使用されているのはどれか。  1.麻疹  2.破傷風  3.ジフテリア  4.インフルエンザ  (解答1)  (解説)  ワクチンには以下に示す種類がある。  ①弱毒生菌ワクチン(弱毒生ワクチン):風疹、麻疹、黄熱、ムンプス(流行性耳下腺炎)、水痘、BCG(結核)  ②死菌ワクチン(不活化ワクチン):日本脳炎、A型肝炎、B型肝炎、コレラ、狂犬病、インフルエンザ、百日咳、ポリオ  ③トキソイド(無毒化毒素):破傷風、ジフテリア)  (第16回 問題10) 問題159 予防接種に生ワクチンを使用するのはどれか。  1.麻疹  2.百日咳  3.日本脳炎  4.肺炎球菌  (解答1)  (第25回 問題9) 問題160 我が国で予防接種が行われていないのはどれか。  1.後天性免疫不全症候群  2.水痘  3.麻疹  4.結核  (解答1)  (第22回 問題10) 問題161 疾病と感染経路との組み合わせで誤っているのはどれか。  1.インフルエンザ ーー 飛沫感染  2.風疹 ーー 胎盤感染  3.破傷風 ーー 経口感染  4.エイズ ーー 性行為感染  (解答3)  (第7回 問題5) 問題162 血液を介して感染する疾患はどれか。  1.インフルエンザ  2.C型肝炎  3.赤痢  4.結核  (解答2)  (第5回 問題7) 問題163 体液を介して感染する疾患はどれか。  1.腸チフス  2.B型肝炎  3.破傷風  4.コレラ  (解答2)  (第22回 問題9) 問題164 エイズについて誤っている記述はどれか。  1.我が国の患者数は増加している。  2.感染はウイルスによる。  3.世界では北アメリカ地域の患者数が最も多い。  4.感染症法の対象疾患である。  (解答3)  (解説)  世界におけるエイズ患者が最も多いのは、南アフリカ地域である。)  (第16回 問題3) 問題165 蚊が媒介する感染症はどれか。  1.腸チフス  2.ペスト  3.日本脳炎  4.エイズ  (解答3)  (第8回 問題6) 問題166 ダニ以外で媒介される疾患はどれか。  1.ツツガムシ病  2.重症熱性血小板減少症候群  3.日本脳炎  4.日本紅斑熱  (解答3)  (第22回 問題4) 問題167 蚊が媒介する感染症はどれか。  1.マラリア  2.赤痢  3.コレラ  4.麻疹  (解答1)  (第11回 問題8) 問題168 垂直感染を起こさないのはどれか。  1.A型肝炎  2.B型肝炎  3.エイズ  4.トキソプラズマ症  (解答1)  (第15回 問題9) 問題169 感染症について正しい組合せはどれか。  1.狂犬病 ーー リケッチア  2.コレラ ーー 細菌  3.百日咳 ーー ウイルス  4.日本脳炎 ーー 細菌  (解答2)  (第13回 問題7) 問題170 ウイルス性の経口感染症はどれか。  1.麻疹  2.コレラ  3.ポリオ  4.赤痢  (解答3)  (第15回 問題4) 問題171 ウイルスが原因となる疾病はどれか。  1.淋病  2.発疹チフス  3.ジフテリア  4.エイズ  (解答4)  (第6回 問題9) 問題172 ウイルスによる感染症はどれか。  1.百日咳  2.マラリア  3.オウム病  4.エボラ出血熱  (解答4)  (解説)  1.百日咳は百日咳菌  2.マラリアは原虫  3.オウム病はオウム病クラミジア  4.エボラ出血熱はフィロウイルス科に属すエボラウイルス によっておこる。)  (第17回 問題9) 問題173 ウイルスと疾病との組合せで誤っているのはどれか。  1.ヘルペスウイルス ーー 帯状疱疹  2.ノロウイルス ーー 食中毒  3.アデノウイルス ーー 流行性角膜炎  4.ライノウイルス ーー 手足口病  (解答4)  (解説)  ・ライノウイルスはピコルナウイルス科、ライノウイルス属に属するRNA型ウイルスの総称で、いわゆる鼻かぜ、つまり軽度のかぜ症候群、上気道感染の原因ウイルスである。  ・手足口病は、口腔粘膜および手や足などに現れる水疱性の発疹を主症状とする急性ウイルス性感染症で、夏季に流行する。原因はエンテロウイルスとコクサッキーウイルスである。患者のほとんどは小児で、5歳未満の小児が80%を占めるが、まれに成人にも感染する。)  (第18回 問題7) 問題174 DNAウイルスはどれか。  1.麻疹ウイルス  2.風疹ウイルス  3.B型肝炎ウイルス  4.エイズウイルス(HIV)  (解答3)  (解説)  ウイルスにはDNAウイルスと、RNAウイルスとがある。  ①DNAウイルス:EBウイルス、痘瘡(天然痘)ウイルス、サイトメガロウイルス、単純ヘルペスウイルス、パピローマウイルス、水痘ウイルス(帯状疱疹ウイルス)、アデノウイルス、B型肝炎ウイルス等。  ②RNAウイルス:風疹ウイルス、麻疹ウイルス、サーズウイルス、A型肝炎ウイルス、ノロウイルス、C型肝炎ウイルス、ポリオウイルス、インフルエンザウイルス、エイズウイルス(HIV)、ラッサ熱ウイルス、狂犬病ウイルス、成人T細胞白血病ウイルス、流行性耳下腺炎ウイルス(ムンプス)等。)  (第8回 問題9) 問題175 細菌感染症はどれか。  1.デング熱  2.マラリア  3.ハンセン病  4.SARS  (解答3)  (解説)  ハンセン病の原因は、らい菌である。)  (第24回 問題9) 問題176 真菌による疾患はどれか。  1.マラリア  2.カンジダ症  3.ウエストナイル熱  4.ツツガムシ病  (解答2)  (解説)  1.マラリアはマラリア原虫による感染症である。  3.ウエストナイル熱はウエストナイルウイルスによる感染症である。  4.ツツガムシ病はツツガムシが媒介するリケッチアによっておこる感染症である。 ※カンジダ症:真菌の一種のカンジダ属,特にカンジダ・アルビカンスの感染で起る病気の総称。おもに口腔,皮膚,爪,気管支,肺,腟などに病変を生じ,敗血症,心内膜炎を招くこともある。健康人に常在している菌であるが,免疫抵抗力が衰えたときなどに病原性を発揮し,いわゆる日和見感染症を起す。各種抗生物質の多用で細菌が死滅し,代りに真菌類が増殖するという菌交代現象で誘発されることが多い。)  (第17回 問題3) 問題177 リケッチア感染症はどれか。  1.梅毒  2.デング熱  3.ジフテリア  4.ツツガムシ病  (解答4)  (第26回 問題10) 問題178 病原微生物が関与する癌はどれか。  1.食道癌  2.肺癌  3.乳癌  4.肝細胞癌  (解答4)  (第12回 問題7) 問題179 伝染病で誤っている記述はどれか。  1.肺結核の届出は結核予防法による。  2.エイズの届出は性病予防法による。  3.コレラは検疫伝染病である。  4.B型肝炎は垂直感染する。  (解答2)  (第2回 問題3) 問題180 感染症と予防のための法律との組み合わせで誤っているのはどれか。  1.コレラ ーー 伝染病予防法  2.梅毒 ーー 性病予防法  3.結核 ーー 結核予防法  4.エイズ ーー 検疫法  (解答4)  (第3回 問題4) 問題181 疾病と法律との組み合わせで誤っているのはどれか。  1.風疹 ーー 予防接種法  2.エイズ ーー 性病予防法  3.コレラ ーー 伝染病予防法  4.食中毒 ーー 食品衛生法  (解答2)  (第4回 問題5) 問題182 新興感染症はどれか。  1.結核  2.エイズ  3.コレラ  4.マラリア  (解答2)  (解説)  新興感染症:最近新しく認知され、局地的にあるいは国際的に公衆衛生上の問題となる感染症である。 ※主に以下のような疾患が含まれる。  ・SARS(重症急性呼吸器症候群)  ・鳥インフルエンザ  ・ウエストナイル熱  ・エボラ出血熱  ・クリプトスポリジウム症  ・クリミア・コンゴ出血熱  ・後天性免疫不全症候群(HIV)  ・重症熱性血小板減少症候群(SFTS)  ・腸管出血性大腸菌感染症  ・ニパウイルス感染症  ・日本紅斑熱  ・バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌(VRSA)感染症  ・マールブルグ病  ・ラッサ熱)  (第10回 問題9) 問題183 地球上から根絶された感染症はどれか。  1.コレラ  2.破傷風  3.痘そう  4.ポリオ  (解答3)  (第25回 問題8) 第9章 消毒法) 問題184 理学的消毒法でないのはどれか。  1.乾熱滅菌  2.煮沸消毒  3.日光消毒  4.逆性石けんによる消毒  (解答4)  (第9回 問題10) 問題185 消毒法で誤っているのはどれか。  1.消毒法には理学的方法と化学的方法とがある。  2.逆性石けんは手指の消毒に用いられる。  3.クレゾール消毒はにおいも弱く手指の消毒に多用されている。  4.紫外線消毒は照射された表面だけに効果がある。  (解答3)  (第1回 問題8) 問題186 消毒法について正しい組み合わせはどれか。  1.紫外線 ーー 牛乳  2.日光 ーー カテーテル  3.煮沸 ーー ガラス器具  4.低温消毒 ーー 衣服  (解答3)  (第6回 問題10) 問題187 紫外線消毒の対象として適切でないのはどれか。  1.患者の皮膚  2.生鮮食料品  3.鍼  4.シーツ  (解答1)  (第7回 問題7) 問題188 消毒薬とその対象との組み合わせで正しいのはどれか。  1.消毒用エタノール ーー 排泄物  2.グルコン酸クロルヘキシジン ーー 手指  3.オキシドール ーー 金属器具  4.ヨードチンキ ーー 白衣  (解答2)  (第10回 問題10) 問題189 クレゾール石けん水について誤っている記述はどれか。  1.喀痰の消毒に使用する。  2.数日放置しても殺菌力は保たれる。  3.同じ濃度では石炭酸より殺菌力が強い。  4.臭気が強い。  (解答2)  (第8回 問題7) 問題190 ウイルスに対する効力が弱い消毒剤はどれか。  1.次亜塩素酸ソーダ  2.消毒用エタノール  3.