病理学国家試験問題 第1編 病理学の基礎  第1章 病理学の意義と分類  問題1 病理解剖の目的で誤っているのはどれか。  1.死因の究明  2.犯罪性の確認  3.病変の質的評価  4.治療効果の判定  (解答2)  (第24回 問題38)  問題2 病理組織診断で確定されるのはどれか。  1.尿中の結晶の種類  2.僧帽弁逆流の有無  3.感染症の起炎菌の種類  4.癌のリンパ節転移の有無  (解答4)  (第25回 問題38)  第2章 疾病の意義と分類 問題3 局所性疾患に分類されるのはどれか。  1.敗血症  2.アミロイドーシス  3.骨折  4.糖尿病  (解答3)  (第15回 問題50)  問題4 疾患の分類において局所性疾患に属するのはどれか。  1.敗血症  2.腺腫  3.川崎病  4.糖尿病  (解答2)  (第18回 問題50)  問題5 疾病の分類と疾患との組合せで正しいのはどれか。  1.全身性疾患 ーー アミロイドーシス  2.後天性疾患 ーー 奇形  3.器質的疾患 ーー 神経症  4.老人性疾患 ーー ポリオ  (解答1)  (第21回 問題50)  問題6 疾患の分類と疾患名の組合せで正しいのはどれか。  1.遺伝性疾患 ーー アザラシ肢症  2.局所性疾患 ーー 痛風  3.器質的疾患 ーー 大腸癌  4.特発性疾患 ーー 帯状疱疹  (解答3)  (解説)  アザラシ肢症:四肢、特に上肢が欠損または短縮しアザラシの外観に似た奇形であり、サリドマイドの服用による医原病である。  痛風:高尿酸血症が持続することによって尿酸塩結晶が体組織へ沈着する病気と定義されていて、特有な痛風関節炎を主な症状とする全身性代謝疾患である。  帯状疱疹の原因ウイルス:水痘・帯状ヘルペス(帯状疱疹)ウイルス  局所性疾患:疾病が体の一部に限局しているもの(白内障・胃潰瘍など)。  全身性疾患:全身の臓器に広がっているもの(敗血症・白血病など)。  器質的疾患:組織・臓器に形態的変化のみとめられるもの(花粉症・心臓弁膜症など)。  機能的疾患:形態的変化のみとめられないもの(ノイローゼ・操うつ病など)。  特発性疾患または本態性疾患:原因が明らかでない疾患(本態性高血圧症・特発性側彎症など)。  (第26回 問題38) 問題7 疾患とその合併症(続発症)との組合せで適切でないのはどれか。  1.糖尿病 ーー 網膜症  2.動脈硬化症 ーー 心筋梗塞  3.高血圧症 ーー 眼底出血  4.痛風 ーー アミロイドーシス  (解答4)  (第18回 問題51)  問題8 糖尿病の合併症として適切でないのはどれか。  1.網膜症  2.動脈硬化症  3.腎症  4.肝硬変  (解答4)  (第5回 問題59)  問題9 関連の少ない組合せはどれか。  1.狭心症 ーー 敗血症  2.動脈瘤 ーー 梅毒  3.川崎病 ーー 血管炎  4.多臓器不全 ーー ショック  (解答1)  (第12回 問題61)  第3章 病変と症候  問題10 自覚症状でないのはどれか。  1.耳鳴り  2.頭痛  3.かゆみ  4.高熱  (解答4)  (第9回 問題58)  問題11 他覚症状はどれか。  1.頭痛  2.発熱  3.耳鳴り  4.吐き気  (解答2)  (第23回 問題38)  問題12 他覚症状はどれか。  1.掻痒感  2.頭痛  3.発熱  4.食欲不振  (解答3)  (解説)  自覚症状:患者自身にのみ感じられて、他人にはわからない症状。(例)頭痛・耳鳴りなど。  他覚症状:検査などによって他人にもわかる症状。(例)発熱・高血圧など。  (第27回 問題38) 第4章 疾病の経過  問題13 疾病の経過において発症するまでの時期はどれか。  1.前駆期  2.潜伏期  3.侵襲期  4.極期  (解答2)  (第21回 問題51)  問題14 疾病の経過の見通しを意味するのはどれか。  1.病期  2.転帰  3.治癒  4.予後  (解答4)  (第24回 問題39)  第2編 病因  第2章 内因  問題15 病因のうち内因に属するのはどれか。  1.遺伝的素因  2.社会環境  3.感染微生物  4.栄養物質  (解答1)  (第14回 問題54)  問題16 正しいのはどれか。  1.加齢は動脈硬化の素因ではない。  2.女性は骨粗鬆症にかかりにくい。  3.日本人は西洋人と比較して大腸癌と乳癌とが多い。  4.臓器によって疾病に対する抵抗力が異なる。  (解答4)  (第1回 問題58)  問題17 男性に多い疾患はどれか。  1.痛風  2.胆石症  3.骨粗鬆症  4.バセドウ病  (解答1)  (第24回 問題41) 問題18 男性に発症しやすいのはどれか。  1.血友病  2.大腸腺腫症  3.エドワーズ症候群  4.マルファン症候群  (解答1)  (第25回 問題39)  問題19 女性に多い癌はどれか。  1.喉頭癌  2.甲状腺癌  3.食道癌  4.肺癌  (解答2)  (第6回 問題63)  問題20 男性に比べて女性に高頻度に発生するのはどれか。  1.膵癌  2.肝細胞癌  3.甲状腺癌  4.食道癌  (解答3)  (第18回 問題56) 問題21 女性に多い疾患はどれか。  1.進行性筋ジストロフィー症  2.全身性エリテマトーデス  3.血友病  4.肺癌  (解答2)  (第7回 問題58) 問題22 生活習慣病に属さないのはどれか。  1.糖尿病  2.肺癌  3.気管支喘息  4.脳血管障害  (解答3)  (解説 生活習慣病の範疇に入るのは、脳血管障害、虚血性心疾患、悪性新生物、糖尿病、高血圧症、肺気腫、アルコール性肝疾患などである。)   (第17回 問題51)  問題23 伴性遺伝をする先天性疾患はどれか。  1.ダウン症候群  2.ターナー症候群  3.マルファン症候群  4.血友病  (解答4)  (第3回 問題64) 問題24 先天性異常で染色体異常でないのはどれか。  1.ダウン症候群  2.アザラシ肢症  3.クラインフェルター症候群  4.ターナー症候群  (解答2)  (解説 アザラシ肢症とは、上肢の部分形成障害、すなわち上腕と前腕の中間部の形成不全により、上肢全体が短く、手が肩から直接出ているような先天異常。妊娠初期に、サリドマイド含有薬品を内服した母親からの出生児に多数みられた。)   (第15回 問題53) 問題25 遺伝と染色体に関して正しい記述はどれか。  1.ヒトの常染色体は46本である。  2.ダウン症候群は21番染色体が1本少ない。  3.ターナー症候群の染色体核型は45Xである。  4.血友病は常染色体性劣性遺伝病である。  (解答3)  (第20回 問題50)  問題26 遺伝性疾患はどれか。  1.色盲  2.ポリオ  3.アザラシ肢症  4.先天性梅毒  (解答1)  (第23回 問題39) 問題27 常染色体21トリソミーによる疾患はどれか。  1.クラインフェルター症候群  2.エドワーズ症候群  3.ターナー症候群  4.ダウン症候群  (解答4)  (第24回 問題40)  問題28 ダウン症候群の原因となる常染色体異常はどれか。  1.13トリソミー  2.18トリソミー  3.21トリソミー  4.22トリソミー  (解答3)  (解説)  ダウン症候群:常染色体異常で21番目の染色体の一部が切れて3つ(トリソミー)になっている。  頭蓋骨が短く、目がつり上がり、手足の指に奇形が見られる。高齢出産に多い。  (第27回 問題39) 問題29 低出生体重児の定義は何g未満か。  1.1,500g  2.2,000g  3.2,500g  4.3,000g  (解答3)  (解説)  生まれたときの体重による分類  低出生体重児:2500g未満・極低出生体重児:1500g未満・超低出生体重児:1000g未満  (第26回 問題39) 問題30 奇形の原因となりにくいのはどれか。  1.染色体異常  2.ウイルス感染  3.ビタミンC  4.放射線照射  (解答3)  (第2回 問題64)  問題31 奇形が起こりやすい妊娠時期はどれか。  1.3ヶ月ごろ  2.5ヶ月ごろ  3.7ヶ月ごろ  4.9ヶ月ごろ  (解答1)  (第6回 問題64)  問題32 奇形が最も起こりやすい妊娠時期はどれか。  1.3ヶ月頃  2.5ヶ月頃  3.7ヶ月頃  4.9ヶ月頃  (解答1)  (第19回 問題51)  問題33 胎内感染が奇形の原因とならないのはどれか。  1.B型肝炎ウイルス  2.風疹ウイルス  3.トキソプラズマ  4.サイトメガロウイルス  (解答1)  (第9回 問題72)  問題34 催奇形因子として最も関連の低いのはどれか。  1.風疹  2.糖尿病  3.ダイオキシン  4.ビタミンC  (解答4)  (第13回 問題59)  問題35 正しい組み合わせはどれか。  1.下垂体後葉 ーー 小人症  2.上皮小体 ーー クレチン病  3.副腎髄質 ーー クッシング症候群  4.甲状腺 ーー 粘液水腫  (解答4)  (第8回 問題58)  問題36 ホルモンとその分泌低下症との組み合わせで誤っているのはどれか。  1.サイロキシン ーー シモンズ病  2.パラソルモン ーー テタニー  3.抗利尿ホルモン ーー 尿崩症  4.インスリン ーー 糖尿病  (解答1)  (解説 1.はクレチン症である。シモンズ病は羸痩と産褥熱による下垂体前葉の梗塞(下垂体前葉萎縮)がみとめられた疾患で,シーハン症候群を除いた汎下垂体機能低下症をさす.)  (第7回 問題59)  問題37 疾患とホルモンとの組合せで誤っているのはどれか。  1.尿崩症 ーー バゾプレッシン  2.クッシング病 ーー 副腎皮質刺激ホルモン  3.バセドウ病 ーー 甲状腺ホルモン  4.褐色細胞腫 ーー アルドステロン  (解答4)  (第15回 問題52)  問題38 誤っている組み合わせはどれか。  1.糖尿病 ーー インスリン欠乏  2.心筋梗塞 ーー 冠状動脈硬化  3.アミロイドーシス ーー 脂肪代謝異常  4.胆石 ーー コレステリン  (解答3)  (解説 アミロイド(類澱粉体)は糖蛋白質で,アミロイド繊維からなり,免疫グロブリンなどに由来する.)   (第1回 問題60)  問題39 インスリン依存型糖尿病の特徴として適切でないのはどれか。  1.若年発症が多い。  2.肥満型が多い。  3.治療にインスリン注射が必要である。  4.膵ランゲルハンス島β細胞の破壊による。  (解答2)  (第8回 問題59)  第2章 外因  問題40 病因のうち外因に属するのはどれか。  1.素因  2.遺伝  3.感染  4.免疫  (解答3)  (第13回 問題58)  問題41 飢餓状態において重量の減少が起こりにくいのはどれか。  1.肝臓  2.腎臓  3.心臓  4.脳  (解答4)  (第22回 問題50)  問題42 ビタミンについて正しい記述はどれか。  1.ビタミンAは水溶性である。  2.ビタミンEは血中カルシウム値の維持に関与する。  3.ビタミンKの欠乏によって悪性貧血が発症する。  4.ビタミンCは体内で合成できない。  (解答4)  (第19回 問題50)  問題43 ビタミンとその欠乏症との組み合わせで誤っているのはどれか。  1.ニコチン酸 ーー 末梢神経炎  2.ビタミンB12 ーー 悪性貧血  3.ビタミンC ーー メルレル・バロウ病  4.ビタミンK ーー 新生児出血傾向  (解答1)  (解説 ニコチン酸欠乏症は、皮膚症状,胃腸障害,精神神経症状を伴い,死の転帰をとるペラグラが知られているが,トリプトファンの代謝障害でも生じる。  メルレル・バロウ病(メラー・バロウ病)=壊血病)  (第6回 問題59)  問題44 くる病に関連するのはどれか。  1.ビタミンA  2.ビタミンB1  3.ビタミンD  4.ビタミンE  (解答3)  1 ビタミンA欠乏症:夜盲症・角膜乾燥症など  2 ビタミンB1欠乏症:脚気・ウェルサコフ脳症など  3 ビタミンD欠乏症:骨軟化症(成人)・くる病(小児)  4 ビタミンE欠乏症:抗酸化作用の低下・貧血・浮腫など  (第27回 問題43) 問題45 放射線障害を受けやすい組織はどれか。  1.肝臓  2.腎臓  3.骨髄  4.筋肉  (解答3)  (第9回 問題62)  問題46 放射線障害を最も受けやすいのはどれか。  1.筋肉  2.神経  3.骨髄  4.肝臓  (解答3)  (第21回 問題52)  問題47 医原性の薬剤障害で誤っている組合せはどれか。  1.ペニシリン ーー 肺線維症  2.サリドマイド ーー アザラシ肢症  3.ストレプトマイシン ーー 聴覚障害  4.