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令和3年3月19日(金) 3学期の終業式が行われました
 コロナ禍で終始した令和2年度も3学期末を迎え、本日無事終業式を迎えることができました。今回は、3学期の始業式に引き続き、パワーポイントで画像を映しながらお話しさせていただきました。以下、私からの話の概要(一部略)を掲載させていただきます。

令和2年度は、コロナ禍に始まり、終わった一年でした。思い起こせば、昨年2月末の安倍首相(当時)の臨時休校の要請から始まり、新年度に入っても4月の上旬から5月下旬の2ヵ月弱に及ぶ長い臨時休校、その後の8月の短い夏休みを経て、8月下旬から12月下旬まで4ヵ月に及ぶ長い2学期や、その間文化祭が中止になるなど異例尽くしの一年でした。また、皆さんは4月からずっと「マスク生活」をさせられ、県外(特に首都圏)にも自由に遊びに行けない不自由な生活が続いています。「こんな生活はもう嫌だ!」と思っている人も多いことでしょう。でも、コロナは自然になくなってはくれません。「アマビエ」に祈っても退散してくれません。これがいつまで続くのか、フラストレーションがたまっている人もかなりいると思います。でも、この経験は皆さんにとって「貴重な経験」です。昨年春、ヨーロッパでも新型コロナウイルスのパンデミック(感染爆発)が起こり、多くの学校が長期の臨時休校になりました。そのような中、イタリアのミラノにあるヴォルタ高校のドミニコ=スキラーチェ校長先生は、生徒に対し「この痛みはいつか、皆さんの財産になるでしょう」とメッセージを送っています。スキラーチェ先生のおっしゃるとおり、皆さんにとってこの経験は将来かけがえのない「財産」になると思います。

ここで、「上杉鷹山(ようざん)(治(はる)憲(のり))」という、江戸時代の今から250年程前の大名(殿様)のお話をします。彼は今から60年程前のアメリカ大領ジョン=F=ケネディが「最も尊敬する日本人」として挙げた人物です。
上杉家は米沢(よねざわ)藩という今の山形県米沢市の周辺を治めていた大名でしたが、有名な戦国武将の上杉謙信の子孫の家柄です。上杉家は戦国時代には120万石という日本でも有数の大きな大名だったのですが、その後関ヶ原の戦いで徳川家康に歯向かって敗れたり、跡継ぎ問題でゴタゴタしたりで、江戸時代の中頃には元の8分の1の15万石の大名になってしまいました。しかも借金だらけで、鷹山が藩主になる時には約50万両(今の400~500億円ぐらい)の借金があり潰(つぶ)れる寸前になっていました。鷹山は、そのような米沢藩を、徹底した倹約政策や殖産興業など大改革を行った結果、借金を全て返済し利益が出るくらいに立て直したのです。
その彼が、こんな歌を詠(よ)んでいます。「なせば成る なさねば成らぬ何事も 成らぬは人の なさぬなりけり」。意味は「物事は何でもやる気になればできる。できないと言うのはその人にやる気がないからだ。」というような感じになるでしょうか。この歌のように、大きな課題にぶち当たった時、「できない理由」を考えるのではなく、「どうしたらできるのか」を考えましょう。

 4月には、1年生は2年生、2年生は3年生に(恐らく)進級します。来年度に向けて、皆さんの更なる「挑戦・変化・地域貢献」を期待しています。来年2022年から成人年齢が18歳以上になります。今の1年生の皆さんは、3年生になって満18歳になると「成人」になって社会的な責任が出てきます。その前年の2021年は準備をする年です。今まで以上に自分の行動に「自覚」と「自信」を持って、輝く明日をつくっていってください。
 コロナ禍で終始した令和2年度も3学期末を迎え、本日無事終業式を迎えることができました。今回は、3学期の始業式に引き続き、パワーポイントで画像を映しながらお話しさせていただきました。以下、私からの話の概要(一部略)を掲載させていただきます。