ポピヨンヨード(イソジン)  4.グルコン酸クロルヘキシジン(ヒビテン)  (解答4)  (解説)  グルコン酸クロールヘキシジン(商品名 5%ヒビテン液):毒性が弱く、皮膚刺激性が少ないので医療界で最も広く使用されている消毒薬。 しかし、最近は粘膜の洗浄や傷口などに使用すると副作用が見られるので、もっぱら手指、器具の消毒に使用されている。  対象:手指、皮膚、器具  対象微生物:一般細菌、非発酵菌、真菌  使用濃度: 0.3~5%;手術用の手洗い、3~5回繰り返す 0.2~0.5%;器具 0.02~0.05%;手指 注:  ・緑膿菌など一部の非発酵菌、結核菌、芽胞、ウイルスには効力が弱い。  ・粘膜への使用はショック症状を起こすため禁止されている。)  (第7回 問題6) 問題191 芽胞の消毒に有効でないのはどれか。  1.エタノール  2.ホルムアルデヒド  3.次亜塩素酸ナトリウム  4.エチレンオキサイド  (解答1)  (解説)  芽胞は通常の細菌と比べて極めて高温に強く、100℃での煮沸によっても完全に不活化することが出来ない。芽胞を高温で完全に不活化するには、高圧蒸気滅菌器(オートクレーブ)処理(約2気圧の飽和水蒸気中で121℃15分以上)、乾熱処理(180℃30分あるいは160℃1時間以上)などの処理が必要である。また高温以外にも、消毒薬などの化学物質にも耐久性を示す。一般的な消毒薬では次亜塩素酸ナトリウム、ホルムアルデヒド(ホルマリン)等が有効な程度で、塩化ベンザルコニウム(オスバン液)、アルコール類等では不活化する事が非常に困難であり、確実に不活化するには最も強い消毒薬であるグルタラールを長時間接触させる必要がある。その他、エチレンオキサイドガスやホルムアルデヒドガスによるガス滅菌等が有効である。)  (第18回 問題9) 問題192 B型肝炎ウイルスの消毒に有効なのはどれか。  1.グルコン酸クロルヘキシジン  2.塩化ベンザルコニウム  3.ポビドンヨード  4.次亜塩素酸ナトリウム  (解答4)  (第15回 問題7) 問題193 結核の排菌患者が使用した食器の消毒で最も適切なのはどれか。  1.クロルヘキシジン  2.次亜塩素酸ナトリウム  3.煮沸消毒  4.低温殺菌  (解答3)  (第17回 問題10) 問題194 上水道の消毒方法はどれか。  1.塩素  2.トリハロメタン  3.煮沸  4.過酸化水素水  (解答1)  (第5回 問題4) 問題195 水道水の消毒に使われている方法はどれか。  1.塩素消毒  2.活性炭ろ過  3.トリハロメタン法  4.紫外線消毒  (解答1)  (第7回 問題4) 問題196 皮膚の消毒について適切でないのはどれか。  1.エタノール  2.逆性石けん  3.ホルマリン  4.ヨードチンキ  (解答3)  (第13回 問題9) 問題197 皮膚の消毒に用いないのはどれか。  1.アルコール類  2.塩素系消毒剤  3.ビグアナイド系消毒剤  4.ヨウ素系消毒剤  (解答2)  (解説)  塩素系消毒剤(次亜塩素酸ナトリウム等)は、腐食性で皮膚刺激が強く、損傷皮膚から吸収されやすいため、皮膚消毒には不適である。)  (第29回 問題6) 問題198 施術者の手指の消毒で誤っている記述はどれか。  1.逆性石けんを用いる。  2.刺鍼の場合は法律で規定されている。  3.機械的と化学的との二つの消毒法の組み合わせがよい。  4.エタノールを用いる場合は非乾燥状態がよい。  (解答4)  (第2回 問題4) 問題199 施術者の手指消毒に適切なのはどれか。  1.紫外線  2.オキシドール  3.70 % エタノール  4.エチレンオキサイドガス  (解答3)  (第32回 問題7) 問題200 鍼の消毒に適さないのはどれか。  1.高圧蒸気  2.エタノール  3.逆性石けん  4.エチレンオキサイドガス (EOG)  (解答3)  (第3回 問題6) 問題201 施術の消毒で誤っているのはどれか。  1.鍼は物理的消毒を行う  2.鍼のエチレンオキサイドガス(EOG)滅菌は消毒効果が長い  3.施術部位の消毒は辺縁部から中心部に向かって行う  4.刺鍼部位のアルコール綿での清拭は脱脂効果がある  (解答3)  (第4回 問題3) 問題202 滅菌に用いられるのはどれか。  1.アルコール  2.塩素ガス  3.高圧蒸気  4.紫外線  (解答3)  (解説)  高圧蒸気滅菌器(オートクレーブ)は、理学的消毒法の一つであり、滅菌に用いられる。以下に、その内容を記す。  対象物:手術用器具、3療器具、ガーゼ、包帯、培地類等。  対象微生物:全ての微生物が死滅する。  方法:高圧蒸気滅菌器を使用して、対象物を高圧蒸気下で滅菌する。  作用温度と時間:121℃15分である。)  (第26回 問題11) 問題203 滅菌に用いられるのはどれか。  1.グルタールアルデヒド(グルタラール)  2.ポビドンヨード  3.逆性石けん  4.オートクレーブ  (解答4)  (第27回 問題11) 問題204 鍼具の保存に使用されるのはどれか。  