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平成21年1月19日 静岡新聞夕刊

静岡新聞社編集局整理本部調査部許諾済み

静岡新聞1月24日(土)朝刊27面
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静岡新聞1月24日(土)朝刊17面
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静岡新聞1月24日(土)朝刊1面
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静岡新聞1月24日(土)朝刊1面大自在
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大自在

 冀北(きほく)の「冀」は中国古代の北方地方をいい、冀北はその北部を指す。古来、名馬の産地として知られる。明治十年から十七年まで倉真村(現、掛川市倉真)にあった先駆的な私塾「冀北学舎」の名前はここに由来し、維新直後の地方から世に駿馬を送り出そうとする意気込みを伝える。
 きのう、ついにセンバツ出場の決まった「掛西」、県立掛川西高の前身は旧制掛川中学、その前史が冀北学舎に当たる。OBは各地で同窓会を「冀北会」といい、職場でも地域でもことのほか結束が強いが、これでまた草原を疾走する馬群のように一段と勢いがつきそうだ。
 そのOBがはやるのも無理はない。なにしろ十五年振りのセンバツだといい、待ちに待った甲子園スタンドに違いない。「岩根こごしき天守台、その麓にぞわが校は―」と、あの懐かしい校歌を久しぶりに大声で歌える。
 突出したスター選手のいるチームでもない。守備力は県内屈指といってもいいが、監督自身もいうように特別に打つわけでもない。投手がすごいこともない。でもみごとに昨年秋の県王者に上りつめていた。東海大会で中京大中京に敗れ明治神宮大会に行けなかった悔しさを晴らしたい。
 監督は県大会を制した時に「なんだか分からないうちに勝っている」と、このチームの備えている不思議な力を控え目に分析したものだが、そんな楽であるはずがない。きっとふだんから確かな練習とそれに裏打ちされた自信があるからだろう。
 まだまだ寒い日が続くが、センバツの声が掛かれば球音響く春までもうあとひといきだ。掛西ナインにはちょうど若い荒馬が早春の冀北の原野を駆け回ったように甲子園のグラウンドを縦横に走ってほしい。

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