令和2年度は、コロナ禍に始まり、終わった一年でした。思い起こせば、昨年2月末の安倍首相(当時)の臨時休校の要請から始まり、新年度に入っても4月の上旬から5月下旬の2ヵ月弱に及ぶ長い臨時休校、その後の8月の短い夏休みを経て、8月下旬から12月下旬まで4ヵ月に及ぶ長い2学期や、その間文化祭が中止になるなど異例尽くしの一年でした。また、皆さんは4月からずっと「マスク生活」をさせられ、県外(特に首都圏)にも自由に遊びに行けない不自由な生活が続いています。「こんな生活はもう嫌だ!」と思っている人も多いことでしょう。でも、コロナは自然になくなってはくれません。「アマビエ」に祈っても退散してくれません。これがいつまで続くのか、フラストレーションがたまっている人もかなりいると思います。でも、この経験は皆さんにとって「貴重な経験」です。昨年春、ヨーロッパでも新型コロナウイルスのパンデミック(感染爆発)が起こり、多くの学校が長期の臨時休校になりました。そのような中、イタリアのミラノにあるヴォルタ高校のドミニコ=スキラーチェ校長先生は、生徒に対し「この痛みはいつか、皆さんの財産になるでしょう」とメッセージを送っています。スキラーチェ先生のおっしゃるとおり、皆さんにとってこの経験は将来かけがえのない「財産」になると思います。

ここで、「上杉鷹山(ようざん)(治(はる)憲(のり))」という、江戸時代の今から250年程前の大名(殿様)のお話をします。彼は今から60年程前のアメリカ大領ジョン=F=ケネディが「最も尊敬する日本人」として挙げた人物です。
上杉家は米沢(よねざわ)藩という今の山形県米沢市の周辺を治めていた大名でしたが、有名な戦国武将の上杉謙信の子孫の家柄です。上杉家は戦国時代には120万石という日本でも有数の大きな大名だったのですが、その後関ヶ原の戦いで徳川家康に歯向かって敗れたり、跡継ぎ問題でゴタゴタしたりで、江戸時代の中頃には元の8分の1の15万石の大名になってしまいました。しかも借金だらけで、鷹山が藩主になる時には約50万両(今の400~500億円ぐらい)の借金があり潰(つぶ)れる寸前になっていました。鷹山は、そのような米沢藩を、徹底した倹約政策や殖産興業など大改革を行った結果、借金を全て返済し利益が出るくらいに立て直したのです。
その彼が、こんな歌を詠(よ)んでいます。「なせば成る なさねば成らぬ何事も 成らぬは人の なさぬなりけり」。意味は「物事は何でもやる気になればできる。できないと言うのはその人にやる気がないからだ。」というような感じになるでしょうか。この歌のように、大きな課題にぶち当たった時、「できない理由」を考えるのではなく、「どうしたらできるのか」を考えましょう。

 4月には、1年生は2年生、2年生は3年生に(恐らく)進級します。来年度に向けて、皆さんの更なる「挑戦・変化・地域貢献」を期待しています。来年2022年から成人年齢が18歳以上になります。今の1年生の皆さんは、3年生になって満18歳になると「成人」になって社会的な責任が出てきます。その前年の2021年は準備をする年です。今まで以上に自分の行動に「自覚」と「自信」を持って、輝く明日をつくっていってください。

令和3年3月1日(月) 令和2年度(第73回)卒業式が行われました
 3月1日(月)、薄曇りの穏やかな天候のもと、裾野高校第73回となる令和2年度卒業式が行われました。今回の卒業式は、昨年度に引き続き、コロナ禍の中で行われた2度目の卒業式となり、昨年度同様、卒業生とその保護者、最小限の来賓のみの卒業式となりました。188名の卒業生の皆さんは、今年度文化祭や部活動関係の各種大会が中止になるなど大変な年でしたが、一人ひとりが逆境にめげずに努力し、見事全員が進路内定を勝ち取ることができました。卒業式も厳かな雰囲気の中で行われた、良い式となったと思います。以下、私からの式辞の原稿(一部略)を掲載させていただきます。