1.赤外線  2.紫外線  3.ガンマ線  4.エックス線  (解答2)  (第12回 問題9) 第10章 疫学) 問題205 疫学について誤っている組合せはどれか。  1.患者・対照研究 ーー 記述疫学  2.コホート研究 ーー 分析疫学  3.介入研究 ーー 実験疫学  4.ランダム化比較試験(RCT) ーー 臨床疫学  (解答1)  (解説)  患者(症例)対象研究は分析疫学に属する。 ※疫学の研究方法:疫学研究は,記述疫学による仮説の設定に始まり,分析疫学でその仮説の検証を行い、実験疫学で仮説の証明を行うという順序で進められる。  記述疫学と分析疫学は,調査対象の要因曝露を変更せずに,あるがままに観察する「観察研究」であり、実験疫学は研究者が調査対象に人為的に要因を与える「介入研究」である。  ①記述疫学:人間集団における疾病の疫学特性(発症頻度、分布、関連情報)を人、場所、時間別に詳しく正確に観察し、記述する研究である。研究結果に基づき、発生要因の仮説設定が行われる。  ②分析疫学:記述疫学などから得られた、関連があると疑われた要因(仮説要因)と疾病との統計学的関連を確かめ、要因の因果性を推定する方法である。仮説の検証を主な目的とする。記述疫学で明確にした4つのW(When, Where, Who, What)をもとに、Whyを追究する。 (分析疫学の種類)  ・症例対照研究:疾病の原因を過去にさかのぼって調べる方法  ・コホート研究:将来に向かって問題とする疾病の発生を観察する方法  ・横断研究:疾病と要因の保有状況を同時に調べる方法  ・生態学的研究:疾病と関連要因を地域または集団単位で検討する方法  ③介入研究:分析疫学によって疾病との因果関係の推理がなされた要因(危険因子/予防因子)について、これを慎重に除去/適用するなどの介入をして集団を一定期間観察し、疾病の増減を実験的に確かめる研究方法である。要因に対する介入(予防プログラムや治療法)が、疾病の予防や予後改善に有効であるか否かを確認する。分析疫学では研究者は対象者を観察するだけであるが、介入研究では研究者自身が積極的に介入を行う。  例えば、高コレステロール血症が冠動脈性心疾患の危険因子であることが明らかになった場合、血中の総コレステロールを下げるための食事指導(介入)をすることによって、冠動脈性心疾患の罹患率が低下するかを確認する必要がある。罹患率が低下した場合、食事指導(介入)が、冠動脈性心疾患の予防に有効であると考えられる。)  (第12回 問題6) 問題206 疫学研究における因果関係の判定基準で(時間的な関係)の内容はどれか。  1.高い相対危険である。  2.生物学的常識と矛盾しない。  3.複数の研究で同様な関連がみられる。  4.曝露が結果に先行している。  (解答4)  (第20回 問題7) 問題207 疫学指標について、横断調査により明らかになるのはどれか。  1.有病率  2.罹患率  3.死亡率  4.致命率  (解答1)  (第30回 問題7) 問題208 コホート研究で正しいのはどれか。  1.罹患率を求めることができる。  2.症例対照研究より研究期間が短い。  3.後ろ向き研究である。  4.まれな疾患を効率的に研究できる。  (解答1)  (解説)  コホート研究(前向き研究)とは、調査時点で、仮説として考えられる要因を持つ集団(曝露群)と持たない集団(非曝露群)を追跡し、両群の疾病の罹患率または死亡率を比較する方法である。また、どのような要因を持つ者が、どのような疾病に罹患しやすいかを究明し、かつ因果関係の推定を行うことを目的としている。追跡研究、前向き研究とも呼ぶ。この研究は信頼性の高い結果が得られるが、時間、費用、労力が必要となる。  例えば、大量喫煙者(曝露群)と非喫煙者(非曝露群)、各々10万人について10年間追跡調査を行い、肺がんのそれぞれの集団での罹患率を求める。集団間で罹患率に差があった場合、疫学の要因分析である相対危険度を算出する。この値が高いほど、喫煙と肺がんの発生との因果関係が強いことを意味する。)  (第21回 問題7) 問題209 喫煙群と非喫煙群とを10年間観察し、肺がんの発生率を比較した研究はどれか。  1.患者対照研究  2.コホート研究  3.ランダム化比較試験  4.介入研究  (解答2)  (第17回 問題4) 問題210 曝露群が非曝露群に比べて何倍疾病に罹りやすいかを示す疫学指標はどれか。  1.相対危険  2.寄与危険  3.寄与危険割合  4.集団寄与危険  (解答1)  (解説)  疫学における危険度の指標:主なものに相対危険度と、寄与危険度とがある。  ①相対危険度:疫学における指標の1つである。相対リスクとも呼ばれ、暴露群と非暴露群における疾病の頻度を比で表現したものである。そのまま比率として表すが、百分率で表す場合もある。相対危険度は暴露群の発生率を非暴露群の発生率で割ることにより求めることができ、暴露因子と疾病発生との関連の強さを示す指標となる。