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システム化学科
【学科紹介】
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【進路先(過去3年間)】

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【学習内容】

 システム化学科は、「 化学 」を中心にしてものづくりを学ぶ学科です。身に付けた知識・技術を活用して工業技術の発展に貢献できる技術者の育成を目指します。
 特徴的な科目として、「 工業化学 」、「 化学工学 」、「 地球環境化学 」があります。

【1】
工業化学
 化学の基礎知識をはじめ、化学的な概念・原理について理解し、それらが工業とどのような関係があるのかを学びます。材料や化学製品を製造する力の習得を目指します。

キーワード: 物質変化 元素の性質 化学結合 化学工業製品 エネルギー 石油
         金属 セラミックス 高分子 バイオテクノロジー 医薬品 物質の取扱い


[工業化学の教科書]

【2】
化学工学
 化学製品の製造に必要な単位操作や計測・制御の原理、安全管理について理解し、それに関連する知識・技術を学びます。また、近隣企業への見学を通じて、学習内容が実際にどのように活用されているのか学ぶことで、化学製品を製造する力の習得を目指します。

キーワード: 化学工場 化学プラント 物質・エネルギー収支 単位操作 計測・制御
         熱伝導 化学工場の管理と安全


[化学工学の教科書(左)  工場見学の様子(右)]


【3】
地球環境化学
 
資源やエネルギーの有効利用や化学技術を活用した環境保全について理解し、これらに関する知識・技術について学びます。化学技術を活用して環境の保全に貢献する力の習得を目指します。

キーワード: 物質の循環 環境問題  資源とエネルギー 環境分析 環境評価
         廃棄物 リサイクル 持続可能な社会構築


[地球環境化学教科書(左)  海洋プラスチックゴミの分別作業の様子(右)]


【化学体験教室(出前授業)】

 システム化学科では、学んだ化学の知識を生徒みずからが活用し、小さな子供たちに化学を使ったものづくりの楽しさ・おもしろさを伝える化学体験教室に力をいれています。

【1】
ジェルキャンドルづくり
  透明パラフィンを使った透明ろうそく作りです。ろうそくとしての機能はもちろんありますが、どちらかというとインテリアの要素が強いかもしれません。


【2】
アルミはんこづくり
 アルミニウムの板からハンコを作ります。アルミ板の表面を化学薬品で処理することで、凹凸を付けてハンコにします。字はもちろんのこと簡単なキャラクターもハンコにできます。


【3】
プラ板で昆虫彩集
 プラ板で昆虫標本をつくります。プラ板に昆虫の絵や写真を複写し、画することで本物に見える昆虫標本を作ります。標本は昆虫標本としてだけでなく、ストラップやピンバッチ等に加工するような楽しみ方もあります。


ここに紹介した以外にも多くの体験メニューがあります。

システム化学科では、上に記載したような出前授業・出前講座を行っております。

化学体験教室にご興味・関心のある方は、お気軽にご相談ください


連絡先 ⇒ 下のE-mailアドレスより 「 吉原工業高等学校 システム化学科 宛」

バーチャルツアーリンク

化学体験教室(ボランティア活動)
海洋プラスチックゴミの実態調査と地域清掃ボランティア活動

 令和2年7月1よりレジ袋の有料化義務化が始まりました。これは「普段何気なくもらっているレジ袋を有料化することで、それが本当に必要かを考えて、私たちのライフスタイルを見直すきっかけとすること(環境省HPより抜粋)」が目的です。レジ袋をはじめとするプラスチックは、我々の生活を豊かにするために必要不可欠なものでありますが、同時に多くの問題を抱えています。 特に、「海洋プラスチックゴミ問題」は海洋生物に様々な悪影響を与えるとも言われており、今注目すべき環境問題の一つです。 プラスチック(高分子化合物)は、化学を専門とするシステム化学科では必ず学習する内容です。そのためこの問題をシステム化学科で注視するべき問題として認識しています。

 7月23日(木)海の日に、システム化学科では海洋プラスチックゴミの実態調査と海岸清掃を兼ねたボランティア活動を田子の浦港周辺の海岸で行いました。生徒23人(数理工学科からも1人の生徒が参加してくれました)と教員2人の計25人で40分程の活動でしたが、45 Lゴミ袋で約20袋ものゴミを回収することができました。プラスチックゴミの中には、処分が困難なものもあり、回収を諦めたものもありました。

 参加した生徒は、「単純にゴミが多いことに驚いた」、「海岸がこんなに汚いとは思わなかった」、「今度釣りに行ったときは、周りのゴミも拾って帰りたい」など、様々な感想をもったようです。
 回収したプラスチックゴミは、後日、地球環境化学の授業で分別・調査を行う予定です。





地球環境化学
海洋プラスチックゴミの調査

 7月23日海の日に田子の浦港周辺で回収したプラスチックゴミの分別・状況分析作業を地球環境化学の授業で行いました。
 どのように分別すれば海洋プラスチックゴミの実態把握ができるのか。ゴミ回収作業に参加した生徒が中心となって事前に議論し、飲料容器や日用品類などおおまかに13品目に分別を行いました。