キノホルム ーー スモン  (解答1)  (第17回 問題50)  問題48 疾患と原因との組み合わせで誤っているのはどれか。  1.薬剤耐性感染症 ーー MRSA  2.つつが虫病 ーー リケッチア  3.マラリア ーー ウイルス  4.アメーバ赤痢 ーー 原虫  (解答3)  (第2回 問題58)  問題49 経皮的に感染する疾患はどれか。  1.破傷風  2.麻疹  3.腸管出血性大腸菌感染症  4.A型肝炎  (解答1)  (第20回 問題51)  問題50 日和見感染症として誤っているのはどれか。  1.カリニ肺炎  2.食道カンジダ症  3.B型肝炎  4.サイトメガロウイルス感染症  (解答3)  (第14回 問題56)  問題51 誤っている組み合わせはどれか。  1.エイズ ーー 後天性免疫不全症候群  2.ジフテリア ーー 偽膜性咽頭炎  3.特異性炎 ーー 梅毒  4.遅延型アレルギー ーー 気管支喘息  (解答4)  (解説 気管支喘息は即時型である)   (第1回 問題61)  問題52 病原因子と疾患との組合せで誤っているのはどれか。  1.クロストリジウム ーー 偽膜性腸炎  2.プリオン ーー クロイツフェルト・ヤコブ病  3.ヘリコバクター・ピロリ ーー 胃・十二指腸潰瘍  4.クラミジア ーー 梅毒  (解答4)  (解説 クロストリジウムは大型の嫌気性グラム陽性桿菌で、芽胞を形成する。臨床上問題になる感染症は、ガス壊疽、破傷風、ボツリヌス中毒である。  偽膜性腸炎とは、小腸および大腸を侵す炎症性疾患で、粘膜の表面に滲出物による偽膜を形成するものである。従来は腹部手術後、抗生物質に抵抗性をもつブドウ球菌によって起こるものが多かった。しかし最近では種々の抗生物質とくにクリンダマイシンを投与したとき、その薬剤に抵抗性をもつクロストリジウム・ディフィシレが産生する腸毒素によって惹起されることが多い。)  (第15回 問題51)  問題53 肺結核症について誤っている記述はどれか。  1.粟粒結核は結核菌のリンパ行性散布によって起こる。  2.初感染後、ツベルクリン反応が陽転する。  3.結核結節は乾酪壊死を伴った肉芽腫形成を特徴とする。  4.自然感染は飛沫感染によって起こる。  (解答1)  (第16回 問題54)  問題54 エイズについて正しい記述はどれか。  1.リケッチアの感染によって発症する。  2.先天性の免疫不全症である。  3.T細胞が増加する。  4.症状が進行するとニューモシスチス肺炎を起こす。  (解答4)  (第19回 問題56)  問題55 ウイルス感染による疾患はどれか。  1.慢性骨髄性白血病  2.エイズ  3.横紋筋肉腫  4.大葉性肺炎  (解答2)  (第1回 問題64)  問題56 ウイルス性疾患はどれか。  1.ワイル病  2.B型肝炎  3.トラコーマ  4.発疹チフス  (解答2)  (第4回 問題58)  問題57 向神経ウイルスでないのはどれか。  1.麻疹ウイルス  2.狂犬病ウイルス  3.ポリオウイルス  4.サイトメガロウイルス  (解答1)  (解説 サイトメガロウイルスはヘルペスウイルス群に属するウイルスである。)   (第12回 問題58)  問題58 再感染しやすい疾患はどれか。  1.インフルエンザ  2.麻疹  3.水痘  4.流行性耳下腺炎  (解答1)  (第9回 問題59) 問題59 スピロヘータが原因で起こる疾患はどれか。  1.結核  2.梅毒  3.エイズ  4.淋病  (解答2)  (第5回 問題58)  問題60 小児発疹性疾患で病原体がいまだ特定されていないのはどれか。  1.風疹  2.水痘  3.手足口病  4.川崎病  (解答4)  (解説 川崎病とは、主として4歳以下の乳幼児に発症する原因不明の熱性疾患.病理学的には血管炎が主体であり,乳児結節性動脈周囲炎などと対比される.急性期の炎症症状は良好に経過するが,冠状動脈瘤,弁膜症,心筋炎などの心臓後遺症を残す頻度が比較的高い.  手足口病とは幼少児にみられる伝染性ウイルス疾患で特有な皮疹と口腔粘膜疹が特徴である.発熱は一般に軽度で約1週間の経過で治癒し,予後は良好である。)  (第10回 問題59)  問題61 小児の発疹性疾患で病原体が解明されていないのはどれか。  1.伝染性紅斑  2.川崎病  3.猩紅熱  4.手足口病  (解答2)  (第19回 問題52) 問題62 加齢に伴う変化で誤っているのはどれか。  1.臓器の実質細胞数の減少  2.間質組織の硬化  3.軟骨・骨組織の再生  4.消耗色素の蓄積  (解答3)  (第13回 問題60)  問題63 老化の徴候として誤っているものはどれか。  1.大脳皮質の萎縮  2.骨格筋の萎縮  3.骨の萎縮  4.汗腺の萎縮  (解答4)  (第4回 問題59)  問題64 加齢による骨萎縮が早く高度に出現するのはどれか。  1.上腕骨  2.頸椎  3.腰椎  4.脛骨  (解答3)  (第11回 問題58)  問題65 加齢に伴い増加するのはどれか。  1.血清アルブミン  2.エストロゲン  3.コレステロール  4.アルドステロン  (解答3)  (第10回 問題58)  問題66 皮膚機能として老化の影響を最も受けにくいのはどれか。  1.表皮のターンオーバー  2.角質層のバリアー機能  3.角質層の水分含有状態  4.皮膚血流量  (解答4)  (解説 表皮のターンオーバーとは表皮の新陳代謝のことである。)   (第12回 問題59)  問題67 加齢に伴う変化はどれか。  1.肺活量の増加  2.腎血流量の増加  3.収縮期血圧の上昇  4.骨塩量の増加  (解答3)  (第20回 問題53)  問題68 疾患と原因との組み合わせで誤っているのはどれか。  1.エイズ ーー ウイルス  2.イタイイタイ病 ーー 有機水銀中毒  3.尿崩症 ーー 下垂体後葉障害  4.カンジダ症 ーー 真菌  (解答2)  (解説 イタイイタイ病はカドミウムが原因である。)   (第3回 問題58)  問題69 アスベストと関連があるのはどれか。  1.肺癌  2.食道癌  3.膀胱癌  4.悪性リンパ腫  (解答1)  (解説)  アスベスト(石綿):びまん性肺線維症、胸膜炎などを発症させ、さらに(悪性)中皮腫や肺癌も発病させる。  (第26回 問題44) 第3編 病変  第1章 循環障害  問題70 循環障害について正しい記述はどれか。  