主にコホート研究で用いられる。また、症例対象研究では近似値として表現される。 (相対危険度)=(曝露群よりの発生率)÷(非曝露群よりの発生率) で求める。  ②寄与危険度:要因の曝露による疾病の発生率が、非曝露群の疾病の発生率に対して、どれだけ増加したかを示すものである。それぞれの発生率の差で求める。症例対象研究では計算できない。 (寄与危険度)=(曝露群よりの発生率)-(非曝露群よりの発生率) で求める。)  (第28回 問題11) 問題211 ある要因への曝露群と非曝露群の罹患率の差を評価する疫学指標はどれか。  1.寄与危険度  2.オッズ比  3.有病率  4.相対危険度  (解答1)  (第32回 問題9) 問題212 症例対照研究の利点はどれか。  1.情報の正確性が高い  2.まれな疾病にも対応できる  3.罹患率を求められる  4.交絡因子の影響を受けない  (解答2)  (解説)  症例対照研究(後ろ向き研究)とは、ある特定疾患に罹患している集団と、罹患していない健康な集団とについて、それぞれ各個人の疫学的要因を過去に逆のぼって研究する方法である。すなわち、疾病の原因を過去にさかのぼって探そうとする研究である。目的とする疾病(健康障害)の患者集団と、その疾病に罹患したことのない人の集団を選び、仮説が設定された要因に曝露されたものの割合を両群比較する。疾病の頻度が低く、症例が母集団の全患者を代表し、対照が母集団を代表する場合はオッズ比(相対危険の近似値)から因果関係の推定が可能である。 過去の記憶や資料からデータを集めるため、時間的には短く、費用もかからないが、偏りの無い母集団の選び方が難しいため信頼性が乏しい。)  (第19回 問題9) 問題213 喫煙が危険因子となる疾患はどれか。  1.結腸癌  2.食道癌  3.乳癌  4.白血病  (解答2)  (第10回 問題4) 問題214 食道がんの危険因子はどれか。  1.アルコール飲料  2.大豆製品  3.緑黄色野菜  4.果実  (解答1)  (第19回 問題10) 問題215 疾患と危険因子との組み合わせで正しいのはどれか。  1.コレラ ーー アルコール飲料  2.脚気 ーー 肥満  3.水俣病 ーー 有機水銀  4.先天奇形 ーー カドミウム  (解答3)  (第10回 問題5) 問題216 がんと危険因子との組合せで正しいのはどれか。  1.胃がん ーー 高蛋白食  2.乳がん ーー 授乳  3.子宮頸がん ーー ヒトパピローマウイルス  4.肺がん ーー 肥満  (解答3)  (第20回 問題9) 問題217 部位別がんで欧米より我が国の方が多いのはどれか。  1.皮膚癌  2.肝癌  3.大腸癌  4.乳癌  (解答2)  (第13回 問題5) 第11章 衛生統計と人口統計) 問題218 疫学について正しいのはどれか。  1.罹患率はある時点のその疾病の有無の率である。  2.有病率はある期間内の疾病の発生の率である。  3.合計特殊出生率は1人の女性が一生の間に産む子供の数の指標である。  4.国勢調査は7年に1回行われる。  (解答3)  (第24回 問題4) 問題219 人口ピラミッドの類型で最も人口減少が予測されるのはどれか。  1.富士山型  2.ピラミッド型  3.つぼ型  4.はこ型  (解答3)  (解説)  つぼ型は、日本など、少子・高齢化が進んだ国に多い型であり、最も人口減少が予測される型である。 ※人口ピラミッド:人口の男女別・年齢別構成を比較する場合に用いられるもので,0歳を基底にし,順次高年齢を上にピラミッドのように積上げたグラフである。 このグラフの型により、以下のように区分される。  ①ピラミッド型(富士山型):14歳以下の人口の割合が高く、65歳以上の人口の割合が低い。子どもがたくさん生まれるが、死亡率も高い。発展途上国に多い型。  ②釣鐘型:14歳以下の人口の割合が低く、65歳以上の人口の割合は、つぼ型より低い。人口があまり増減せず、安定する型。  ③つぼ型:14歳以下の人口の割合が低く、65歳以上の人口の割合が高い。日本など、少子・高齢化が進んだ国に多い型。  ④星型:都市に特有の,20歳前後の年齢層人口が著しく多い型。  ⑤ひょうたん型:20歳前後と0~4歳の年齢層人口の少い型で、農村に多くみられる。 ※つりがね型とつぼ型を見分けるポイント:人口ピラミッドの頂上に着目すること。  ・つりがね型:人口ピラミッドの頂上はとがり気味(富士山型に近い)。65歳以上の人口の割合は、つぼ型よりも低いため。  ・つぼ型:人口ピラミッドの頂上が平たくなっている。平均寿命が長く、80歳以上の人口も多いため。)  (第15回 問題6) 問題220 全国民を調査対象とするのはどれか。  1.感染症発生動向調査  2.国勢調査  3.国民生活基礎調査  4.国民栄養調査  (解答2)  (第12回 問題3) 問題221 人口静態統計で調べる項目はどれか。  1.人口  2.死亡  3.出生  4.