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総合学科情報
Q2 総合学科の定義を教えてください

総合学科は「普通教育及び専門教育を選択履修を旨として総合的に施す学科」(、「高等学校設置基準」第5条)と定められ平成6年度から設置されるようになりました。
ところで皆さんは、「高等学校の目的」をご存知でしょうか。「大学に進学させる、就職試験に合格されるのが高校の目的」と思っている方がたくさんいると思います。実は「高等学校の目的」は、「学校教育法」という法律に書かれています。

「高等学校は、中学校における教育の基礎の上に、心身の発達及び進路に応じて、高度な普通教育及び専門教育を施すことを目的とする」(「学校教育法」第50条)


ちょっと予想と違うと思われるかもしれません。ここで注目していただきたい
のは、「普通教育または専門教育」ではなく「普通教育及び専門教育」となっている点です。すべての高校が、普通教育と専門教育の両方をやることになっているわけです。
ちなみに、「普通教育」とは、「専門教育」・「職業教育」ではない一般的で共通の教育のことで、数学、理科、国語、社会、英語などを「普通教科」といいます。またここでいう「専門教育」とはほぼ「職業教育」と同じで、農業、商業、工業などの教科を「専門教科」といいます。

最近、「普通高校でも専門教科を学ばせよう」という動きがでてきました。これは先ほどの「高校の目的」からすれば当然の動きだと思います。そうなると、総合学科の存在意義がなくなるのではないか、と危惧する声が出ています。私はそんなことはないと考えます。ここで、もう一度、総合学科の定義と高校の目的を並べてみてみます。

「普通教育及び専門教育を選択履修を旨として総合的に施す学科」

「高等学校は、・・・普通教育及び専門教育を施すことを目的とする」

どちらも普通教育及び専門教育を施しますが、総合学科はこの「選択履修」というところに特長があります。
小笠高校は総合学科になって以来、一貫して「生徒の自由な科目選択」を最大限保障することに力を入れてきました。これからますます総合学科における科目選択指導は重要な意味を持つと考えます。多くの科目を開設し(現在は約160科目)、生徒に自由な組み合わせで時間割をつくってもらうことは、総合学科の肝です。これについて小笠高校は、県内だけでなく全国的にもトップレベルのシズテムを持っており、総合学科高校のパイオニアとしてのプライドをにかけて、これからも続けて行きます。




Q1 全国で総合学科高校は何校ありますか?

平成30年度現在、総合学科高校は、国公立、私立あわせて382校です。平成29年度に比べ6校増えました(下の図参照)。
平成6年の総合学科創設以来の設置数の推移は下図を御参照ください。


総合学科は平成6年(1994年)に全国で7校設置されました。その翌年の平成7年、全国で16の総合学科が設置されました。この16校の中に、静岡県初の総合学科としてわが小笠高校が生まれました。というわけで、本校は「全国で8番目の総合学科高校」ということができます。
文科省(当時は文部省)は、総合学科創設期に、全国で500校の総合学科を設置する、としていました。これは、全国すべての高校の学校数が約5000校ですのでその10%を総合学科にする、というものです。総合学科というのは、進学希望の生徒にも就職希望の生徒にも対応する、本当の意味での「普通高校」です。、当時文部省で総合学科創設を担当し現在でも「総合学科の産みの親」と呼ばれる元文部官僚の寺脇研氏は「高校の80%ぐらいを総合学科に」と考えていたそうです。
ところが総合学科ができて25年経った現在でも、382校。文科省の目標の500校に達していません。これには様々な原因がありますが、これについてはまた別の機会にご紹介します。