 早春の陽光が日増しに暖かさを増し、自然は春本番に向けて着々と準備を進めている今日この頃、御来賓の皆様の御臨席を賜り、ここに卒業証書授与式を挙行できますことは、卒業生はもとより、私たち教職員にとりましても、大きな喜びであり、厚く御礼申し上げます。
ただ今、卒業証書を授与いたしました188名の卒業生の皆さんは、入学以来、幾多の試練を乗り越えつつ努力を積み重ね、ここに卒業の栄誉を得ることができました。皆さんの卒業を心から祝福いたします。
また、保護者の皆様、本日は、お子様の御卒業、誠におめでとうございます。たくましく成長されたお子様の姿を目の当たりにし、お喜びもひとしおかと存じます。
 さて、卒業生の皆さんは今から3年前の平成30年4月、眼前に霊峰富士を望む、百十有余年の歴史を持つ伝統ある本校に入学しました。入学して間もなく、生徒会が主催した対面式やオリエンテーションでは、初めて上級生に接し、本校で目指すべきものを見出した人も多かったのではないでしょうか。その後、1年次では夏の炎天下での野球応援などを通じて本校生徒としての自覚を高めていったことでしょう。2年次には、事前学習をもとに海外で探究活動を行った台湾への修学旅行があり、大いに見聞を広め良い思い出となったことと思います。
恐らく皆さんもここまでは例年の卒業生とさほど大きくは変わらない2年間だったと思います。そしていよいよ最高学年である3年次に進級するという時に、ちょうど1年ほど前ですが、新型コロナウイルスの感染拡大を機に学校は臨時休校に入り、4月当初の一週間を除き5月下旬まで長い休みに入ってしまいました。運動部のインターハイや文化部のコンクールなど、皆さんが目指して頑張ってきた大会が中止となり悔し涙を呑んだ人や、本校最大の行事である五龍祭の文化の部も中止となってしまい、残念に思った人も多いのではないかと思います。
しかし、皆さんはその逆境を見事に乗り越え、例年より遅れて始まったりオンラインでの面接など変則的な形で行われたりした就職試験・進学試験では、それぞれの持てる力を十二分に発揮し、厳しい状況の中で見事に全員が内定を勝ち取り、3年間の成長のあかしを確かに示してくれました。また、数少ない全校行事となった10月の五龍祭体育の部や12月の球技大会では、クラスごとに団結し見事な成績を収め、最高学年としての貫禄を見せてくれました。
 御存知のように、コロナ禍は全世界に波及し特に欧米では多数の死者を出していますが、1年前、イタリアのミラノにあるヴォルタ高校のドメニコ=スキラーチェ校長先生は、コロナ禍による臨時休校の中、オンラインで生徒たちに向かってメッセージを発信し続けました。スキラーチェ先生の生徒へのメッセージの中にこんな一節があります。「…しかし、最悪の経験からも、得られるものはあるものです。アメリカの作家ピーター=キャメロンの小説のタイトル『Someday This Pain Will Be Useful To You』がいうように、この痛みはいつか、皆さんの財産になるでしょう。」スキラーチェ先生のメッセージのとおり、皆さんもコロナ禍で味わった悔しい思いや辛い経験、そしてそれを乗り越えて今日卒業の日を迎えたことは、社会に出てから大きな財産となると思います。
人類は、このコロナ禍は近い将来乗り越えることができるでしょうが、皆さんの行く手には、その他にも様々な課題を抱えた社会の荒波が待っています。今から6年前の2015年、国連では「SDGs(持続可能な開発目標)」として、2030年までに達成すべき17の目標を掲げました。その中には貧困や飢餓の根絶、健康や福祉・質の高い教育を全ての人々に、人や国の不平等の解消、地球温暖化をはじめとする環境問題への対策などが挙げられています。これらは「途方もなく大きな目標」に思えるかも知れませんが、これからの社会の担い手の一員となる皆さんは、校訓の「自覚」、教育目標の「挑戦・変化・地域貢献」の言葉を胸に刻み、地域の様々な課題に対し臆することなく知恵を出し合い、地域の発展のために力を尽くすことで、SDGsの達成に貢献する一翼を担うことになるのだと思います。
 折しも、つい1週間ほど前の2月23日、トヨタ自動車は、ここ裾野市内にあるトヨタ自動車東日本東富士工場の跡地に、あらゆるモノやサービスがつながる実証都市「ウーブン・シティ」の建設に着工しました。このような地域の動きに積極的に関わり、皆さん一人ひとりができることから行動を始め、人と人とのネットワークを広げ、その行動を地域から日本、世界に発信する、そんな社会人として活躍してくれることを期待しております。
ここで、皆さんの門出に際し、はなむけの言葉として、幕末の志士で山口県萩の松下村塾において、後に明治維新を成し遂げる若者たちを育てた吉田松陰の次の言葉を送ります。「夢なき者に理想なし。理想なき者に計画なし。計画なき者に実行なし。実行なき者に成功なし。故に、夢なき者に成功なし。」自分の夢や理想を忘れず未来を想像し、チャレンジ精神を持って力強く、これからの人生を歩んでいってください!
結びに、卒業生の皆さんの前途が幸多からんことをお祈りするとともに、御来賓の皆様、保護者の皆様のますますの御健勝を御祈念申し上げ、式辞といたします。