結婚  (解答1)  (解説)  人口静態統計とは、一定の日時の、その瞬間(時間を止めた状態)において調査した人口の状態に関する統計である。途上国を除いた世界各国で行われている調査で、我が国では国勢調査と呼ばれている。 国勢調査とは、政府が全国民について調査を行い、総務省統計局が集計する。 西暦年の末尾が0の年、すなわち10年ごとに大規模な本調査が、又その間の末尾5の年に簡易調査が行われる。 調査内容は氏名、性別、世帯主との続柄、世帯数、出生年月、配偶者の有無、国籍、住居の種類、部屋の広さ、事業所の名称、種類その他25項目に渡っている。 本調査は人口の構造変化及び、地域分布、保健対策等の基礎資料が得られる他、統計学上の母集団となるので重要である。)  (第26回 問題7) 問題222 総務省が実施する調査はどれか。  1.国勢調査  2.人口動態調査  3.国民生活基礎調査  4.国民健康・栄養調査  (解答1)  (第29回 問題7) 問題223 人口動態統計で人口を分母としないのはどれか。  1.出生率  2.死亡率  3.有病率  4.周産期死亡率  (解答4)  (解説)  周産期死亡率では、出生数を分母とする。 ※周産期死亡:妊娠満22週以後の死産(後期死産)及び出生後1週未満の早期新生児死亡のことで、母体の健康状態に左右されることから、母体と胎児の健康に与える影響の指標とされている。 (周産期死亡率)={(後期死産数)+(早期新生児死亡数)}÷(出生数)×1000  (第2回 問題8) 問題224 人口動態統計で示される指標はどれか。  1.健康寿命  2.有訴者率  3.離婚件数  4.通院者数  (解答3)  (第31回 問題10) 問題225 年末の登録結核患者数を分子とし人口を分母とする指標はどれか。  1.有病率  2.罹患率  3.受療率  4.受診率  (解答1)  (解説)  年末という、ある1時点における結核患者の人口に対する割合を示すものは有病率である。罹患率が観察期間を考慮に入れた指標であるのに対して、有病率はある一時点での疾病の頻度を示す。  ・有病率:一時点における患者数の、単位人口に対する割合である。ある時点、ある地域内の全患者数をその地域の人口で割った値。疾病の頻度をあらわす指標のひとつであり、単位人口10万人当たりであらわすことが多い。 (有病率)=(ある時点、ある地域内の全患者数)÷(その地域の人口)×100,000  (第21回 問題4) 問題226 分母が人口でないのはどれか。  1.出生率  2.乳児死亡率  3.婚姻率  4.離婚率  (解答2)  (解説)  乳児死亡率では、出生数を分母とする。 ※乳児死亡:生後1年未満を乳児死亡と呼ぶ。さらに、生後から死亡するまでの期間によって、新生児死亡(28日未満の死亡)、早期新生児死亡(1週未満の死亡)などと区分している。これらの率は一般に出生1000対で表され、それぞれ乳児死亡率、新生児死亡率、早期新生児死亡率という。これらは母体の健康状態・養育の条件に影響を受ける。 (乳児死亡率)=(ある1年間に発生する1歳未満の死亡数)÷(その年の出生数)×1000 乳児死亡率は地域の衛生状態や生活水準の指標となる。)  (第22回 問題5) 問題227 我が国の衛生統計で正しい記述はどれか。  1.感染症による死亡が総死亡の中で最も多い。  2.有訴者の90%以上が通院している。  3.出生率は年々低下している。  4.自然死産は人工死産よりも多い。  (解答3)  (第3回 問題10) 問題228 我が国の衛生統計で誤っている記述はどれか。  1.人口ピラミッドとは人口を性別、年齢別に積み重ねたグラフである  2.平均寿命とは0歳の平均余命のことである  3.出生率は人口動態統計の一つである  4.老年人口の割合は20%を超えている  (解答4)  (解説)  老年人口(高齢人口)とは、人口統計において、65歳以上の人口のことである。  日本の総人口が減少する中で、高齢者人口は3588万人と過去最多となり、総人口に占める割合は28.4%と過去最高となっている。  日本の総人口(2019年9月15日現在推計)は、前年に比べ26万人減少している一方、65歳以上の高齢者人口は、3588万人と、前年(3556万人)に比べ32万人増加し、過去最多となっている。総人口に占める割合は28.4%と、前年(28.1%)に比べ0.3ポイント上昇し、過去最高となった。  男女別にみると、男性は1560万人(男性人口の25.4%)、女性は2028万人(女性人口の31.3%)と、女性が男性より468万人多くなっている。)  (第4回 問題4) 問題229 我が国の衛生統計で正しいのはどれか。  1.平均寿命は男女とも世界第1位である。  2.有病者数の第1位は糖尿病である。  3.人口は男性の方が多い。  4.出生数は女児の方が多い。  (解答1)  (第5回 問題6) 問題230 最近の我が国の衛生統計で誤っている記述はどれか。  1.乳児死亡率は世界最低水準にある。  2.女性の平均寿命は80歳を超えている。  