1.漏出性出血は血管の破綻による。  2.胃からの出血を喀血という。  3.脳軟化症は脳梗塞の結果である。  4.赤色血栓は白血球が多い。  (解答3)  (解説 漏出性出血は血管壁の透過性が異常に高まることによりおこる。)   (第2回 問題59)  問題71 門脈圧亢進症状として誤っているのはどれか。  1.腹水  2.肺うっ血  3.食道静脈瘤  4.メズサの頭  (解答2)  (第17回 問題52)  問題72 うっ血と比較して充血の特徴はどれか。  1.側副血行が生じやすい。  2.動脈血が増加する。  3.体表温度が低下する。  4.チアノーゼをきたす。  (解答2)  (第22回 問題51)  問題73 右心不全で肝臓に最も生じやすいのはどれか。  1.うっ血  2.出血  3.梗塞  4.塞栓  (解答1)  (第25回 問題41)  問題74 貧血性梗塞を起こしやすい臓器でないのはどれか。  1.心臓  2.肺  3.腎臓  4.脳  (解答2)  (解説 梗塞には貧血性(白色)梗塞と出血性(赤色)梗塞とがある。貧血性梗塞は,腎臓,脾臓,脳,心臓などでみられる。出血性梗塞は,主として肺にみられるが,まれに腸,睾丸などでみられることもある。)   (第17回 問題54)  問題75 梗塞の種類と罹患臓器の組合せで正しいのはどれか。  1.出血性梗塞 ーー 心臓  2.出血性梗塞 ーー 腎臓  3.貧血性梗塞 ーー 肺  4.貧血性梗塞 ーー 脾臓  (解答4)  (解説) 貧血性梗塞(白色梗塞):動脈の閉塞によって限局性の貧血が起こり,局所組織が壊死するもので,患部は灰白色となる(終動脈をもつ臓器に発症する)。  代表臓器→脳・心臓・脾臓・腎臓など。  出血性梗塞(赤色梗塞):梗塞によって壊死した組織に周囲から血液が流れ込み,患部を赤く染めるものを出血性梗塞という。  代表臓器→肺・肝臓・小腸・うっ血を起こしていた臓器の梗塞・絞扼性腸閉塞・卵巣膿疱捻転部の梗塞など。  肺や肝臓のように栄養血管と機能血管が存在する臓器では,栄養血管の閉塞による梗塞部に,機能血管からの血液が流れ込むことで赤色になる。  (第26回 問題41) 問題76 神経性貧血をきたす疾患はどれか。  1.レイノー病  2.心筋梗塞  3.バージャー病  4.結節性多発性動脈炎  (解答1)  (第18回 問題52)  問題77 出血性素因をきたすのはどれか。  1.ビタミンA欠乏症  2.ビタミンB欠乏症  3.ビタミンD欠乏症  4.ビタミンK欠乏症  (解答4)  (解説 ビタミンKは肝臓でのプロトロンビンの合成に必要である。)   (第7回 問題61)  問題78 肺からの出血に最も関連のある症状はどれか。  1.吐血  2.喀血  3.下血  4.血尿  (解答2)  (第13回 問題61)  問題79 タール便の原因疾患として最も考えられるのはどれか。  1.十二指腸潰瘍  2.潰瘍性大腸炎  3.直腸癌  4.痔  (解答1)  (第18回 問題53)  問題80 出血と原因との組み合わせで誤っているのはどれか。  1.脳出血 ーー 高血圧  2.くも膜下出血 ーー 脳動脈瘤  3.喀血 ーー 肝硬変  4.吐血 ーー 胃潰瘍  (解答3)  (第3回 問題59)  問題81 ショックの原因に最もなりにくいのはどれか。  1.熱傷  2.心筋梗塞  3.敗血症  4.急性糸球体腎炎  (解答4)  (解説 ショックとは急性循環不全状態のことである。  出血や細菌毒や心臓自体の病変、あるいはアナフィラキシーや薬物の反応によって、心機能が高度に抑制されて、生体機能を維持するのに必要な心拍出量が減少し、組織循環の不全を起こして組織細胞の低酸素症をきたし、細胞代謝が障害され、アシドーシスの発生や乳酸の蓄積などの諸症状が出現する。 適切な治療を早期に行わないと悪循環に陥り、不可逆性の重要臓器不全が起こって死亡するに至る症候群である。 神経性、出血性、細菌性、心原性、熱傷、アレルギー性、その他の分類には薬物性、外傷性ショックと称するものがある。)  (第11回 問題61)  問題82 血栓を形成する条件として適切でないのはどれか。  1.血管壁の障害  2.血流速度の低下  3.血液粘度の増加  4.血液量の増加  (解答4)  (第16回 問題50)  問題83 血栓形成を促進する条件として正しいのはどれか。  1.血流速度の上昇  2.血管壁の損傷  3.血小板の減少  4.血液粘稠度の低下  (解答2)  (第20回 問題52)  問題84 血栓形成の誘因はどれか。  1.血流速度の上昇  2.内皮細胞の障害  3.血液粘度の低下  4.線溶系の亢進  (解答2)  (第23回 問題41)  問題85 大腿動脈の血栓症に際して下肢の示す所見で適切でないのはどれか。  1.膝窩に脈を触れない。  2.チアノーゼを呈する。  3.皮膚温は低下している。  4.周径が小さくなっている。  (解答2)  (第9回 問題60)  問題86 血栓を起こしやすい疾患でないのはどれか。  1.壊血病  2.悪性腫瘍  3.敗血症  4.熱傷  (解答1)  (第17回 問題53)  問題87 塞栓症について誤っている記述はどれか。  1.血液に溶解しない物質が小血管に閉塞した状態である。  2.最も多いのは脂肪塞栓症である。  3.動脈性塞栓症は脳に生じやすい。  4.局所の変性壊死の原因になる。  (解答2)  (第16回 問題51)  問題88 栓子の発生原因と、それによって起こる塞栓症の発生部位との組合せで誤っているのはどれか。  1.大腿静脈血栓 ーー 肝臓  2.腹部大動脈瘤内血栓 ーー 足指  3.下肢複雑骨折 ーー 肺  4.潜水病 ーー 脳  (解答1)  (第10回 問題60)  問題89 皮膚の循環障害とその症状との組み合わせで誤っているのはどれか。  1.充血 ーー 温かく拍動性である。  2.うっ血 ーー チアノーゼでむくむ。  3.出血性素因 ーー 軽い打撲で出血する。  4.虚血 ーー しわが消えて硬くなる。  (解答4)  (第6回 問題60)  問題90 水腫の発生要因でないのはどれか。  1.高タンパク血症  2.うっ血  3.細静脈内皮の障害  4.リンパ液のうっ滞  (解答1)  (第4回 問題60)  問題91 浮腫の成因として最も関連の低いのはどれか。  