 回収されたプラスチックゴミの総量は28.11 kgで、特に500 mL以下のペットボトルが多く、重量全体の40.3%にあたる11.34 kgもあることがわかりました。ペットボトル1本の重さは20~50 g程度と言われていますので、その平均値35 gで計算すると約320本にもなります。一方で、7月1日より有料化されたレジ袋のプラスチックゴミですが、回収されたレジ袋は全体の0.2%の0.06 kgしかありませんでした。なんとなくレジ袋のゴミが多そうだと考えていた私たちでしたが、実際の状況は予想と大きく違っていました。



 

 さらに分別した各プラスチックゴミを観察することで、そのゴミについて理解できることはないか分析し・考察を行いました。





【ペットボトルのゴミ】

 全体的にラベルの損傷が激しい一方で、容器やフタはそこまで傷ついていない。また、ラベルに記載された賞味期限から推測すると、古いものでは3年程海に漂っていたと考えれるものもある。

【発泡スチロール類】

 もとの形をとどめていないものが多い。外見が汚れていて、かなり古いと考えられるものでも、内側は新品のような状態をしている。そのため
外側から細かく砕けていくと考えられる。
【玩具類】

 2つのゴミのルーツがあるのではないか。①成り行きでゴミとなったと考えられるもの(ボールやバドミントンのシャトル等)
。②誰かがわざと廃棄したもの(人形やプラモデル等)。他のプラスチックゴミに比べて、とくに①の「成り行きでゴミとなったもの」が多い可能性があるのではないか。

ここで出された意見が正しいのか、間違っているのかについては判断が出来ません。しかしながら、それぞれが身近なゴミついて真剣に考えることで身の回りの環境に対する意識が少し高まったと思います。


今後もシステム化学科では、海洋プラスチックゴミの実態調査を続けて行きます。

反応速度定数の測定(3年生_実習3)
反応速度定数の測定

3年生で行う実習では、1年生、2年生で学習して身に付けた知識・技能、そして学校生活のなかでクラスメイトと築いたチームワークを活用して活動を行うようになります。

特に今回紹介する「 反応速度定数の測定 」は、システム化学科で行う実習のなかでもこれらの要素が高く求められる難易度が高いものになります。




↑実習のタイムラプス動画




※うまく動画が見れないときは、こちらをクリック!このリンクから御覧ください。


このグループでは、下記のように役割分担をして作業をしています。

左側の生徒 ⇒ 器具の洗浄
左中の生徒 ⇒ 滴定操作、測定試料の採取
右中の生徒 ⇒ 滴定測定の準備、薬品の補充
右側の生徒 ⇒ タイムキーパー、測定値の記録

チームで話し合って役割を決めているので、それぞれが得意な部分を担当しています。

もしかしたら、「 器具の洗浄 」だけの生徒は、作業が簡単で少しサボり気味だと思う人もいるかもしれません。

しかしそれは大きな間違いです。
化学実験で正確な測定結果を得るためには、「 器具が汚れていないこと 」は大前提です!

より正確な実験データをえるためには「 正しい方法で確かな器具洗浄 」を行う技術が必須になります。しかもこの実験では、決まった時間に測定を行わなければならないので時間も気にしながら作業をしなくてはいけません。

「器具を洗浄する技術」もシステム化学科で身に付ける重要な技術です。

このことを頭の隅に置きながら動画を見ていただけると幸いです。

ガラス器具の取り扱い方法(1年_工業技術基礎_科別実習)
ガラス器具の取り扱い方

2年次から所属する学科が正式に決定すると、1年生でも科別に工業技術基礎での実習が行われます。

システム化学科では2年次から始まる本格的な実習に備えて、
「ガラス器具や試薬の取り扱い方法」、「測定データのまとめ方」などを学ぶための実習が行われます。これらは化学実験の基礎基本となる知識・技能となるため、1つずつ確実に学んで行くことが大切です。

ここで紹介する実習では、

ガラス器具の実物を見ながら名前を確認したり、ガラス器具ごとの正しい取り扱い方法、試薬を量り取る方法について学びます。

特に「ガラス器具の洗浄方法」 は、化学実験を安全で正確に行うためには必須となる知識・技能になります。


  
図1 ビーカーの洗浄方法を学ぶ様子     図2 システム化学科で扱うガラス器具(一部)

一般的なガラス器具の洗浄方法は、下記の①~③となります。


① スポンジ等で洗剤と水道水を使い器具をよく洗浄する。


② 「純水」で器具全体の水道水を洗い流す。


③ 器具を乾燥機等で乾燥させ、水気を取る。


しかしながら、ガラス器具の中には、


 ・スポンジでゴシゴシ洗うことが厳禁なもの


 ・乾燥機に入れることが厳禁なもの


などが存在します。これは体積を精確に計量するためのガラス器具であったり、精確な濃度の水溶液を作るためのガラス器具など、それぞれの用途に合わせた器具にはそれぞれの洗浄方法があるためです。


そのため「ガラス器具の洗浄方法」を理解することが化学を学ぶことの第一歩になります。