3.人口は減少しつつある。  4.都市人口は50%を超えている。  (解答3  (解説)  日本では2006年から人口が減少に転じて、現在も減少し続けている)  (第7回 問題8) 問題231 我が国の最近の衛生統計で誤っている記述はどれか。  1.人口は減少しつつある。  2.乳児死亡率は世界最低水準にある。  3.女性の平均寿命は80歳を超えている。  4.離婚件数は増加しつつある。  (解答1)  (第9回 問題6) 問題232 我が国の最近の保健統計で正しい記述はどれか。  1.人口は減少し始めた。  2.人口は男性よりも女性の方が多い。  3.出生率は世界で高い方である。  4.死亡率は低下している。  (解答2)  (第11回 問題4) 問題233 調査した日の通院患者数がわかるのはどれか。  1.国勢調査  2.人口動態調査  3.国民生活基礎調査  4.国民健康・栄養調査  (解答3)  (解説:国民生活基礎調査は保健、医療、福祉、年金、所得など国民生活の基礎的事項を調査するもの。有訴者率や通院率が分かる。)  (第18回 問題10) 問題234 我が国の国民の1日平均歩数に関する公的統計を公表している調査はどれか。  1.国勢調査  2.人口動態調査  3.国民生活基礎調査  4.国民健康・栄養調査  (解答4)  (解説:国民健康・栄養調査は、健康増進法に基づく調査で、身体の状況、栄養摂取量及び生活習慣の状況について調べる。)  (第31回 問題8) 問題235 我が国の2014年の患者調査で医療機関を受診している総患者数が最も多いのはどれか。  1.高血圧性疾患  2.糖尿病  3.脳血管疾患  4.悪性新生物  (解答1)  (第27回 問題6) 問題236 2019年度学校保健統計調査において中学生・高校生で被患率が最も高いのはどれか。  1.むし歯  2.裸眼視力1.0未満  3.鼻・副鼻腔疾患  4.ぜん息  (解答2)  (解説) 文科省・学校保健統計によると、令和元年の中、高校生の疾患の罹患率で 中学生は、1位が裸眼視力1.0未満、57.47%、2位がう歯34.0%である。 高校生は、1位が裸眼視力1.0未満、67.64%、2位がう歯43.68%である。  (第30回 問題6) 問題237 我が国の人口指数で最も高いのはどれか。  1.年少人口指数  2.老年人口指数  3.従属人口指数  4.老年化指数  (解答4)  (解説)  にほんでは、少子・高齢化が急激に進んでいるため、老年化指数が非常に高い。 ※年齢構造に関する人口指数  ①年少人口指数 = (15歳未満人口)÷(15~64歳人口)×100  ②老年人口指数 = (65歳以上人口)÷(15~64歳人口)×100  ③従属人口指数 = (15歳未満人口+65歳以上人口)÷(15~64歳人口)×100  ④老年化指数 = (65歳以上人口)÷(15歳未満人口)×100  (第15回 問題10) 問題238 我が国の人口統計について正しいのはどれか。  1.国勢調査は人口動態統計である。  2.死亡診断書は死因統計の基礎データとなる。  3.生後4週未満の死亡統計から乳児死亡率を算出できる。  4.死因統計はICFに従って分類される。  (解答2)  (解説)  ・生後1年未満の死亡統計から乳児死亡率を算出できる。  ・死因統計は、世界保健機関(WHO)の国際疾病障害死因分類(ICD)の規則に従って分類される。 ※死因統計:医師が記載する死亡診断書の情報を厚生労働省で収集して、死因統計が作成される。死亡診断書には死因が記載され、世界保健機関による国際疾病障害死因分類(ICD)の規則によって、原死因が決定される。原死因の定義は直接に死亡を引き起こした一連の事象の起因となった疾病または損傷である。たとえば、糖尿病に罹患した人が、その管理が不十分で心不全により死亡した場合、その原死因は心不全ではなく糖尿病である。)  (第25回 問題10) 問題239 女性の平均寿命が最も長い国はどれか。  1.日本  2.アメリカ合衆国  3.カナダ  4.フランス  (解答1)  (第11回 問題3) 問題240 合計特殊出生率について誤っている記述はどれか。  1.15~49歳女性の年齢別出生率を合計し、1人当たりにした値である。  2.将来の人口の増減を予測する指標である。  3.我が国では減少傾向を示している。  4.合計特殊出生率は粗出生率より高い。  (解答4)  (解説)  日本における2019年の合計特殊出生率は1.36、粗出生率は7.0であった。したがって、合計特殊出生率は粗出生率より低い。 ※合計特殊出生率:1人の女性が一生の間に出産した男女を含む平均の子供の数。年齢ごとに区分された女子人口に対する出生数の比率を年齢別出生率といい,合計特殊出生率は 15~49歳の年齢別出生率の合計である。  出生率としては,人口1000人あたりの1年間の出生数の割合である普通出生率(粗出生率)なども使用されるが,普通出生率は性別や年齢のかたよりなど人口構成の影響を受けるため,再生産年齢人口(出産可能な年齢の人口。