1.血小板減少症  2.低アルブミン血症  3.うっ血性心不全  4.ネフローゼ症候群  (解答1)  (第13回 問題62)  問題92 浮腫(水腫)のみられる疾患とその原因との組合せで正しいのはどれか。  1.ネフローゼ ーー 血管透過性亢進  2.虫刺され ーー 血漿膠質浸透圧低下  3.心不全 ーー 毛細血管内圧上昇  4.熱傷 ーー リンパ管閉塞  (解答3)  (第19回 問題53)  第2章 退行性病変  問題93 病態について正しい組み合わせはどれか。  1.溶血 ーー 直接ビリルビン  2.胆石 ーー 尿酸  3.心筋梗塞 ーー 壊死  4.脂肪肝 ーー 萎縮  (解答3)  (解説 溶血では間接(非抱合型)ビリルビンが増加する。胆石はコレステロール系胆石,ビリルビン系胆石,希小胆石に三大別される.)   (第2回 問題60)  問題94 代謝疾患と病因との組合せで誤っているのはどれか。  1.脂肪肝 ーー アルコール過剰摂取  2.粥状硬化症 ーー コレステロール沈着  3.糖尿病 ーー インスリン分泌異常  4.アミロイドーシス ーー グリコーゲン代謝異常  (解答4)  (第16回 問題52)  問題95 脂質代謝異常に基づく疾患はどれか。  1.アテローム硬化症  2.アミロイドーシス  3.痛風  4.尿毒症  (解答1)  (第11回 問題59)  問題96 脂質代謝異常に起因する疾患はどれか。  1.粥状動脈硬化症  2.糖尿病  3.アミロイドーシス  4.痛風  (解答1)  (第14回 問題55)  問題97 黄疸の発生原因として適切でないのはどれか。  1.胆嚢内結石  2.膵頭部癌  3.ウイルス性肝炎  4.不適合輸血  (解答1)  (解説 胆嚢内結石では胆道を閉鎖することは少ない。)   (第7回 問題60)  問題98 溶血性黄疸はどれか。  1.新生児黄疸  2.C型肝炎による黄疸  3.胆石症による黄疸  4.膵頭部癌による黄疸  (解答1)  (解説 新生児の黄疸は,病的ではない.生後2〜3日ごろに始まり,10〜20日で消失するのがふつうである.赤血球の崩壊機転が亢進し,胆汁色素の産生が過剰になることにより黄疸が出現する。)   (第5回 問題60)  問題99 疾患と沈着物との組合せで適切なのはどれか。  1.アルツハイマー病 ーー アミロイド  2.痛風 ーー 脂肪  3.黄疸 ーー リポフスチン  4.動脈硬化症 ーー グリコーゲン  (解答1)  (第21回 問題53)  問題100 赤血球に由来しない色素はどれか。  1.ヘモジデリン  2.ヘマトイジン  3.ビリルビン  4.メラニン  (解答4)  (第3回 問題60) 問題101 計画された細胞死を何というか。  1.アミロイドーシス  2.アポトーシス  3.リピドーシス  4.ヘモクロマトーシス  (解答2)  (第19回 問題54)  問題102 アポトーシスについて正しいのはどれか。  1.細胞の病的な死である。  2.個体発生時にみられる。  3.周囲に炎症を起こす。  4.ヒトに特異的な現象である。  (解答2)  (解説)  アポトーシス:常に生理的に再生を繰り返している粘膜などに見られる個々の細胞の生理的な死をアポトーシスという。これは予め遺伝子にプログラムされている細胞死で,病的な壊死とは異なるものである。  アポトーシスは細胞分裂と表裏一体をなしており,これが順調に行われないと,生体のホメオスターシスがくずれ,癌や自己免疫疾患の原因になるとみられている。  (第26回 問題40) 問題103 融解壊死が最も生じやすいのはどれか。  1.脳  2.肺  3.小腸  4.脾臓  (解答1)  (解説)  融解壊死:壊死した細胞が周囲の水分を吸収したり、細菌や好中球の蛋白融解酵素の作用を受けて融解(溶ける)していくもの。  融解壊死が特徴的にみられる部位は、脳の白質部の梗塞である。  (第27回 問題41) 問題104 死の判定に含まれない因子はどれか。  1.心拍動  2.眼球運動  3.呼吸運動  4.中枢神経機能  (解答2)  (第6回 問題58)  問題105 心臓死の判定に必要なのはどれか。  1.体温の低下  2.死後硬直  3.瞳孔反射の消失  4.死斑の出現  (解答3)  (第23回 問題40)  第3章 進行性病変  問題106 労働性肥大を起こしやすいのはどれか。  1.脳  2.前立腺  3.肺  4.心臓  (解答4)  (第21回 問題55)  問題107 肥大と増殖について誤っている記述はどれか。  1.肥大は個々の細胞の容積が増す。  2.増殖は個々の細胞の数が増す。  3.労働性肥大は筋組織で起こりやすい。  4.代償性肥大は神経組織で起こりやすい。  (解答4)  (第15回 問題55)  問題108 肥大の分類として誤っているのはどれか。  1.代償性肥大  2.労働性肥大  3.仮性肥大  4.補腔性肥大  (解答3)  (解説 組織あるいは臓器の容積の増大が,正常組織成分以外のものの出現による場合を真の肥大に対して仮性肥大という.)   (第5回 問題62)  問題109 部分切除で代償性肥大を起こすのはどれか。  1.肺臓  2.肝臓  3.脾臓  4.膵臓  (解答2)  (第12回 問題60)  問題110 代償性肥大を起こしやすいのはどれか。  1.乳腺  2.腎臓  3.前立腺  4.心臓  (解答2)  (解説)  代償性肥大:臓器の機能の一部が欠損した時、これを補い維持しようとして起こる肥大(複数ある組織の1つが使えなくなり、もう1方に負担がかかること)。  (例)腎臓の一方を摘出した時他側の腎肥大・肝臓の一部を摘出した時の残った部分の肥大。  (第27回 問題40) 問題111 左心室肥大をきたす疾患はどれか。  1.三尖弁閉鎖不全症  2.肺動脈弁狭窄症  3.僧帽弁狭窄症  4.大動脈弁狭窄症  (解答4)  (第18回 問題54)  問題112 再生しないのはどれか。  1.線維芽細胞  2.血管内皮細胞  3.骨組織  4.神経細胞  (解答4)  (第1回 問題62)  問題113 再生能力が最も強いのはどれか。  1.横紋筋線維  2.平滑筋線維  3.神経線維  4.神経細胞  (解答3)  (第6回 問題62)  問題114 完全再生するのはどれか。  