湖西高等学校ホームページ
 
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地域に根ざす普通高校として
校長 望月 俊和


  「あいさつ日本一」をかかげる湖西市の表鷲津地区に湖西高校はあります。その言葉通り、毎朝JR鷲津駅から徒歩で、あるいは各方面から自転車で通学する生徒たちは明るいあいさつをいつでも返してくれます。
 昭和54(1979)年、「地元に普通科の県立学校を」という地域をはじめとした多くの方々の熱望により湖西高校は誕生しました。校章のデザインの土台に湖西市章が使われていることからも、当時の期待がいかに大きかったかがうかがい知れます。それから45年、かつてに比べてクラス数は減少したとは言え、本校は常に地域とともに歩み続けてきました。

 現在、価値観や進路選択の多様化が進み、高等学校普通科の教育の在り方が問われる中で湖西高校は令和3年度から県教育委員会の「グローカル・ハイスクール」の研究指定校として一層地域とのかかわりを深めています。

 1年生の総合的な探求の時間では地域のことを学びながら「湖西検定」を作成しています(一部の問題は「湖西コミュニティカレンダー」で公開)。また、各教科の授業では家庭科における地元特産の豚等を生かした「湖西高校弁当」の開発・販売、公民科における「鷲津駅北口開設要望書」や「食レポ動画(ケーブルテレビで放映)」の作成、音楽科における「鷲津節(北原白秋作詞)」とその踊りの伝承など生徒が主体的に地域とかかわる活動を行いました。市制施行50年を迎えた湖西市役所や地元企業との協力の中では豊田佐吉の名言を集めた「佐吉の日めくり」カレンダーの英訳版製作への協力、「ゼロカーボンシティ」実行計画策定協議会への参加を行い、本年度はタウンミーティングへの参加も予定しています。部活動では教養部三味線班や吹奏楽部、ボランティア部等が様々なイベントで活躍、野球部は「湖西ベースボールフェスタ」で地域の野球文化の発展に貢献しています。一方で地域の方々の御協力により、3日間にわたる本格的なインターンシップや26社が参加したジョブフェア(企業と生徒との座談会)などを実施することができました。

 このように行政や企業、各種地域団体の活動が身近で目に見えやすいという湖西市の環境を生かし、地域と密着した学習や体験を通じて今後も湖西高校は「地域に貢献し、社会・産業を支える人材」の育成を図っていきます。


湖西だからこそ
  校長 小林 孝誌


     
             幸せな校長室        
 

  地域の皆様、保護者の皆様あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。
 

 実は昨年から身体を悪くしておりまして、以前のようには走れず、それどころか歩くのもやっとの状態になっておりました。本来なら元気に走り回って皆様とご挨拶をかわしたかったのですが、申し訳ございません。たいへん残念でございます。

 病気が分かった時は、こんな状態で校長の役目を続けていけるのかと思いましたが、そこはたいへんチームワークが堅く雰囲気の良い湖西高校の先生方でしたので、職員会議で先生方に正直に相談しました。「これから校長がしばしばいなかったり、これまでできていたことができなくなるかもしれません。たいへんご迷惑をおかけするかもしれません。ぜひ助けてください。」そうすると先生方は「校長がいなくてもしっかり回る学校にしよう」「校長に心配かけないようにしよう」と言ってくれ、これまで以上に結束を強くしてくれました。涙が出るほどありがたく、たいへん励まされました。こんな先生方の素晴らしい雰囲気の中で何とかやってこれています。


 また、私は以前から生徒たちに事あるごとに「校長室のドアはいつも開けています。いつでも入ってきてよ。どんなことでもいいからお話ししましょう。」と言っていました。湖西高校の子たちは本当によく顔を出してくれています。休み時間に校長室前の廊下を通る際に「こんにちは」と元気に挨拶してくれたり、昼休みに野球やサッカー、ウルトラマンやアニメ、ジャニーズの話など、様々な子たちがお話に訪れてくれます。特に野球とウルトラマンは私自身が好きなので、生徒や若い先生方も「校長先生これあげます。」とグッズを持ってきてくれたりするので、校長室の一角はウルトラマン展示コーナーになっています。

 毎朝正門に立って「おはよう!」と登校する生徒に声を掛けているのですが、都合で立てない日があるとわざわざ校長室までやってきて「校長先生おはようございます。今日いなかったので心配しました。」と言ってくれる子まで出てきました。そういえば、昨年の終業式の後、「良いお年を!」と言いに来てくれる子も複数いて、涙が出るほど嬉しかったです。湖西の子たちはこんなに純粋で良い人間に育っているんだと実感できています。最近では、「校長先生、どこか身体悪いんですか?」と生徒には隠していたのに、何となく気付いて心配して来てくれる子たちも出てきました。こんなやりとりが校長との間でできるのも、うちの高校だけじゃないかと思っています。

 2年前より“グローカルハイスクール”研究指定校として、授業でも行事でも部活動でも何かしら地元の大人の方々と生徒がコミュニケーションをとる機会を増やしてきました。昨年12月には1年生が全員地元企業や市役所、商店などで三日間本格的なインターンシップをさせてもらいました。初めての試みでしたが、地元の皆様の暖かいご協力のおかげで実現しました。生徒は「大変さが分かった。行って良かった。」「自分のダメなところが分かって良かった。」と、職業体験をしたということ以上に今後の高校生活の方向性を考える大変良い機会になったようです。また、本年度から新たに“ナイスあいさつデイ”を月2回、“SHIHUKUデイ”を学期1回設けました。前者は口だけのあいさつでなくゼスチャーを伴う明るいあいさつを生徒も教員も交わし合うというもの、後者は制服でなくそれぞれが考えた私服で登校し一日生活しいつもと違う感覚を味わい、普段の生活を見つめなおすというものです。さらに、昨年夏からは、部活やボランティアなどを積極的にしない生徒には何もしないよりはとアルバイトを奨励し始めました。一部学期中にも許可し始めています。こうした試みも湖西の子が大人とのコミュニケーションの訓練をする機会になっていると思います。こんな成果も、校長とのコミュニケーションにつながっているのではないでしょうか。

 こんな先生方や生徒たちに支えられ、励まされて、校長の仕事を続けられるどころか、毎日たいへん幸せな思いを感じられています。病は得ましたが“災い転じて福となる”、かえって校長としてのやりがいを感じられる今日この頃です。