一般に 15~49歳とされる)の実質的な出生力をはかる指標として合計特殊出生率が用いられる。  日本における2019年の出生数は86万5234人で、前年の91万8400人より5万3166人減少し、合計特殊出生率も1.36と、前年から0.06ポイント下がり、4年連続の低下であった。また、粗出生率(人口1000対)は7.0で、前年の7.4より低下している。)  (第14回 問題9) 問題241 死亡率が増加している疾患はどれか。  1.子宮癌  2.胃癌  3.肺癌  4.白血病  (解答3)  (第4回 問題8) 問題242 我が国の死亡原因で最も多いのはどれか。  1.感染症  2.成人病  3.外因死  4.妊産婦および乳児の疾患  (解答2)  (解説) ※日本の死亡数・死因順位(2019年)  死亡数は138万1098人で、前年の136万2470人より1万8628人増加し、粗死亡率(人口1000対)は11.2で、前年の11.0より上昇している。  死因別にみると、  ①1位:悪性新生物(全死亡者に占める割合は27.3%)  ②2位:心疾患(高血圧性を除く)(同15.0%)  ③3位:老衰(同8.8%)  ④4位:脳血管疾患7.7%  ⑤5位:肺炎6.9% 死亡者のおよそ3.7人に1人は悪性新生物が死因となっている。)  (第5回 問題10) 問題243 乳児死亡について正しいのはどれか。  1.生後1週未満の死亡  2.生後4週未満の死亡  3.生後1年未満の死亡  4.生後5年未満の死亡  (解答3)  (第13回 問題10) 問題244 乳児死亡について正しい記述はどれか。  1.生後1週未満の死亡を早期新生児死亡という。  2.生後6週未満の死亡を新生児死亡という。  3.乳児死亡の原因で最も多いのは乳幼児突然死症候群である。  4.新生児死亡数より早期新生児死亡数のほうが多い。  (解答1)  (解説)  新生児死亡:生後4週間未満の乳児の死亡をいう。このうち,生後1週間未満の死亡を特に早期新生児死亡といい,周産期の死亡を考える際の指標となっている。)  (第20回 問題5) 問題245 我が国の人口動態統計で乳児死亡の原因として最も多いのはどれか。  1.転落  2.窒息  3.乳幼児突然死症候群  4.先天異常  (解答4)  (第19回 問題7) 問題246 最近の乳児死亡率が最も低い国はどれか。  1.アメリカ合衆国  2.スウェーデン  3.イギリス  4.日本  (解答4)  (第17回 問題5) 問題247 乳児死亡率を表す式はどれか。  1.(生後1年未満の死亡数の合計)÷(人口)×1000  2.(生後1年未満の死亡数の合計)÷(その年の出生数の合計)×1000  3.(生後1年未満の死亡数の合計)÷(その年の出産数の合計)×1000  4.(死産数の合計)÷(生後1年未満の死亡数の合計)×1000  (解答2)  (第21回 問題10) 問題248 我が国における平成24年の乳児死亡の原因で最も多いのはどれか。  1.先天奇形  2.悪性新生物  3.不慮の事故  4.乳幼児突然死症候群  (解答1)  (解説)  令和1年(2019年)における乳児死亡原因の第1位は「先天奇形,変形及び染色体異常」であった。同年の人口動態統計によると、乳児死亡数の死因別構成割合では、男女とも「先天奇形,変形及び染色体異常」の占める割合が多くなっている。 ※乳児死亡の死因順位: (年齢(5歳階級)別死因順位:2017年 人口10万対)  1位:先天奇形,変形及び染色体異常(67.1)  2位:周産期に特異的な呼吸障害等(24.9)  3位:不慮の事故(8.1)  4位:乳幼児突然死(7.3)  5位:胎児及び新生児の出血性障害等(6.8)  (第24回 問題8) 問題249 地域の衛生状態や生活水準の影響を最も反映しやすい母子保健統計の指標はどれか。  1.乳児死亡率  2.死産率  3.妊産婦死亡率  4.周産期死亡率  (解答1)  (解説)  乳児死亡:生後1年未満を乳児死亡と呼び、生後から死亡するまでの期間によって、新生児死亡、早期新生児死亡などと区分している。  これらは母体の健康状態・養育の条件に影響を受けることから、乳児死亡率は地域の衛生状態や生活水準の指標となる。 (乳児死亡率)=(ある1年間に発生する1歳未満の死亡数)÷(その年の出生数)×1000  (第29回 問題9) 問題250 欧米と比較して日本人の死亡率が高いのはどれか。  1.乳がん  2.大腸がん  3.胃がん  4.肺がん  (解答3)  (第17回 問題8) 問題251 我が国の最近の癌死亡率で著しく減少しているのはどれか。  1.肺癌  2.胃癌  3.肝癌  4.大腸癌  (解答2)  (第9回 問題8) 問題252 我が国の最近の女性のがんの年齢調整死亡率で増加傾向にないのはどれか。  1.大腸がん  2.乳がん  3.肺がん  4.食道がん  (解答1または3または4)  (第20回 問題8)