1.びらん  2.褥瘡  3.挫傷  4.骨折  (解答1)  (解説 びらんとは、水疱や小水疱が破れた後の状態で続発疹の一つである。皮膚や粘膜の上皮が欠損し、結合織面が露出した状態である。上皮が再生して治癒すると、後に瘢痕を残さない。さらに深部に及ぶ欠損は潰瘍といい、瘢痕性に治癒する。)   (第11回 問題60) 問題115 再生能力が最も高いのはどれか。  1.神経  2.表皮  3.心筋  4.軟骨  (解答2)  (第25回 問題40)  問題116 再生能力が最も低い組織はどれか。  1.末梢神経  2.皮膚  3.軟骨  4.心筋  (解答4)  (第16回 問題53)  問題117 不完全再生が行われるのはどれか。  1.神経膠組織  2.胃粘膜  3.心筋  4.子宮内膜  (解答1)  (解説 2 4は生理的再生であり、3は再生しない。)  (第8回 問題63)  問題118 化生について正しいのはどれか。  1.適応現象  2.老化現象  3.一次性治癒  4.拒絶反応  (解答1)  (第20回 問題54)  問題119 化生について誤っているのはどれか。  1.適応現象である。  2.可逆的変化である。  3.直接化生は再生を前提とする。  4.扁平上皮化生は間接化生である。  (解答3)  (第22回 問題52)  問題120 拒絶反応が最も起こりやすいのはどれか。  1.自家移植  2.同系移植  3.同種移植  4.異種移植  (解答4)  (第14回 問題60)  問題121 移植までの保存可能時間が最も長い臓器はどれか。  1.心臓  2.肺  3.肝臓  4.腎臓  (解答4)  (第10回 問題63)  問題122 肉芽組織の構成要素でないのはどれか。  1.線維芽細胞  2.毛細血管  3.貪食細胞  4.再生上皮  (解答4)  (第2回 問題62)  問題123 肉芽組織の構成成分でないのはどれか。  1.上皮細胞  2.貪食細胞  3.血管内皮細胞  4.線維芽細胞  (解答1)  (第13回 問題63)  問題124 第1次治癒で治るのはどれか。  1.切創  2.挫傷  3.褥瘡  4.第3度熱傷  (解答1)  (第8回 問題62)  問題125 組織内異物の処理方法として適切でないのはどれか。  1.排除  2.器質化  3.被包  4.変質  (解答4)  (第4回 問題61)  問題126 組織内異物の処理法として誤っているのはどれか。  1.排除  2.器質化  3.被包  4.再生  (解答4)  (第14回 問題57)  第4章 炎症  問題127 炎症と関係のないのはどれか。  1.腫張  2.発熱  3.肥大  4.疼痛  (解答3)  (第1回 問題59)  問題128 急性炎症の局所に最初に起こる現象はどれか。  1.好中球浸潤  2.漿液性滲出  3.線維素性滲出  4.リンパ球浸潤  (解答2)  (第7回 問題62)  問題129 炎症で最も遅い時期にみられるのはどれか。  1.好中球の遊走  2.細動脈の収縮  3.肉芽組織の形成  4.血漿成分の滲出  (解答3)  (第25回 問題42)  問題130 炎症の化学的介助物質はどれか。  1.サイロキシン  2.ヒスタミン  3.トロンビン  4.レニン  (解答2)  (第8回 問題60)  問題131 炎症時にヒスタミンを放出する主な細胞はどれか。  1.好中球  2.リンパ球  3.肥満細胞  4.マクロファージ  (解答3)  (第23回 問題42)  問題132 漿液性炎はどれか。  1.サルコイドーシス  2.皮下膿瘍  3.上気道ジフテリア  4.カタル性鼻炎  (解答4)  (第21回 問題54)  問題133 化膿性炎はどれか。  1.結核  2.ジフテリア  3.ひょう疽  4.関節リウマチ  (解答3)  (第2回 問題61) 問題134 化膿性炎の滲出物中に最も多く含まれている細胞はどれか。  1.リンパ球  2.形質細胞  3.マクロファージ  4.好中球  (解答4)  (第11回 問題63)  問題135 滲出物中に多量の好中球が含まれるのはどれか。  1.漿液性炎  2.線維素性炎  3.化膿性炎  4.肉芽腫性炎  (解答3)  (解説)  1 血清とほとんど同じ組成を持つ漿液が滲出する炎症。 (例)虫さされ・靴擦れ・第2度火傷・第2度凍傷・アレルギー性鼻炎・漿液性胸膜炎・腹水など  2 滲出物の中に線維素を含む炎症(フィブリノゲンが含まれているため線維ぽくなる)  (例)ジフテリア性偽膜・大葉性肺炎など  3 滲出物中に多量の好中球が含まれ膿となる炎症。  (例)せつ・疔・急性虫垂炎・ひょう疽・面疔・淋菌性尿道炎・歯槽膿漏など  4 特異性炎ともいう。増殖性炎のうち、増殖する肉芽組織がその疾患により特徴的であり、特異な肉芽腫を形成するもの。  (例)クローン病・サルコイドーシス・野兎病・真菌・膠原病(間接リウマチ・リウマチ熱)・ハンセン病・腸チフス・梅毒・結核など  (第27回 問題42) 問題136 膿に最も多くみられる白血球はどれか。  1.好中球  2.リンパ球  3.肥満細胞  4.マクロファージ  (解答1)  (解説)  膿:化膿性炎症の際に出る,黄色不透明で濃厚な滲出液をいう。膿の中には,血液中から遊出してきた白血球,特に好中球が多数見出される。これらは脂肪変性に陥るため,膿が黄色にみえるようになる(好中球が異物をやっつけたあとの死骸の集まったものが、膿)。  (第26回 問題42) 問題137 蜂窩織炎(蜂巣炎)の主な炎症担当細胞はどれか。  1.好中球  2.リンパ球  3.肥満細胞  4.マクロファージ  (解答1)  (第24回 問題42)  問題138 急性炎症でないのはどれか。  1.漿液性炎  2.化膿性炎  3.壊死性炎  4.肉芽腫性炎  (解答4)  (第17回 問題55)  問題139 皮膚の疾患と炎症の型との組み合わせで誤っているのはどれか。  1.靴ずれ(まめ) ーー 壊疽性炎  2.面疔 ーー 化膿性炎  3.ひょう疽 ーー 蜂窩織炎(蜂巣織炎)  4.じんま疹 ーー 漿液性炎  (解答1)  (第5回 問題61)  問題140 肉芽腫を形成しないのはどれか。  1.結核  2.梅毒  3.淋病  4.ハンセン病  (解答3)  (第11回 問題62)  問題141 肉芽腫を形成しない疾患はどれか。  1.真菌症  2.サルコイドーシス  3.ハンセン病  4.肝硬変  (解答4)  (第12回 問題63)  問題142 腸管の肉芽腫性炎に属するのはどれか。  1.クローン病  2.偽膜性大腸炎  3.潰瘍性大腸炎  4.細菌性赤痢  (解答1)  (第15回 問題54)  問題143 乾酪性壊死を伴う肉芽腫が特徴的な疾患はどれか。  1.ハンセン病  2.サルコイドーシス  3.結核  4.クローン病  (解答3)  (第19回 問題55)  問題144 結核結節の中心にあるのはどれか。  1.ラングハンス巨細胞  2.類上皮細胞  3.乾酪壊死  4.線維  (解答3)  (第22回 問題55)  問題145 炎症の5大徴候に含まれないのはどれか。  1.発熱  2.機能障害  3.腫脹  4.膿  (解答4)  (第20回 問題55)  問題146 急性炎症の全身症状として適切でないのはどれか。  1.発熱  2.血圧上昇  3.CRP上昇  4.好中球増多  (解答2)  (第10回 問題61)  第5章 腫瘍 問題147 腫瘍について正しい記述はどれか。  1.良性腫瘍は境界不明瞭である。  2.悪性上皮性腫瘍を癌腫と呼ぶ。  3.良性腫瘍は転移をする。  4.悪性腫瘍は膨張性発育をする。  (解答2)  (第2回 問題63)  問題148 腫瘍について正しい記述はどれか。  1.上皮性悪性腫瘍を肉腫という。  2.癌腫は実質細胞が胞(蜂)巣を形成する。  3.肉腫はリンパ行性に転移しやすい。  4.肉腫は高齢者に好発する。  (解答2)  (解説 胞巣構造とは、腫瘍細胞が互いに密着,ときには疎に接しながら島状に増殖し,その周囲を結合織が隔壁状に囲んでいるという上皮性腫瘍に特徴的な構築をいう.)  (第3回 問題61)  問題149 腫瘍について誤っている記述はどれか。  1.蜂巣構造は上皮性腫瘍にみられる。  2.腫瘍周囲の組織には萎縮がみられる。  3.早期癌は粘膜内癌である。  4.腫瘍細胞の大小不同は細胞分裂の異常による。  (解答2)  (第8回 問題64)  問題150 腫瘍について正しいのはどれか。  1.良性腫瘍では異型度が高い。  2.間質に富む癌を髄様癌という。  3.細胞が自律的に増殖する。  4.進行癌では免疫力が亢進する。  (解答3)  (第24回 問題44)  問題151 悪性腫瘍の原因となるウイルスはどれか。  1.帯状疱疹ウイルス  2.C型肝炎ウイルス  3.麻疹ウイルス  4.インフルエンザウイルス  (解答2)  (第21回 問題56)  問題152 近年我が国で死亡者数が減少している悪性新生物の発生臓器はどれか。  1.肺  2.乳房  3.胃  4.大腸  (解答3)  (第16回 問題56)  問題153 次の小児の悪性腫瘍で最も頻度の高いのはどれか。  1.髄芽腫  2.神経芽腫  3.肝芽腫  4.腎芽腫  (解答2)  (第10回 問題64)  問題154 腫瘍の組織構造について正しい記述はどれか。  1.腫瘍は実質と間質とからなる。  2.良性腫瘍は発生母組織と類似しない。  3.悪性腫瘍は異型が少ない。  4.非上皮性腫瘍では実質が蜂巣を形成する。  (解答1)  (第5回 問題64)  問題155 良性腫瘍に多くみられるのはどれか。  1.細胞分裂像  2.浸潤性発育  3.分化傾向  4.転移  (解答3)  (第9回 問題63)  問題156 腫瘍と宿主に及ぼす影響との組合せで正しいのはどれか。  1.早期癌 ーー 悪液質  2.末期癌 ーー 免疫力低下  3.脳転移 ーー 頭蓋内圧低下  4.溶骨性骨転移 ーー 低カルシウム血症  (解答2)  (第22回 問題53)  問題157 上皮性腫瘍に属するのはどれか。  1.血管腫  2.脂肪腫  3.平滑筋腫  4.腺腫  (解答4)  (第1回 問題63)  問題158 腫瘍に含まれないのはどれか。  1.筋腫  2.骨腫  3.リンパ腫  4.脾腫  (解答4)  (第7回 問題63)  問題159 悪性腫瘍に属するのはどれか。  1.白血病  2.軟骨腫  3.脂肪腫  4.神経鞘腫  (解答1)  (第3回 問題62)  問題160 腺腫の好発部位はどれか。  1.肝臓  2.腎臓  3.大腸  4.前立腺  (解答3)  (第5回 問題63)  問題161 遺伝が関与する腫瘍はどれか。  1.膀胱癌  2.胆嚢癌  3.ウィルムス腫瘍  4.ユーイング肉腫  (解答3)  (解説 ウィルムス腫瘍とは腎に発生する腎芽細胞、胎児性腫瘍(胎芽腫)であり,0〜3歳の男女児に好発し,両側性のこともある. ユーイング肉腫とは比較的に稀な骨腫瘍.20歳未満の若年者に好発し,男女比は2:1で男性に多い.予後は極めて不良である。)  (第4回 問題63)  問題162 腫瘍が転移しにくい器官はどれか。  1.肝臓  2.肺臓  3.骨髄  4.心臓  (解答4)  (第4回 問題64)  問題163 我が国のがん統計について誤っている記述はどれか。  1.男性がん死亡率は肺癌が最も高い。  2.女性がん死亡率は子宮癌が最も高い。  3.前立腺癌罹患率は増加傾向にある。  4.乳癌罹患率は増加傾向にある。  (解答2)  (第13回 問題64)  問題164 我が国の最近の小児の悪性腫瘍で年間発生数が最も多いのはどれか。  1.骨肉腫  2.神経芽腫  3.肝芽腫  4.白血病  (解答4)  (第20回 問題56)  問題165 癌の発生頻度の低いのはどれか。  1.十二指腸  2.空腸  3.結腸  4.直腸  (解答2)  (第11回 問題64)  問題166 老年期に発生率が最も高くなるのはどれか。  1.子宮頸癌  2.乳癌  3.前立腺癌  4.甲状腺癌  (解答3)  (第12回 問題64)  問題167 扁平上皮癌の好発部位として誤っているのはどれか。  1.食道  2.肺  3.子宮体部  4.子宮腟部  (解答3)  (解説 子宮体癌には、腺癌、腺扁平上皮癌、稀に扁平上皮癌がある。)   (第7回 問題64)  問題168 扁平上皮癌が最も発生しやすいのはどれか。  1.肺  2.胃  3.肝臓  4.膀胱  (解答1)  (第25回 問題44)  問題169 予防ワクチンがある癌はどれか。  1.乳癌  2.大腸癌  3.子宮頸癌  4.甲状腺癌  (解答3)  (第25回 問題43)  問題170 胃癌の病期分類に必要な情報はどれか。  1.遠隔転移の有無  2.体重減少の有無  3.免疫力低下の有無  4.腫瘍マーカー上昇の有無  (解答1)  (解説)  TNM分類:悪性腫瘍の発育段階を、臨床的立場から判定し、予後を推測する指標。  ※国際対癌連合(UICC)が作成したものである。  T・N・Mそれぞれに度数をつけ、これらの組み合わせによって悪性腫瘍を病期(stage)T〜Wに分類している。  T(tumor):原発巣の大きさと広がり  N(node):付属リンパ節転移の有無と広がり  M(metastasis):遠隔転移  TNM分類の病期(ステージ) T〜Wの状態  T:転移のないもの  U:周辺部に拡大しているが、転移のないもの  V:所属リンパ節への転移はあるが、遠隔転移のないもの  W:遠隔転移のあるもの  ※病期TとUは予後が良いが、VとWは不良である。  (第27回 問題44) 第6章 免疫異常  問題171 免疫担当細胞でないのはどれか。  1.リンパ球  2.形質細胞  3.骨髄芽球  4.マクロファージ  (解答3)  (第12回 問題62)  問題172 形質細胞に分化するのはどれか。  1.T細胞  2.B細胞  3.NK細胞  4.マクロファージ  (解答2)  (第14回 問題53)  問題173 免疫担当細胞と免疫反応との組合せで誤っているのはどれか。  1.T細胞 ーー 細胞性免疫  2.好酸球 ーー アレルギー反応  3.形質細胞 ーー 抗体産生  4.ナチュラルキラー細胞 ーー 免疫寛容  (解答4)  (第18回 問題55) 問題174 生体防御におけるマクロファージの役割でないのはどれか。  1.貪食  2.免疫グロブリンの産生  3.サイトカインの放出  4.抗原情報の提示  (解答2)  (第9回 問題61)  問題175 寄生虫感染の際に血中で最も増加するのはどれか。  1.好中球  2.好酸球  3.好塩基球  4.単球  (解答2)  (第22回 問題54)  問題176 T細胞の分化成熟を主に行うのはどれか。  1.骨髄  2.胸腺  3.脾臓  4.リンパ節  (解答2)  (第24回 問題43)  問題177 I型アレルギーに含まれない疾患はどれか。  1.気管支喘息  2.慢性関節リウマチ  3.ペニシリンショック  4.花粉症  (解答2)  (第3回 問題63) 問題178 IgEが関与するアレルギーはどれか。  1.T型  2.U型  3.V型  4.W型  (解答1)  (第23回 問題43)  問題179 免疫グロブリンの特徴として正しい記述はどれか。  1.IgMは血中免疫グロブリンの大部分を占める。  2.IgGは粘液中に最も多く存在する。  3.IgAは感染の初期に現れる。  4.IgEは花粉症の主役である。  (解答4)  (解説 免疫グロブリン(Ig)には、  @IgG:もっとも量が多く、感染防御作用をもつ。胎盤を通して胎児の血液中に入り、乳児の免疫脛を補う。 AIgA:消化器や気道の粘膜の粘液中に多く含まれる。感染防御作用をもつ。 BIgM:病原体の感染に際して最初にあらわれ、IgG、IgDの出現をまって、これと抗体する。 CIgD:IgMとともにB−細胞の表面に限ってIg受容体として出現する。 DIgE:強力な障害作用をもつ抗体で、肥満細胞や好塩基球と結合しており、抗原と反応した際、コレラの細胞からヒスタミンやセロトニンを放出させる。)  (第8回 問題61) 問題180 アレルギー反応の分類とその関連疾患との組合せで誤っているのはどれか。  1.I型アレルギー ーー アレルギー性鼻炎  2.U型アレルギー ーー グッドパスチャー症候群  3.V型アレルギー ーー 急性糸球体腎炎  4.W型アレルギー ーー 気管支喘息  (解答4)  (解説 グッドパスチャー症候群とは、肺出血(喀血)を伴った糸球体腎炎。肺病変は腎病変に先行する。若年成人男性に多い。免疫学的には抗糸球体基底膜抗体腎炎である。流血中に抗糸球体基底膜抗体が存在する。)   (第14回 問題59)  問題181 ツベルクリン反応に直接関与しないのはどれか。  1.Tリンパ球  2.マクロファージ  3.免疫グロブリン  4.結核菌体成分  (解答3)  (第10回 問題62) 問題182 遅延型アレルギーはどれか。  1.T型  2.U型  3.V型  4.W型  (解答4)  (第22回 問題56) 問題183 バセドウ病のアレルギーの型はどれか。  1.T型  2.V型  3.W型  4.X型  (解答4)  (第26回 問題43) 問題184 免疫不全をきたすおそれのあるのはどれか。  1.ガンマ線  2.紫外線  3.赤外線  4.超短波  (解答1)  (第6回 問題61)  問題185 自己免疫疾患でないのはどれか。  1.橋本病  2.花粉症  3.全身性エリテマトーデス  4.慢性関節リウマチ  (解答2)  (第4回 問題62)  問題186 自己免疫疾患と最も関連の低いのはどれか。  1.全身性エリテマトーデス  2.関節リウマチ  3.骨軟化症  4.多発性筋炎  (解答3)  (第14回 問題58)  問題187 自己免疫疾患でないのはどれか。  1.多発性筋炎  2.橋本病  3.2型糖尿病  4.シェーグレン症候群  (解答3)  (解説 シェーグレン症候群とは、乾燥性角結膜炎、唾液腺腫脹、多発性関節炎を主症状とする疾患群。原因は明確でないが、自己免疫疾患とする説が有力である。中年女性に多い。)   (第15回 問題56)  問題188 自己免疫疾患でないのはどれか。  1.関節リウマチ  2.シェーグレン症候群  3.ターナー症候群  4.全身性エリテマトーデス  (解答3)  (第16回 問題55)  問題189 自己免疫異常による疾患でないのはどれか。  1.全身性エリテマトーデス  2.関節リウマチ  3.クロイツフェルト・ヤコブ病  4.原発性胆汁性肝硬変症  (解答3)  (解説 原発性胆汁性肝硬変症とは、90%が中年の女性に皮膚・痒・黄疸で発病する。自己免疫など免疫異常が主因とされる。血清中の胆道系酵素、コレステロールの上昇、IgMの増加、抗ミトコンドリア抗体陽性が特徴的な所見である。)   (第17回 問題56)